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2024/04/13

上川隆也の厳しい表情から感じる執念!小泉孝太郎演じる実直な刑事にも心打たれる、「連続ドラマW 真犯人」

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2014年と2015年に放送し、大ヒットした池井戸潤原作の人気ドラマ「花咲舞が黙ってない」。今年4月からは今田美桜を主人公に迎え、新シリーズがスタートした。前作では主人公・舞の頼れるバディを演じてきた上川隆也が、今度は舞の良き理解者でもある叔父として再登板。新たなキャストと配役で織り成すドラマに注目が集まっている。

「連続ドラマW 真犯人」(2018年)
「連続ドラマW 真犯人」(2018年)

⒞翔田寛/小学館 ⒞2018 WOWOW INC.

テレビに舞台と広く活躍してきた上川。代表作と言えば、2011年からのドラマ「遺留捜査」が挙げられるだろう。2022年に第7シーズンを放送し、昨年はファン待望の新作スペシャルで帰ってきたシリーズは、根強い人気を誇る。上川は鋭い鑑識眼を持つが、超マイペースで空気を読まない不思議な刑事・糸村を好演してきた。同シリーズをはじめ刑事役も多いが、「遺留捜査」とは雰囲気の異なる役柄に扮した作品が「連続ドラマW 真犯人」(2018年)だ。5月2日(木)にWOWOWプラスで一挙放送される本作は、江戸川乱歩賞受賞作家・翔田寛の同名小説をドラマ化したミステリー。上川を主演に、昭和と平成に起きた事件が交差し、時代を超えて事件の捜査に奮闘する刑事たちの熱き魂が描かれる。

平成20年、静岡県の国道高架下で殺人事件が発生。静岡県警富士裾野署の刑事・日下は、殺された須藤が昭和49年当時に幼い息子を誘拐殺人事件で亡くしていたことを知る。この事件は時効成立の1年前となる昭和63年に特別捜査班が編成され、ノンキャリアながら警視にまで昇進した重藤を中心に再捜査が行なわれていた。それから20年後に東京に住んでいた須藤が静岡で殺されたことを不可解に感じる日下は、警察から離れて久しい重藤を訪ねて事件解決の手掛かりを探る。

⒞翔田寛/小学館 ⒞2018 WOWOW INC.

上川は、主人公・重藤成一郎を演じた。誘拐事件が起きた昭和49年では所轄勤務の若き刑事として捜査に加わり、時効1年前の昭和63年では特別捜査班の管理官として再捜査を指揮する。叩き上げで警視まで昇進した重藤だが、失敗すれば責任を取らされる。キャリア組に背負わせるわけにはいかない損な人事であることは、承知の上だ。誘拐された子供を殺された上に犯人を逃してしまった後悔と十字架を背負い、現場に臨む。その重さと強い覚悟が、刻まれた皺や厳しい表情、揺るがない言葉から伝わる。そして、時を経た平成20年では、警察を引退した元刑事として登場する。日下たちが調べている殺人事件を新聞記事で見つけ、鋭い視線を送る。事件から34年経ってなお、その心の奥底には怒りと苦しみが消えない執念として残っている。上川は、それぞれの時代を生きた重藤という男を年代ごとにリアルに演じ分けた。過去を積み重ねてきた変化と、歳を重ねても変わらない生真面目さと警察としての矜持が感じられた。

⒞翔田寛/小学館 ⒞2018 WOWOW INC.

また、物語の始まりである平成20年の殺人事件の真相解明に奮闘する刑事・日下悟は、小泉孝太郎が演じた。小泉も上川同様、2003年の大ヒット映画「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」をはじめ、刑事役を多数演じてきた。今作で演じるのは、代表作の一つである「警視庁ゼロ係」シリーズでのコミカルなキャラクターとは全く真逆の役柄。日下は現代を生きる男ながら、どこか昭和感が漂う。持ち前の実直さで粘り強く捜査を続ける刑事もまた、小泉のハマり役だ。強い熱量を胸に事件と向き合う言葉には、心からの思いが乗る。嘘のない直向きな姿が、過去を封じた重藤の心も、辛い日々を過ごしてきた遺族の心をも動かし、真犯人へと近づいていく。

昭和と平成、それぞれの時代で真相解明のため奮闘した刑事たちと事件に翻弄される遺族の姿が描き出された本作。静岡県警本部長役の高嶋政伸や誘拐事件の被害者の姉を演じた内田有紀の他、でんでん、甲本雅裕、田中要次ら再捜査にあたる刑事にも実力派が揃った。彼らが織り成す重厚で骨太なストーリーと、上川と小泉の時を超えたバディ感も見どころの一つだ。

文=中川菜都美

放送情報

連続ドラマW 真犯人
放送日時:5月2日(木)14:15~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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