伊藤健太郎のシリアスとコミカルが対照的な演技と、筧美和子のピュアな涙が印象的!「静かなるドン 第3章」

栗山千明主演で"複数恋愛"を描くドラマ「彼女がそれも愛と呼ぶなら」で、主人公・水野伊麻(栗山)の3人目の恋人になる大学院生・小森氷雨を好演している伊藤健太郎。また、4月25日より公開中で、大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)と菊池風磨(timelesz)がダブル主演を務める映画「#真相をお話しします」にも出演し、過去に秘密を抱える警備員・桐山(菊池)の友人を演じている。
そんな伊藤が主演を務め、筧美和子がヒロインを演じたのが映画「静かなるドン」だ。

(C)新田たつお・実業之日本社 刊/2023「静かなるドン」製作委員会
原作は、"ヤクザ漫画の金字塔"とも評される新田たつおによる同名人気コミック。過去には香川照之、中山秀征、袴田吉彦らの主演によって実写化されてきた。そして伊藤の主演によって再び映像化された本作は、いわば"令和版「静かなるドン」"。2023年に「静かなるドン 前編」(第1章・第2章)、「静かなるドン 後編」(第3章・第4章)が立て続けに公開されると話題になり、2024年には「静かなるドン2 前編」、「静かなるドン2 後編」も公開された。
伊藤演じる主人公・近藤静也は、関東最大規模の暴力団・新鮮組の若き総長。普段はデザイン会社に勤務しており、本心では"ヤクザから足を洗って平和に生きたい"と願っている。そして、静也が会社で密かに想いを寄せている同僚・秋野明美を筧が演じている。
6月に東映チャンネルで初放送される「静かなるドン 第3章」は、静也と明美の関係性、そして明美のピュアな涙が印象的。そんな第3章を中心に、伊藤と筧の演技を振り返ってみたい。
■主人公・静也の願いは平和に暮らすことだが...

(C)新田たつお・実業之日本社 刊/2023「静かなるドン」製作委員会
新鮮組との抗争で関西鬼州組の組長・坂本(寺島進)が死亡し、周囲が止めるのも聞かずに坂本の葬儀に参列する静也。関西鬼州組の面々から怒声が響く中、静也は、坂本の妻であり組長代理の龍子(内田慈)に親子盃を交わすことを提案する。新鮮組は"子"の立場でいいと言う静也に周囲はどよめき、龍子にかわいがられている若頭の沢木(朝井大智)も驚く。静也の考えていることがわからない舎弟は青くなり、「親子盃は会社の吸収合併みたいなものですよ」と説明するが、静也の目論見は平和にヤクザを辞めることなのだ。

(C)新田たつお・実業之日本社 刊/2023「静かなるドン」製作委員会
伊藤が演じる主人公・静也はダブルフェイスの男。新鮮組の総長としての彼はスーツにサングラスをかけ、ポーカーフェイスだが、勤務先のデザイン会社では眼鏡をかけた地味な男性社員。その正体を同僚の明美に悟られないよう、ふんわりした雰囲気をまとい、優しく振る舞っている。
■伊藤のコミカルな演技と筧のピュアな涙も見どころのひとつ

(C)新田たつお・実業之日本社 刊/2023「静かなるドン」製作委員会
本作には、まるで青春映画のようなきらきらとした場面も登場する。静也と話をするために上京してきた龍子が明美に興味を持ち、3人がばったり遭遇してしまうシーンでは、たちまち挙動不審になるカタギ姿の静也を演じる伊藤の一挙一動が笑いを誘う。口止めはしたものの、龍子が明美に余計なことを言わないように疑いの目で睨み、龍子に東京案内を提案する明美に首をぶんぶんと横に振ったり、声色を変えてみたりと、シリアスな総長とは一転、コメディアンぶりを発揮する。

(C)新田たつお・実業之日本社 刊/2023「静かなるドン」製作委員会
一方、人を疑わないヒロイン・明美を演じる筧は、龍子に恋の悩みを告白し、思わず流れる涙を拭う演技がナチュラルで秀逸だ。
新旧極道の思惑が渦巻く中、目標に掲げた"平和"が打ち砕かれる危機に直面し、総長としての葛藤も浮き彫りになる第3章。描かれているのは主人公・静也の人生と恋愛のジレンマでもある。第4章の行方が気になるストーリーを、伊藤と筧の演技や関係性と共に楽しんでほしい。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
静かなるドン 第1章
放送日時:2025年5月24日(土)20:00~、2025年6月19日(木)0:00~
静かなるドン 第2章
放送日時:2025年5月24日(土)21:30~、2025年6月20日(金)0:00~
静かなるドン 第3章
放送日時:2025年6月1日(日)23:30~、2025年6月21日(土)0:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
こちら