梅原裕一郎×西山宏太朗が演じる上司と部下の凸凹コンビに萌える！TVアニメ「新しい上司はど天然」

※本記事はネタバレを含みます

上司からのパワハラで精神と胃をやられて転職した青年・桃瀬と、無表情さと天然なリアクションのギャップが魅力のクールなど天然上司・白崎。彼らが務める広告代理店を舞台に描くお仕事コメディ「新しい上司はど天然」は、2023年10月より絶賛放送中だ。アニメならではの演出で、原作コミックのほのぼの成分をパワーアップさせた同作には、「癒される」「こんな上司が欲しい」というネットの声が数多く寄せられている。

今回は1～5話目までを振り返りながら、作品の魅力に迫ってみる。

気分次第で部下を怒鳴りつけるパワハラ上司から逃れ、転職した広告代理店に初出勤する桃瀬。そんなシーンからスタートする1話目「ちょっと割れてる！！」では、桃瀬の視点を通して、新しい上司・白崎のど天然ぶりが炸裂する。

まったく表情が読めない白崎とクライアントへの挨拶回りへと向かう桃瀬は、「この人もパワハラ上司だったら......」と不安のあまり胃痛に襲われ、思わずしゃがみこんでしまう。「早く立たないと......蹴られる......かも」と桃瀬が焦っている中で、姿を消していた白崎の手には、主に生理痛・頭痛に効く鎮痛剤。戸惑う桃瀬の表情を見た白崎は「すまん、いきなりしゃがみ込むからちょっとパニクっちゃって......元カノが腹痛い時に買いに行ってたそれ買ってきちゃった...」と説明する。そんな2人の会話から、ど天然上司と、優しくツッコみ見守る部下という名コンビ結成の予感を誰もが抱いたはずだ。

また、桃瀬がパワハラの予感に怯えている場面では、彼を中心にカメラがぐるぐる回り続けるというダイナミックな演出で、焦りや不安を表現している。昨今では3DCGで描きやすくなった回り込みだが、作画の上に少しずつアップになっていくという本作での演出を描けるのは、今も圧倒的な技術を持つアニメーターのみ。ぜひとも、このシーンには注目してほしい。

子どもの頃からど天然だったり、字だけでなくイラストも上手だったりと、さまざまな魅力が明かされていく白崎の下で、のびのびと実力を発揮していく桃瀬。2話目「おんぶするか？」では、突然停電した電車の中で、桃瀬が今の職場を選んだ理由が明かされる。以前の上司のパワハラに追い詰められていた時、ふと目に入ってきたプラネタリウムの広告がきっかけで「人の心に残る広告が作りたくて東京に出てきた」という初心を思い出せたことを語る桃瀬。すると「あのプラネタリウムの広告を創ったの俺だったから」と白崎が言い出すという、2人が出会うべくして出会ったとでも言えるようなエピソード。2人の会話を耳にしていた電車内の乗客も胸を熱くし、中には感動の涙を流す青年もいるという描写が秀逸だ。

そして、3話目「肉球肉球肉球...」では、ついに人気キャラクターの子猫・白桃が登場。元の飼い主に捨てられていたところを白崎と桃瀬に見つけてもらい、2人の名前を取って白桃と名付けられた子猫を通して、白崎が料理や洗濯、裁縫もバッチリな上に、動物にも優しいパーフェクト上司だということが、白桃の視点を通して描かれていく。

続く4話目「うち、住む？」では、桃瀬の実質的な同期・金城が登場。パワハラ上司に電話で詰められていたところを、白崎と桃瀬のほのぼのとした会話に癒され、彼らの会社へと転職。「かまってちゃん」と名高い課長・青山とのコンビで、物語に新たな風を吹き込んでくれる。5話目「目からはちみつ！」では、白崎と桃瀬、青山と金城の各コンビの出張回。紅葉がキレイな温泉旅館や、青山が心の支えにしているゆるキャラ・くまってちゃんと絡める「くまってランド」といった場所で深まっていく、各コンビの関係性に注目だ。

6話目以降も、ほのぼのエピソードを交えながら、各キャラクターの魅力をしっかり描いていく本作。白崎のど天然ぶりや白桃の可愛らしさに、たっぷり癒されてほしい。

文＝中村実香