宮野真守、約4年ぶりの声援可能ライブでファンと共に15周年を歌で祝う

声優、俳優、そして歌手としても活動を続けている宮野真守。そんな宮野が4都市8公演で行ったライブツアー「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2023 ～SINGING!～」の最終公演が、10月22日、東京都・国立代々木競技場 第一体育館にて開催された。今回はその模様をレポートする。

会場内のモニターに、モノクロームの世界で、これから始まるショーへの身支度を整える宮野の姿が映し出される。袖を通したジャケットが鮮やかなピンクに色づくなど、宮野が触れるものがカラフルに色づき始める中、楽屋からステージへ歩みを進めると、今回のライブツアーのロゴ「SINGING!」のネオンが登場。"Hey! Let's sing! "の文字と共に8月にリリースされた最新デジタルシングル「Sing a song together」のメロディが流れると、会場を埋め尽くした客席から大合唱が沸き起こる。

そこへ爽やかなミントブルーの衣装を身にまとった宮野がステージに登場すると、会場内は大きな歓声に包まれる。その喜びを自身で手掛けた楽曲の歌詞に込めるように、全身で表現をしながら客席へと届けた。

続く「SHOUT!」「THE ENTERTAINMENT (HIRO REMIX)」では、ダンサーと共に、ダイナミックかつセクシーなパフォーマンスを披露した宮野は、ジャケットを脱ぎ、艶やかなシャツとサングラスという妖しいスタイルで「FANTASISTA 2023」を熱唱。曲の終盤には、かけていたサングラスをセンターステージから客席に投げるといったサプライズもあった。懐かしの歌謡曲をテーマにした楽曲「行こう！」、バンドサウンドをフィーチャーしたドラマチックなロックナンバー「Greed」と、多彩な楽曲を次々と披露。そして、ダークなジャケットスタイルに着替えて「Invincible Love」をしっとりと歌い上げ、アーティスト・宮野真守の底知れぬ実力を見せつけた。

この日、初のMCでは「約4年ぶりの念願の声援ありのライブツアー、みなさん楽しんでますか！？やっとこの時が来ました。大いに声を出してください！今日は最後まで盛り上げていくんでよろしく！」と挨拶。客席に向かい、「見えてるよ。おめかししてきたの？可愛いね」と甘く囁くと、会場は歓喜の声に包まれる。「僕もおめかししてきたんです」と、自らの衣装にも触れた宮野は「せっかくだから」と、花道をファッションショーのランウェイに見立て、見事なウォーキングを披露すると、会場は大盛り上がり。即興で音楽を奏でたバンドメンバーにも、宮野は「すごいね、神回じゃない？今日」と絶賛した。

続いて、1st Album『BREAK』に収録された「ぼくのキセキ」内に登場するコーラスを観客にレクチャー。宮野らしいコミカルな観客とのやりとりを重ねたのち、温かなコーラスが会場を満たしていった。そして、バラードコーナー最後の曲となる「EVERLASTING」に続き、宮野のライブで恒例となっている幕間映像がスタート。

「ノンフィクショニング」と題した映像では、今年アーティストデビュー15周年を迎える宮野が、記念ソングを制作する舞台の裏側がドキュメンタリー調で描かれていく。楽曲制作の苦悩を旧知の仲の俳優・髙木俊にぶつけるなど、紆余曲折の果てに宮野が生み出したのは、"15周年"の『1』と『5』を"苺"で表した楽曲「ICHIGO～甘くてChuぱいぜ～」。苺の被り物をした宮野がコミカルに歌う映像が流れた後、ステージに真っ赤なジャケットに苺のアップリケを付けた衣装に着替えた宮野が登場。「この曲でみんなと一緒に踊りたいと思います！」とファンにキュートな振り付けをレクチャー。会場全体で踊りながらこの時間を楽しんだ。

続く「愛の詩～Ulyssesの宴～」では、ジャケットを脱ぎ、トリコロールカラーの衣装になった宮野が、椅子を使ったセクシーなパフォーマンスを披露すると、会場から黄色い声援が飛び交う。「Dirty Orange 2023 REMIX」と題したダンスメドレーブロックでは、これまでのライブで観客を熱狂させてきた曲の数々がハイレベルのダンスパフォーマンスと共に披露されていく。「カノン」「Quiet explosion」と宮野の圧倒的な歌唱力を堪能できる楽曲の後は、キュートなラブソング「Kiss×Kiss」でトロッコに乗り、投げキッスや指ハートなどの熱いファンサービスを会場のすみずみに届けた。

最後のMCでは、昨年開催されたライブツアー「ENTERTAINING!」が無発声ライブであったことに触れ、「今日は思いっきり声を出してみんなで歌いませんか！僕らはチームです！チームマモ全員で歌いましょう」と、チームへの思いが込められた楽曲「TEAM」を会場全体で歌い上げた。

アンコールでは、切ないバラード「透明」とゴージャスなサウンドが魅力の「EXCITING!」を披露し、ステージを後に。しかし、ツアーファイナルの名残を惜しむファンの声に応え、ダブルアンコール曲「J☆S」をパフォーマンス。最後は、会場全体を抱きしめるジェスチャーと投げキッスで、溢れんばかりの愛を観客に届け、4都市を熱くさせたライブツアーに幕を下ろした。

取材・文＝中村実香