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2024/04/20

全米プロゴルフ選手権が開幕! 佐藤信人プロが松山英樹に「現在のプレースタイルに変える契機となった特別な大会なので大いに楽しみです」と期待

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四大メジャーの1つである「全米プロゴルフ選手権」の2023年大会で優勝を果たしたのはブルックス・ケプカ (C) Getty Images
四大メジャーの1つである「全米プロゴルフ選手権」の2023年大会で優勝を果たしたのはブルックス・ケプカ (C) Getty Images

4大メジャーのひとつ、「全米プロゴルフ選手権」が5月16日(木)~19日(日)にケンタッキー州ルイヴィルのヴァルハラGCで開催される。ゴルフネットワークでは4日間の全ラウンドを生中継する。

昨年の全米プロゴルフ選手権では、ブルックス・ケプカが3度目の優勝、メジャー通算5勝目を飾った。今大会では、2月のザジェネシス招待で劇的な逆転優勝するなど、今季好調な松山英樹の初制覇も注目されている。「全米プロゴルフ選手権」は、4大メジャーの中でもどのような特徴がある大会なのか、見どころを含めてツアー解説でもおなじみの佐藤信人プロに語ってもらった。

「全米プロゴルフ選手権は、他のメジャー大会と比較して選手にとって最もフェアな大会だと評されます。全米オープン選手権ではセッティングにこだわり過ぎて時に物議を醸すこともありますが、全米プロゴルフ選手権はそれがない。選手の実力が素直に出やすい大会です。もちろん、難しくないという意味ではなく、四大メジャーの中でも、最も熱い激闘が繰り広げられる大会だと思ってもいいでしょう」

実際に過去の全米プロゴルフ選手権では、2002年にタイガー・ウッズとの激闘を制してシンデレラボーイといわれたリッチ・ビームや2009年にアジア人初のメジャー覇者となったY・E・ヤンら「伏兵」が劇的な優勝を飾ったドラマチックな名勝負が数多い。

「1991年の大会は、代役で急きょ出場したジョン・デーリーが初優勝。ツアー初優勝をメジャー大会で成し遂げる快挙でした。マスターズなどと比べて、サプライズが起こりやすい大会でもあります。フェアなセッティングであることも関係するかもしれませんし、理由は難しいのですがその分、見る方にとっても非常に面白い大会です。2000年は当時無名のボブ・メイがタイガー・ウッズをあと一歩まで追い詰めましたが、今大会も2000年と同じコースで開催されるので注目したいですね」

今回開催のコースは、2000年大会で使用されたヴァルハラGCでもある。

「帝王ことジャック・ニクラウスが設計して1986年にオープンした比較的新しいコースで、総ヤード数が7500台と距離が長いことが特徴です。事前情報では、今回芝を張り替えたことで、フェアウエーもグリーンも高速化すると見られています。ただ、必ずしも飛ばし屋に有利ということはなく、選手にフェアな大会と称される通り、スタイルに偏りのある選手が有利にはならないのがこの大会。パワーも正確性を併せ持つトータルバランス型の選手が勝つのが全米プロゴルフ選手権なのです」

そんな中で、佐藤さんに今大会の注目プレーヤーを挙げてもらった。

「今季絶好調のスコッティ・シェフラーを筆頭に、ヴァルハラGCで開催された2014年の全米プロゴルフ選手権で優勝したローリー・マキロイ、東京オリンピックで金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレ、既に四大メジャーのうち3大会を制し、キャリアグランドスラムを狙うジョーダン・スピースあたりです。驚異的なショットの安定感を誇る世界ランク1位のシェフラーは外せないところですし、ドライバーの飛距離ではトップクラスで、さらに今季60%超のフェアウエーキープ率を誇るというマキロイも非常に強い。スピースは天才的な小技を誇り、今年のヴァルハラが高速化すれば彼にもチャンスがある。シャウフェレはメジャー制覇に最も近い男といわれ、今大会への意気込みは強いでしょう。総合力の高さは全米プロゴルフ選手権向きです。もちろん松山英樹も今季は好調で、マスターズでも印象的なプレーを見せ、今大会でも活躍が期待できるでしょう。2017年の全米プロゴルフ選手権で単独首位に立ちながら優勝を逃し、現在のプレースタイルに変える契機となったこともあり、彼にとって特別な大会のはず。大いに楽しみです」

もうひとり、一般的な知名度は高くないものの佐藤さんが注目してほしい選手がいるという。

「26歳のキャメロン・ヤングです。全米プロゴルフ選手権には、主催者の全米プロゴルフ協会(PGA)所属のクラブプロ(※ゴルフ場所属のティーチングプロ)20人が出場しますが、クラブプロにスポットが当たる大会という面もあり、彼らにとっては晴れ舞台なのです。ヤングは父親がクラブプロでしたが、メジャー大会でトップ3 に2 回入賞し、PGAツアーでも何度も2位になっていますが、優勝はまだなんです。そんなヤングがツアー初優勝を全米プロゴルフ選手権で達成するとしたら、感動的なストーリーになりそう。昨年はクラブプロのマイケル・ブロックが15位タイという好成績で話題になりました。ブロックはヴァルハラGCのコースレコードタイ記録である63を出しているので、今回も好成績を残すかもしれません。そんなマニアックな視点でも楽しめる大会でもあり、本当に見逃せないですね」

(プロフィール)
さとう・のぶひと●1970年3月12日生まれ、千葉県出身。高校卒業後、米国に渡りネバダ州立大学へ。1993年に帰国し、プロテストに合格。2000年、2002年に賞金王を争い、2000年には平均ストローク1位を獲得。2004年、欧州ツアーに挑戦。2013年より解説者としても活動中。

取材・文=渡辺敏樹 ※取材は4月上旬に実施



放送情報

全米プロゴルフ選手権 1日目

放送日時:5月17日(金)2:00~

放送チャンネル:ゴルフネットワーク

※最終日5月20日(月)まで連日2:00より全ラウンド生中継

※放送スケジュールは変更になる場合があります



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