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2023/05/09

『第23回モンド杯』開幕!連覇を狙う白鳥翔プロ「俺には麻雀しかないっていうモードの時はめちゃくちゃ強いです」

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時代をリードする男性プロ雀士12名が若手最強雀士を決める対局シリーズ、『モンド杯』が今年も開幕する。

モンド杯とは、予選は各雀士が6戦を戦い(予選全18戦)、総合点の上位2名が決勝進出。3位から10位の8名が準決勝に進出し、下位2名は予選敗退。準決勝は点数を持ち越し各雀士1戦(準決勝全2戦)、総合点の上位2名が決勝進出。決勝は予選の点数を持ち越さずにリセットされ、2戦を行い、優勝者が決定する――。

今回、開幕に先駆け、前回優勝者である日本プロ麻雀連盟に所属する白鳥翔プロにインタビューを敢行。麻雀プロを目指したきっかけや連覇に向けての意気込みなどを語ってもらった。

「モンド杯」連覇に挑む白鳥翔プロ
「モンド杯」連覇に挑む白鳥翔プロ

――麻雀を始めたきっかけは?

「最初に麻雀を知ったのは、幼稚園の時にファミコンの『上海への道』っていう麻雀ゲームですね。ちょっとストーリー仕立てのゲームで、それで初めて麻雀を触れました。本格的に麻雀を始めたのは高校の時、雀荘で働いていた同級生のお兄ちゃんに教えてもらってからです」

――本格的に麻雀を始めた時、麻雀の何に惹かれましたか?

「僕の中で、麻雀は数あるゲームの中で一番のコミュニケーションツールだと思っていて、囲碁とか将棋って対1人としかできないじゃないですか。でも、麻雀って4人で出来るから、これはみんな仲良くなれるって思って。今になって自己分析すると、その当時の家庭環境とかで、すごく寂しかったと思うんです。それで、麻雀を通じて年上の人に可愛がられて遊んでもらえたので、それがすごく楽しかったですね。麻雀のゲーム性ももちろんですけど、1つの関りとして好きだったんだろうなって思います」

――麻雀は運の要素も大きいと言われてて、勝ちたいと思ってすぐ勝てるものではなかったと思いますが、挫折はしなかったですか?

「麻雀は、確率とか数学的なゲームなんじゃないかなって最初から思っていて。勝負の流れとかもあったと思いますが、根底にあるのは数字だし、確率がベースのゲームだろうなって思っていました。だから、そんなに挫折するほど負けるとかってことはあんまりなくて、のめり込んでいきました。今の自分のベースにあるのは"読み"だと思っています。例えば『この牌が何枚ある確率が何%なら、その差し引いた数値はいくつ』って、考えて理解していくうちに、この精度をもっと高められるんじゃないかと思えて。そうしたら無限に強くなれるんじゃないかって思えてきました。でも、一生やっても追いつかない、全部を理解することがないゲームだなってわかった瞬間に、このゲームをやめることはないだろうなとも思いました。たまたま知り合ったプロに頼んで、高校生じゃ手に入らないような麻雀本を買ってもらって家で読みながら牌を並べて、なんでここでこれを打つんだろって、ずっと繰り返しやってるような高校生でした。生粋の競技麻雀マニアだったんです(笑)」

――麻雀プロを志すきっかけは?

「きっかけは、MONDO TVを観て、滝沢(和典)さんと(二階堂)亜樹さんが番組に出てて、その2人が僕の原点ですね。プロになりたいなって思ったのは、この人たちとここで麻雀やりたいなって思って、それを18歳の高校生の時から周りに言い続けてきたら叶いました」

――白鳥さんがプロになる前は、ガチの対局を観れるのはMONDO TVだけでしたね

「MONDOしかなかったですね!だから、プロになる目標って言うのがタイトル獲るっていうのと、モンド杯に出るっていうことでした」

――そんな目標にしてた場所に、自分がいるのはどんな感じでしょうか?実感するエピソードなどあれば教えてください

「すごいなって思います!目標にしていた場所に今いることを一番実感したのは、僕の実家の近くにある総菜屋さんが長年MONDOを観ていたようで、母に『MONDO TVに翔ちゃん出てたね!』って言ってくれたことですかね。ご夫婦で総菜屋さんを営んでいて、ずっと可愛がってもらってました。たまに実家に帰る時に総菜屋さんに寄って挨拶すると『MONDO TV、毎回観てるよ!』って言われるのが嬉しいです。また、初めて報告を受けた時は、親が僕のことをめちゃめちゃ心配してくれていた時期だったので、嬉しそうに報告してもらえて僕自身もとても嬉しかったですね」

――愚問ですが、麻雀が飽きたことはないですか?

「麻雀に対してはないです。でも、麻雀プロをやめた方が良いかもって思ったことは1回あります。映像の時代になってきて、日本プロ麻雀連盟チャンネルでリーグ戦とか全部放送するようになったタイミングで思いました。当時、瀬戸熊(直樹)さんがめちゃくち攻撃的な麻雀で、めっちゃ攻めて、めっちゃアガって、役無しノミ手のドラも何もない手牌で、めちゃくちゃ押してリーチも打たずに役無しを上がって300、500ツモみたいな...ずっと勝ち続けてたんです。それに対して、自分の麻雀を見た時に全然派手なプレイは無いし、すぐ降りるし、当時の自分の実力不足っていうのももちろんあるんですけど、全然勝てないし、これで麻雀プロをやってる意味ってあるのかな?これからの映像の時代をやっていく上で、自分の麻雀は派手さも無いし、魅力も無いし、認められないだろうなって考えた時に、麻雀は好きだから続けるけど、麻雀プロである必要はないよなって思った時期はありました」

――それはどうやって乗り越えたんでしょうか?

「結局、自分が最善だと思う手を見失ってた時期だったと思うんですよ。こういう風に打たないと視聴者ウケ悪いよなとか、自分の麻雀だとあんまりウケが良くないから本当は守った方が良いと思うけど、ちょっと攻撃してみようとかって。そんな時に、『第16回モンド杯』の打ち上げで村上(淳)さんに話してみたんです。そしたら、村上さんに『自分が良いと思った麻雀を打って、それを観てもらって、一生懸命打ってる姿に感動してもらう、それしかないんじゃないの』って言われて、確かにそれしかできないなって思ったんですね。だから、とにかく自分が良いと信じたことをやろうと決めたことがきっかけです。そして、それを続けた結果、応援してくれる人の声とか褒めてくれる人が少しずつ増えていったのが救いになったんですね。攻撃で派手にアガる麻雀じゃなくても、守ること。相手の当たり牌を止める、相手のキー牌を鳴かせない、相手の手を好きにさせない、逆に相手を使って相手をアガらせるとか...。こういうことでも『すごい』って視聴者さんが思ってもらえるようになって来たんで、自分がやってきたこと、勉強してきたことが間違いじゃなかったんだなって、今になって改めて思いました」

――活躍されて、ファンの方の声が広がってきているって感じますか?

「めちゃくちゃ感じますね。ちょっと前に寝起きのパジャマ姿のままでスタバに行ったら、カップに"今年こそ優勝!まーじゃんLOVE"って書かれてたんですよ!これってすごくないですか?声こそ掛けられてないだけで、僕のことを認識しれくれているのかなって思ったりします」

――モンド杯では、ジャケットやスーツを着ていられる方が多いと思いますが、髪型やファッションにこだわりはあるのでしょうか?

「ありますね。麻雀に興味がない人が1秒でも長く番組を観てくれるようにするには、どういう工夫が出来るんだろうって考えた時に、『え?こんな人いるの?』って一瞬でも長く観てもらえたら良いなって思ってます。モンド杯に出始めたころは、他のプロたちのように普通の格好でしたが、途中から意識が変わったというか、良い意味で(笑)ちゃんとしなきゃいけないなって意識と、なんでこの場に自分が呼ばれているのかと自分の役割を考えました。他のプロたちとは違うことを自分が自然な形でやって、それが番組を観るきっかけになったり、視聴者を惹き付けることになればいいな~って思ってます」

――第23回モンド杯で見てほしいポイントはありますか?

「麻雀の内容をぜひ見てほしいです。平凡じゃない一手を打った時に、麻雀のプロは否定されがちなんですよ。でも、自分の中の理想では、僕が違う手を打った時は『え?なんで打ったんだろ?何か理由があるのかな?』って観てほしいです。こういう視点で観てもらえるのが、僕の麻雀のプロとしての最後の目標です。羽生(善治)さんが打った手って"羽生マジック"って言われるじゃないですか。羽生さんが打ったから何かあるみたいな、そう言う風に思われたいです」

――「麻雀ハイブリット」、「白いブラックスワン」、「冥府の先導者」など格好良いキャッチャフレーズがたくさんある中、「供託泥棒」がお気に入りとのことですが、新しくつけたいとかありますか?

「『名人戦』にも出られている伊藤優孝さんをすごく尊敬しているんですけど、僕が『冥府の先導者』って言い始めたのは、優孝さんは『死神』と言われているからなんです。もし優孝さんが引退してキャッチフレーズを受け継がせてもらえるならば、『死神』が欲しいなって思ってます。麻雀プロになって挫けそうな時もあるんですけど、優孝さんのキャッチフレーズを自分が受け継いでるって考えたら、頑張れそうな気がしますので」

――モンド杯2連覇に向けての意気込みをお願いします

「過去に1回、連覇できるかもって言う時があって、それが手から滑り落ちた瞬間というのを味わってめっちゃ悔しかったです。連覇できそうなのにできなかった...今回は本当にチャンスで、2度とないチャンスかもしれないので、今回こそは優勝しなきゃいけないなって気持ちです!」

文=HOMINIS編集部

放送情報

モンド麻雀プロリーグ22/23「第23回モンド杯」
放送日時:2023年5月23日(火)23:00~
毎週(火)23:00~ ほか
※9月5日(火)最終戦(優勝者決定予定)
チャンネル:MONDO TV
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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