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2024/01/09

「仮面ライダー」4K化の醍醐味をアニメ特撮研究家・氷川竜介が語る「ライダーマスク、怪人たちの色彩、質感などが鮮明で作品世界に説得感が」

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4K化の高画質映像で『仮面ライダー』の世界観がより鮮やかに
4K化の高画質映像で『仮面ライダー』の世界観がより鮮やかに

「変身ヒーロー」の代名詞となった石ノ森章太郎原作『仮面ライダー』。そのシリーズ第1作(1971年~1973年)を美しく高画質化した4Kリマスター版が、東映チャンネルで放送される。本来の鮮やかな色彩を取り戻した本編の魅力や楽しみ方をアニメ特撮研究家・氷川竜介さんに教えてもらった。

アニメ特撮研究家・氷川竜介が『仮面ライダー』の注目エピソードも語る
アニメ特撮研究家・氷川竜介が『仮面ライダー』の注目エピソードも語る

昭和時代の名作の数々が、技術革新によって4Kなど高画質化されている昨今。特に「仮面ライダー」などの特撮作品は、画像が鮮明になることで、さらなる魅力が増しているという。

「特撮作品は、ヒーロースーツをはじめ、美術セットなど、手作りのものが作品の世界観を支えるために作られています。それらが高画質化されることによって、ディテールがより明確になり、さらに作品世界に説得力が生まれるようになりました」

中でも「仮面ライダー」は、ライダーマスクの塗装にとてもこだわりが感じられるそうだ。

「初期のライダーマスクには、複雑な反射や柔らかな光沢を生み出すパール塗装が施されているんです。そういった工夫も4K化されることで、より鮮やかに浮かび上がってくるようになりましたね。また、仮面ライダーが乗っているバイクの質感や、オフロードでの泥の跳ね上がりなど、細やかな部分が見えてくることによって臨場感が増したと思います」

 ヒーローだけでなく、悪の秘密結社「ショッカー」が送り込んでくる怪人たちも4K化によって、その魅力が鮮やかによみがえる。

「第6話『死神カメレオン』に登場するカメレオン男は、顔の造形が非常に繊細に作られているんです。カメレオンがモチーフということもあり、七色に色付けされているのですが、パール塗装でとっても美しいんですよね。その他にも、ムササビの特性を備えた怪人・ムササビードルのふわふわとした毛並みなどの質感を、鮮明な映像で堪能できるのも4Kの恩恵だと感じています」

仮面ライダー1号の本郷猛(藤岡弘、)と仮面ライダー2号・一文字隼人(佐々木剛)という2人のヒーローの活躍を全98話で描いたシリーズ第1弾。1971年から約2年にわたって放送された同作の魅力は、全4クールという長期間だからこそ可能だった物語の起伏にある。

「怪奇色が強い第1クールにはじまり、ライダー2号が登場する第2クール以降からは、日本各地でロケが敢行されました。第19話『怪人カニバブラー北海道に現る』では、タイトル通り、北海道ロケでカニの怪人が登場するといった、ご当地ネタも取り入れ、明るくコミカルなタッチになったりというテイストの変化も楽しいです」

ライダーたちの衣装も、ストーリーの展開に合わせ、少しずつバージョンアップを果たす。

「2年目からの新1号のヘルメットは最初明るいグリーンなのですが、最終バージョンではメタリックグリーンへと変化します。そして、外国で戦っていた2号が日本に戻り、1号と共に戦うようになると、新2号のグローブとブーツが赤に変わる。段階的に差別化が図られていて、スタッフ陣の工夫が感じられます」

そして、現在放送されている最新作にも引き継がれているエッセンスも。

「複数人のライダーによる共闘や、強敵と戦うための特訓などは、その後のシリーズにも脈々と受け継がれていますね。第91話『ゲルショッカー恐怖学校へ入学せよ!!』から始まる、1号・2号と、偽の仮面ライダー6人とのエピソードは、今見ても胸が躍る名作です」

原作者・石森(石ノ森)章太郎が脚本・監督を務める第84話『危うしライダー! イソギンジャガーの地獄罠』も見逃せない。

「他の回とはちょっと違う、シュールな映像が魅力のエピソードです。冒頭に登場し、イソギンジャガーに殺害される釣り人を石森(石ノ森)先生が演じているので、その部分にもぜひ注目していただきたいです」

取材・文=中村実香

放送情報

仮面ライダー 4Kリマスター版

放送日時:1月26日(金)17:00~

放送チャンネル:東映チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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