ソンフンの雄々しいビジュアルに魅了！世界中に「ツンデレ御曹司」人気を拡げた「じれったいロマンス」の裏側

不倫する年下夫を演じた「結婚作詞 離婚作曲」(1・2シーズン)や、"予期せぬ妊娠・出産"をテーマにした「私たちは今日から(原題)」など、近年は意外な役柄で注目を集めているソンフン。数え年で40歳を迎えたこともあり、かつてのイメージを払拭する幅の広い演技を見せている。

そんなソンフンのハマリ役といえば、ブレイクのきっかけとなった"ツンデレ御曹司"キャラ。中でも印象深いのは、世界120ヶ国で放送されるなど世界中で注目を集めたドラマ「じれったいロマンス」(2017年)だろう。

11月29日(火)よりKNTVにて日本初放送される新作「私たちは今日から(原題)」でロマンスを繰り広げた女優イム・スヒャンと共に初主演を飾り、SBS演技大賞でニュースター賞を受賞した「芙蓉閣の女たち～新妓生伝」(2011年)で鮮烈なデビューを飾ったソンフン。28歳のデビューと遅咲きながら、恋人の決断に翻弄される大企業の御曹司役で一躍スターダムへと踊り出ると、「高潔な君」(2015年)、「じれったいロマンス」...と、家柄も頭脳もルックスも申し分ない御曹司キャラが続いた。

中でも、コミカルなラブロマンス「じれったいロマンス」で演じたのが、女性とのスキャンダルが絶えない大企業の跡継ぎ・ジヌク。偶然に偶然が重なり、地方のリゾートホテルで"一夜限りの関係"を持ってしまった男性恐怖症のユミ(Secret・ジウン)と3年後、グループ総括本部長と社員食堂の栄養士として再会。気まずさから知らないフリをするユミに、ジヌクはあの手この手を使ってカマをかけ始める...というストーリーが展開する。

ジヌクは御曹司なだけでなく、俳優並みのビジュアルの持ち主。3年前、自分を残してホテルから姿を消したユミにプライドを傷つけられた彼は、彼女に再会するや「相変わらずだな。俺は前よりイケてる」とニヤリ。ジヌクを知らないと言い張るユミにちょっかいを出す口実を作るため、毎日弁当を作って届けるよう業務命令を下す。

とにかくゴージャスで雄々しいソンフンの佇まいが、自信満々で押しの強いジヌクのキャラにぴたりとハマる。そんなソンフンがユミの肩を抱き寄せて、「この女の飯だけ食う。俺の専属栄養士だ。彼女に指図できるのは俺だけだ」と言い放つシーンはまさに、ツンデレの極みだ。

そして美しい顔面だけでなく、元水泳選手だったソンフンの逞しい体躯を存分に生かした演出もそこかしこで登場する。

鍛え上げられた逆三角形の背中がくっきりわかるワイシャツ姿は眼福モノで、さりげなくまくり上げられた腕の筋肉は思わず見とれてしまうほど。ツンデレキャラには欠かせない"壁ドン"も、この体躯ならば実に絵になる。勢いよく引き寄せられたユミの体が反動でバウンドしてしまうほどに胸板も厚く、そうしたソンフンの完璧な肉体を鑑賞する"モムチャン(鍛え上げられた体)"ドラマとしての側面も本作は持ち合わせているのだ。

そんな逞しい"オス感"をこれでもかと見せつけてくるジヌクだが、可愛く盛り付けられたユミ手製の弁当をこっそり写真に収めていたり、3年前の"ワンナイトラブ"がきっかけで恋愛不能に陥っていたりと、強気な態度の裏ではナイーブな心を隠し持っている。ストーリーが進むにつれて垣間見えていくジヌクのギャップが堪らない。本作を見れば、ソンフンにツンデレ御曹司役が集中した理由がよく分かるはずだ。

「じれったいロマンス」放送後、爆上りした日本での人気ぶりは、2018年5月に神奈川で開催された来日ファンミーティング「Romance with SONG HOON Fanmeeting」の熱狂ぶりからも窺い知ることができる。歌やトークはもちろん、事務所の後輩アイドルグループとのコラボレーションも披露されたステージからは、俳優とはまた違った意外な一面も覗かせている。11月10日(木)には、その前年にも開催された来日ファンイベントの模様が収められた「じれったいロマンス スペシャル特番 withソンフン」と併せてKNTVにて同時放送されるので、本編の前にこちらも楽しみたい。

30代で大ブレイクした「じれったいロマンス」に代表される"ツンデレ御曹司"と、40代に近づき包容力と大人の魅力に溢れた最新作「私たちは今日から(原題)」。5年の間により深みを増したソンフンの演技のふり幅を楽しんでみてはいかがだろうか。

文＝酒寄美智子