イェソン(SUPER JUNIOR)のボーカルに包み込まれる贅沢な時間...アジアツアーを沸かせる「芸術的な歌声」

10月の韓国・ソウル公演を皮切りに、初のアジアソロツアー「YESUNG SOLO CONCERT - Unfading Sense」を開催中のYESUNG(イェソン)。日本でも12月に名古屋・大阪を巡り、12月19日(火)には東京公演が行われる他、日本オリジナルシングル「Not Nightmare Christmas」が12月20日(水)に発売予定と、精力的なソロワークに注目が集まっている。

SUPER JUNIORのメインボーカルの1人として高い実力を誇るイェソンは、ソロデビュー7年目にして初のフルアルバム「Sensory Flows」を今年1月にリリース。翌2月にはそのスペシャルバージョン「Floral Sense」を立て続けに発表したことでも話題に。2023年3月7日に韓国で放送された「ライブショー リムジンサービス」にソロで出演した際にも、デビューから全く衰えることない安定の美声が反響を呼んだ。

KBSバラエティ番組のデジタル専門スタジオ「スタジオK」で配信されている「リムジンサービス」は、シンガーソングライターのイ・ムジンがMCを務めるトークライブ番組。多彩なゲストをスタジオに招き、生歌でのパフォーマンスやセッションを披露する他、ムジンとのディープな音楽トークも毎回好評を博している。

番組は、まず「Sensory Flows」に収録された「Together」をイェソンがゆったり歌い上げる落ち着いた雰囲気でスタート。同曲はペットへの愛情や感謝をつづった楽曲で、時折、目を閉じながら、心を込めて歌う姿が印象的だ。歌唱後には自身が飼っている2匹の犬のことをムジンに紹介し、「みんなが共感できるヒーリングソングになるのではないかと思う」と歌に託した思いを告白。ふとした言動からイェソンの誠実な一面が垣間見える。

パーソナルなトークでは、「1日に1回のSNSのアップを欠かさないと聞きましたが本当ですか？」というムジンの質問に対し「僕がSNSをやる理由は、僕を応援してくれるたくさんのファンのため」と回答。するとイェソンは「僕らの写真をアップしよう」とその場で2ショットを撮るという気さくな一面も覗かせていく。

また自身のキャリアを語る場面では、"2001年にSM ENTERTAINMENTに入社した"と告げたイェソンに対し、2000年12月に生まれたムジンは改めて驚いた様子で、「(恐れ多くて)足を組めない」と恐縮しきり。大先輩を前に硬くなるMCを、優しい笑顔と口調で和ませるイェソンの姿が印象的だった。

「練習生の頃にたくさん聞いて、思い出が詰まっている」と入社当時を振り返りながら歌った「さよならと言わないで」(イ・スンチョル)では、ノスタルジーな中に切なさを感じる歌声を披露。さらにwave to earthの「seasons」では、持ち前のハスキーなボーカルを聞かせ、番組のラストにはムジンと一緒に「look at me」(George)をデュエット。2人の柔らかな歌声が溶け合い、極上の時間がスタジオを包み込んだ。

"芸術的な声帯"という意味を持つ"芸声(イェソン)"と名付けられたことで知られるイェソン。番組ではその名に相応しい美声で多彩なバラードを披露し、その歌声を保つためのストックな努力も明かす一方で、一回り以上も年下のムジンに対して、"兄さん"らしい優しい表情も覗かせていた。この貴重なセッションからは、事務所に所属して以来20年以上も歌い続けるイェソンの真骨頂が伝わってくることだろう。

文＝川倉由起子