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2024/04/03

棋王戦を防衛し、2024年度を八冠で迎えた藤井聡太の3月の対局を振り返る

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八冠を達成した2023年度だったが、銀河戦、朝日杯、NHK杯と3棋戦連続の準優勝が響き、惜しくも歴代最高勝率の記録は更新ならず歴代2位となった。ただしすべてのタイトル戦、決勝戦を戦ってこの数字なので、来年度以降も更新を期待できるだろう。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。

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3月3日に第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局で伊藤匠七段と対戦。角換わり腰掛け銀から比較的珍しい攻め方で動いていく。研究でペースをつかむが、伊藤も粘り強い指し手で簡単には決まらない。しかし、徐々に攻めが筋に入っていくと、最後は鋭い寄せで押し切った。これで2連勝とする。
 
3月17日に棋王戦第4局で伊藤七段と対戦。角換わりの出だしから、後手の藤井は珍しく角道を開けず角交換に応じない趣向を見せる。じりじりとした中盤でリードを奪うと、終盤は逆転を許さず確実に押し切った。第1局の持将棋の後に3連勝で棋王初防衛。タイトル獲得を通算21期に伸ばし、2024年度を八冠の状態で迎えることとなった。

第82期名人戦七番勝負の挑戦者は豊島将之九段(22勝11敗)に決定。第1局は4月10、11日(水・木)に行われる。
 
第9期叡王戦五番勝負の挑戦者は伊藤匠七段(10勝1持将棋)に決定。第1局は4月7日(日)に行われる。

名人戦、叡王戦防衛に臨む藤井聡太
名人戦、叡王戦防衛に臨む藤井聡太

3月10日に第73回NHK杯将棋トーナメント準決勝の羽生善治九段戦が放映。藤井は雁木、羽生は右四間から攻め合いになる。終盤、一瞬のチャンスをとらえて一気に抜け出すと、そのまま押し切った。
 
3月17日にNHK杯決勝の佐々木勇気八段戦が放映。2年連続で同じ顔合わせとなった。角換わりから先手の佐々木の研究で時間の差がつくが、藤井も食らいついて激戦になる。しかし勝ちに近付いた終盤で珍しくミスが出て、佐々木からの攻防手を浴びて逆転。準優勝となった。

第32期銀河戦本戦で藤井はHブロック最終戦に登場する。手前には近藤誠也七段、三浦弘行九段らが控えている。放映は秋の予定で、勝てば決勝トーナメント進出。

ABEMA地域対抗戦で藤井は杉本昌隆八段率いるチーム中部に選抜。チームメイトは他に豊島将之九段、八代弥七段、服部慎一郎六段。

3月9日に放映された予選Bリーグ1位決定戦でチーム九州 (深浦康市九段、佐藤天彦九段、佐々木大地七段、都成竜馬七段、古賀悠聖五段)と対戦。藤井は2番手に登場し、最初は敗れるものの、2度目の出番は4連勝。チームを5勝4敗の勝利に導いた。これで本戦進出。

文=渡部壮大

放送情報

(将棋)第27期 銀河戦 予選 藤井聡太七段 vs 藤原直哉七段
放送日時:4月10日(水)14:25~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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