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安斉かれん&三浦翔平が描き出す「平成の歌姫誕生秘話」と、田中みな実の怪演に心震える「M 愛すべき人がいて」

2023/01/26

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「M 愛すべき人がいて」(テレ朝チャンネル1)
「M 愛すべき人がいて」(テレ朝チャンネル1)

平成の歌姫と呼ばれ、多くのヒット曲を生み出した浜崎あゆみ。若い女性を中心に圧倒的な支持を受け、ファッションなどにも影響を与え、社会現象にまでなったことは記憶に新しい。

浜崎が時代を作るアーティストに成長した過程を描いたドラマが2020年、テレビ朝日とAbemaTVの共同制作により世に送り出された。タイトルは原作となった小松成美の小説と同じ「M 愛すべき人がいて」。浜崎とエイベックスの専務(当時)、松浦勝人との恋愛も描かれていて、浜崎ファンをはじめとして大いに話題となった。

安斉かれん&三浦翔平の「平成の歌姫誕生秘話」はもちろん、田中みな実の怪演も話題に
安斉かれん&三浦翔平の「平成の歌姫誕生秘話」はもちろん、田中みな実の怪演も話題に

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

本作はいわゆるW主演で、2人の主人公がいる。まず「あゆ」を演じるのは、当時まだ新人歌手だった安斉かれん。歌手デビューの前からファッションメディアなどで活躍していてビジュアルは完璧、ドラマはこれが初出演となる。

もう1人はあゆを育てる敏腕プロデューサー「マサ」で、2008年のドラマ「ごくせん 第3シリーズ」で俳優デビューした三浦翔平が演じる。2011年に第34回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞するなど三浦の演技力には定評があり、ドラマ「奪い愛、冬」などの話題作にも出演している。

物語は、あゆが東京に出て芸能活動を始めたところからスタート。まだ女子高生で経験が浅いあゆにはエキストラ程度の仕事しか来ないが、友人の玉木理沙(久保田紗友)に誘われて六本木のディスコ・ベルファインを訪れ、マサと出会ったことから運命が動き出す。

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

あゆを演じる安斉は、このドラマで初めて本格的な演技に挑んだという。その姿は初々しく、東京に出たてで多くの不安を抱えながら芸能活動に熱中し、自分の居場所を探すあゆの心情がよく出ている。

一方のマサは新たなスターを生み出そうと燃えているカリスマプロデューサー。登場シーンの「ぜってぇ負けねえ!」というセリフ通り、熱い想いを持つ。声を荒らげたり暴れたりする場面も多いが、それも信念があるからだと思えるのは、三浦の説得力のある演技の力だろう。

ベルファインであゆと出会ったマサはあゆを磨き上げるべく修練を課し、あゆもそれに応える。ニューヨークに滞在してボイストレーニングを受けたり、4人組のユニットとの合宿でイジメを受けたり...。そういった場面で、スターを目指すあゆの強い想い、スターを生み出そうとするマサの熱意が痛いほど伝わってくるし、やがてその気持ちが2人を引き寄せていく。

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

会社社長の大浜(高嶋政伸)や、マサの秘書の姫野礼香(田中みな実)の妨害を乗り越えてあゆがデビューを果たし、順調に売れだしてからは、2人の演技も変わっていく。

あゆの笑顔や話し方からは自信が感じられ、ボイストレーニングの頃はかすれがちだった声も芯のある声へと変わっている。第6話のレコーディングシーンなどは輝いて見えるほどだ。マサには落ち着いた優しい空気が宿り、一緒に暮らし始めた2人が語らうシーンなどでは、安らかな笑顔を見せてくれる。

また、このドラマにはもう1人、注目したい女優がいる。姫野礼香役を務める田中みな実だ。マサがきっかけで失った左目を眼帯で隠した異様なキャラクターで、マサへの異常なまでの愛情と狂気じみた言動、それを演じる田中の怪演はSNSで話題になるほど。特にあゆが自分からマサを奪うと思い込んだ時の「許さなーーーーーーい!」と伸ばすセリフは、名セリフとして有名になった。

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

もちろん礼香の存在はフィクションだが、原作が実話をもとにした小説だけに、1999年の音楽番組で浜崎が歌えなくなった実際のエピソードなども盛り込まれている。時代を作り上げた2人の苦難、生き様、そして恋愛を、当時を思い出しながら、このドラマで存分に味わってほしい。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

M 愛すべき人がいて
放送日時:2023年2月8日(水)20:00~ ※毎週(火)~(木)放送
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

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