鈴木亮平の役作りへのこだわりが感じられる！ブレイク前の坂口健太郎、永野芽郁の姿も見られる映画「俺物語!!」

数々の漫画の実写化作品に出演し、高い評価を得ている鈴木亮平。Netflix映画「シティハンター」でも主人公を演じることが決定し、注目を集めている。そんな鈴木が30キロも増量し、身長2メートル、体重120キロの男子、猛男役に挑んだ主演映画「俺物語!!」が日本映画専門チャンネルで2月6日(月)21時より放送される。本作が公開された2015年、鈴木は佐藤健主演のドラマ「天皇の料理番」にも出演。病に冒され、痩せ細っていく役を演じたことでも、その役者魂が話題になった。原作は大ヒットした同名の少女漫画でメガホンをとったのは映画『かぐや様は告らせたい　天才たちの恋愛頭脳戦』や『映画　鈴木先生』の河合勇人。

主人公、猛男の幼なじみ、砂川を20代半ばの坂口健太郎が、猛男が一目惚れする凛子を10代半ばだった永野芽郁が演じている。坂口と永野はまだブレイク前。撮影現場に行く度に身体が大きくなっていく鈴木の役に臨むプロフェッショナルな姿勢に衝撃を受け、もっと頑張らないとと両者ともに背中を押されたという当時のエピソードは、映画同様にいい話である。そんな3人が本作で繰り広げるコミカルな青春ラブストーリーとは？

■鈴木演じる豪快さとナイーブさをあわせ持つ猛男に釘付け

猛男は中学の卒業式に女子からではなく男子の後輩から学生服のボタンをもぎとられるほどの人気者。巨体でスポーツ万能、気は優しくて力持ちを地でいくキャラクターだ。対照的に幼馴染みの砂川はどこに行ってもモテモテで、学校でも告白されまくりだが、超クール。猛男に言わせると「頭は良いし、性格も良いが、女子にはちょっと冷たい」ということになる。川で溺れている小学生がいれば何の躊躇もなく豪快に飛び込む猛男だが、水の中から顔を出す様は怪獣さながらの迫力で恐怖のあまり小学生が泳いで逃げ出そうとするほど。凛子と出会ったキッカケも凛子がチンピラ風の男に絡まれているのを放っておけず、速攻で助けたからだが、驚きと嬉しさで涙を流す凛子を見て「危なかった。また不審者として通報されるところだった」とその場を立ち去り、胸を撫でおろす。ピンチに陥っている人がいれば助けるのは当たり前で、感謝されることなんて期待していない。フラれて夕陽を見ながら感傷に浸っても、自分のことより親友の幸せを願う。男前で小学校高学年男子のようにピュアな猛男になりきる鈴木亮平の演技が突き抜けている。

■猛男と砂川の心温まる友情、凛子の天然な可愛さにドキドキ

猛男に助けてもらったお礼を言いそびれていた凛子はあらためて猛男と砂川に自己紹介。手作りのケーキやハート型のマカロンを持っていって、2人と一緒に楽しいひとときを過ごす。猛男は凛子の可愛い笑顔と優しさに「好きだ〜！！」と叫びたくなる気持ちを胸に秘めて、悶える日々。しかし、小学生の頃から助け合ってきた砂川との友情は固く、帰り道に凛子のことを良い子だと言う砂川に、「オマエが女子のこと褒めるの初めて聞いたぞ」と驚いた猛男は自分の気持ちを抑えて勝手に砂川と凛子の恋を応援する立場にまわる。永野芽郁の屈託のない笑顔と傷ついて涙する表情は同性でも思わず抱きしめたくなる可愛さでヒロイン役を好演。普段は冷静で淡々としている砂川を演じる坂口健太郎も凛子に猛男のことを相談され、くしゃっとした笑顔を見せるなど、猛男が信頼している理由が徐々にわかっていく演技を見せる。女子たちから"ギリギリ人類"と言われている猛男の一世一代の恋の行方にドキドキ。猛男の両親を「相棒」の寺脇康文と鈴木砂羽が演じているのもニヤリとするチェックポイントだ。

文＝山本弘子