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2024/10/01

「RRR」の世界的ヒットも納得!多彩なジャンルが一度で楽しめるインド映画の魅力を近年の注目作でチェック

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「RRR」をはじめ近年のインド映画ヒット作をムービープラスで放送  (C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.
「RRR」をはじめ近年のインド映画ヒット作をムービープラスで放送  (C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

製作本数は毎年2,000本近くに及び、世界最大の映画大国となって久しいインド。近年は世界的な注目度も高く、「RRR」(2022年)がインド映画として初めてアカデミー歌曲賞を受賞したことは記憶に新しい。

インド映画と一概に言っても、地域で言語の異なる多言語国家には、ムンバイを中心としたヒンディー語圏の「ボリウッド」、「RRR」のS.S.ラージャマウリ監督を輩出したテルグ語圏の「トリウッド」...と映画産業が乱立。出版業が盛んなケーララ州、マラヤーラム語圏の「モリウッド」は文芸作品が多いなど特徴もさまざまだ。

多岐にわたる作品の中でも、人々がイメージするインド映画といえば、アクション、コメディ、ロマンスといったジャンルをミックスした「マサラムービー」だろう。唐突に差し込まれるミュージカルや強引な展開は、かつては観る人を選んだが、近年は歌やダンスがストーリーとリンクし、流れを壊さないように進化。ケレン味に見やすさが加わったことこそ、近年の人気の一因と言える。

ムービープラスでは最近のブームを象徴する「RRR」を10月19日(土)にCS初放送するほか、奥深い魅力を味わえる注目作を特集。どれもユニークな作品の見どころを紹介していく。

■男たちの胸アツなドラマ&アクションが炸裂する「RRR」

日本興収24億円を突破し、インド映画歴代記録を塗り替えるブームを巻き起こした「RRR」。英国植民地時代の1920年代を舞台とした本作は、英国軍に立ち向かう青年ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア)と大義のため英国政府で働く警察官ラーマ(ラーム・チャラン)、互いの素性を知らずに親友となった男たちが、それぞれの立場から戦いに身を投じる様子を描く。

「実在した独立運動の闘士2人がもし出会っていたら」というフィクションの要素を盛り込みながら、激動の独立闘争を描く本作。主人公たちを正反対な状況に置かれた対比構造にすることで、この重い歴史を友情や対立、葛藤が渦巻くドラマチックなエンタメに昇華したラージャマウリ監督の手腕は見事だ。

熱い人間ドラマに加え、インド映画史上最高額の約97億円もの製作費投じたアクションも圧巻。ビームとラーマが協力して川の中に取り残された少年を助ける救出劇、トラックに積み込んだ動物と共に総督府へと乗り込むアニマル襲撃大作戦など、ケレン味あふれるシーンばかり。ハリウッドでも見られないようなアクションには興奮すること間違いなし。



放送情報

RRR
放送日時:10月19日(土)20:56~
チャンネル: ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります



■壮大かつ爽快な物語が展開する神話的英雄譚「バーフバリ」

「バーフバリ 伝説誕生」
「バーフバリ 伝説誕生」

(C)ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

この名作を生み出した創造神・ラージャマウリ監督の前作が「バーフバリ 伝説誕生」(2015年)、「〜王の凱旋」(2017年)の二部作。古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」をベースに、父、息子の二代にわたる愛と復讐を壮大な映像で描く。

物語は、赤ん坊の頃に滝の下で拾われた青年シヴドゥ(プラバース)が、マヒシュマティ王国を支配する暴君バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)との戦いに身を投じ、その中で自らが王国の真の後継者バーフバリであることを知るというもの。

父の世代までさかのぼりながら主人公を取り巻く因縁を描いており、絢爛豪華な王国のビジュアルをはじめ、奇抜な兵器が躍動する数万人規模の合戦など、スペクタクル表現は常識外れ。鍛え上げられた肉体に加え、頭も良く、民に慕われる人格者というバーフバリのキャラクター像も魅力的で、この完璧な英雄が躊躇なく悪に鉄槌を下す姿は、複雑なヒーロー像が描かれがちな昨今においてはとにかく爽快だ。



放送情報

バーフバリ 伝説誕生
放送日時: 10月19日(土)15:15~
バーフバリ 王の凱旋
放送日時: 10月19日(土)18:15~
チャンネル: ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります



■面白ければ何でもあり!インド映画のパワーが詰まった「マガディーラ 勇者転生」

「マガディーラ 勇者転生」
「マガディーラ 勇者転生」

(C) GEETHA ARTS, ALL RIGHTS RESERVED.

2009年の「マガディーラ 勇者転生」は、ラージャマウリ監督にとって初めて国内興収が10億ルピーを超えた出世作。陰謀により非業の死を遂げた勇者と国王の娘が、400年の時を経て現代に転生し、2人の仲を引き裂いた因縁の相手に復讐し今度こそ結ばれようとする、輪廻がテーマのラブストーリーだ。

過去と現在を行き交う本作は、壮大な時代劇に加え、現代での軽妙なギャグやすれ違いを繰り返すもどかしい恋模様、バイクアクションと多彩な要素を全部乗せにしたザ・マサラムービー。荒削りな点も多いが10分近い冒頭のダンスなど、後に急激に盛り上がることになるトリウッドの勢いを感じられるだろう。



放送情報

マガディーラ 勇者転生
放送日時: 10月20日(日)9:30~
チャンネル: ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります



■現代社会への批判も込められた社会派ドラマ「ハーティー 森の神」

「ハーティー 森の神」
「ハーティー 森の神」

これらのいわゆるインド映画とは一線を画した異色作が、人里離れた深い森で野生のゾウを見守りながら暮らす森の神と呼ばれる男が、政府絡みのリゾート開発へと立ち向かっていく2021年の「ハーティー 森の神」。

ご多分に漏れず歌やダンスが盛り込まれているものの、森林開発に対する批判的なまなざしや森を守ろうとする武装集団の存在など現代インドの状況を反映した社会派。動物の王としてインドで尊ばれる象の扱いなどローカルな因習を知ることができる点も貴重だ。

「バーフバリ」のヒットを経て、「K.G.F」や「SALAAR サラール」といった前後編ものがブームとなっており、さらなるスケールの映画が次々と生み出されているインド。日本に入ってくる作品も多くなっているだけに、その魅力を堪能してみてほしい。



放送情報

ハーティー 森の神
放送日時: 10月20日(日)6:00~
チャンネル: ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります



文=武藤龍太郎

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