町田啓太がクセの強い役を全力で演じる!前代未聞の学園コメディ「女子高生の無駄づかい」

大河ドラマ「青天を衝け」(2021年)で土方歳三役を熱演した町田啓太。鬼の副長と恐れられた男の美しき散り際は、鮮烈な印象を残した。近年その活躍は目覚ましく、今年に入ってからも正直な祖母と入れ替わる見栄っ張り男を演じたコメディドラマ「ダメな男じゃダメですか?」(2022年)など、まったく異なる作品で主演に抜擢された。また、来年正月には宮藤官九郎による痛快エンターテインメント青春時代劇「いちげき」も放送を控えている。
他にも純度100%のラブコメドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(2020年)など、出演作を挙げればきりがない。時代劇でも青春ドラマでもラブコメでも美男子ぶりを発揮する町田だが、そのイメージは「女子高生の無駄づかい」(2020年)で気持ち良く崩されている。

(C)テレビ朝日・MMJ

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大人気漫画をドラマ化した本作のキーパーソンは一際キラキラ感のないバカ、ヲタ、ロボの3人の女子高生。彼氏が欲しいが、女子高に通っているため男がいない。イケメン教師に期待するも、担任のワセダは女子高生が対象外。クラスメートも重度の中二病・ヤマイや、優等生すぎて面白みゼロのマジメなど、超個性的な面々ばかり。ヒマを持て余した女子高生たちが、高校での青春をただただ無駄に消費する...キラキラもしていないし甘酸っぱい恋もない、ある意味で前代未聞の学園コメディになった。

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"JKたちのハナクソレベルの日常を描く、超挑戦的コメディ"という煽り文句に違わず、キャストたちも全力でコメディに挑んでいる。正統派イケメンかつ高身長という天に恵まれた町田の容姿をこれでもかと"無駄づかい"。主人公たちの担任ながら女子大生好きを公言する教師・佐渡正敬(ワセダ)役で、なかなかにクセの強い演技を見せた。
有名大学卒の公務員で眉目秀麗な27歳独身のワセダは、初登場シーンからコミカルに全振り。かっこいいはずなのに、そのダメっぷりは果てしなく残念。クセの強すぎる女子高生たちに負けないキャラの濃さ、醸し出す雰囲気がなぜかダサい。彼女たちから繰り出される自然なボケに冷静なツッコミを入れる姿は、さながらコントのようだ。

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クオリティの高い連続ドラマ内小説「ロボっこ」では、微生物好きの高校生ワセ男として登場し、爽やかな笑顔を見せる。疲れを癒してくれるネコのキャラクター"もっちにゃん"を愛でる姿も、大倉孝二が演じる教頭とのBLシーンや突如明かされる壮絶な過去も、その独特のノリが楽しい。ダメな大人ぶりを気持ち良くやりきっている。

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個性派揃いの女子高生役には、フレッシュなキャストが起用された。清々しいほどのバカは岡田結実が体当たりで演じた。変顔も下ネタも厭わない堂々としたバカっぷりが素晴らしい。恋多き漫画家志望のヲタ役の恒松祐里や無機質系天才少女ロボ役の中村ゆりかも、原作の良さを損なわない見事なキャスティングだ。
脚本には劇団ロリータ男爵の田辺茂範や劇団東京マハロの矢島弘一、劇団ヨーロッパ企画の角田貴志ほか、気鋭のクリエイターが参加している。キャストの熱演と絶妙な脚本によって映像化された世界観のゆるさがたまらない。本作で見せた町田らキャストのクセの強い残念ぶりを、肩の力を抜いて楽しんでほしい。

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文=中川菜都美
放送情報【スカパー!】
女子高生の無駄づかい
放送日時:2022年11月9日(水)20:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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