上川隆也と内田理央がバディを組み、物件で起こる怪事件を解明!宮世琉弥も共演のドラマ「問題物件」

代表作「遺留捜査」シリーズなどでおなじみの俳優・上川隆也が主演を務め、内田理央がバディ役を演じたのがドラマ「問題物件」だ。
原作は「警視庁いきもの係」シリーズなどでも知られる作家・大倉崇裕の小説「問題物件」、「天使の棲む部屋 問題物件」。連続不審死やポルターガイスト、ゴミ屋敷、金縛りと、一軒家やマンションの一室などさまざまな不動産物件で起こる怪事件を、神出鬼没の破天荒なヒーローと幽霊嫌いのヒロインがタッグを組んで解決していく物語だ。

上川が演じたのは黄色のロングジャケットがトレードマークで、人並外れた記憶力と天才的な推理力の持ち主・犬頭光太郎。「この世に科学で解明できないものなど存在しない」が信条だ。これまでにさまざまな役を演じてきた上川だが、不思議な役柄もあれど、いつもどこかに重みや渋みを感じさせる演技が印象的だった。それゆえ、破天荒な犬頭は、上川の新境地ともいえるだろう。

そして、不動産会社の社員・若宮恵美子を内田が演じている。営業部に勤務していた若宮は、物件マニアで物件に関する知識も豊富なものの、強すぎる物件愛とばか正直さ、話の回りくどさなどが原因で成績は常に最下位。そのため、新設の部署「販売特別室」に異動させられることに。しかし、そこは心霊現象に対するクレームなどを扱う部署のため、幽霊が苦手な若宮は悪戦苦闘することになる...。そんな若宮が働く販売特別室の室長で、愛犬の犬太と暮らす心霊オタクの大島雅弘を宮世琉弥が演じている。
事件には動じないのに犬のこととなると愛が溢れ出してしまう犬頭と、ビクビクしてばかりいる若宮はまさに凸凹コンビで、上川と内田の息の合ったやりとりも視聴者を楽しませた。"問題物件"のみならず、人間離れした主人公・犬頭の正体を解き明かしていくところも醍醐味だ。
■上川の振り切った演技は、後半につれてますます加速!

心霊現象に悩まされる住民や、入居者が次々に失踪するマンションなど、室長代理の片山芳光(本多力)を通して寄せられるクレームの数々。それに対応するのが、車椅子生活で引きこもりの若き室長・大島と若宮の仕事だ。超常現象にまつわるサイトを見るのが趣味の大島は"呪い"や"金縛り"というワードを聞くと急にテンションが上がるが、実際に現場に行くのは、その類の話が大の苦手な若宮のみ。

そこに忽然と現れ、恐怖におののく若宮にダメ出しをしまくりながら、頭脳と嗅覚、そして聴覚までフル回転させて事件を解決する犬頭。基本的に人に対しては上から目線で、知的な面とせっかちでやんちゃな面を併せ持つ犬頭を、上川が好演している。捜査を阻止しようとする男たちとのアクションシーンでは、低音ボイスも相まって殺気すら感じさせるセリフ回しと戦いぶりで圧倒。

その一方で、バディ的存在になった若宮の前では好物のビーフジャーキーをくわえながら話したり、踊っておどけたりもする。上川の演技の引き出しの多さに驚かずにはいられない。
■表情がくるくる変わる内田のコメディエンヌとしての資質が全開

ドラマ「おっさんずラブ」や「来世ではちゃんとします」で、チャーミングでコミカルな演技が評価された内田が、本作でもその資質を存分に表現しているのも見逃せない。
若宮の楽しみはビールを飲みながら家の間取りを見ることと、"マンションポエム"を考えること。しかし幽霊は苦手で、心霊現象が起こるという物件に行く時には恐怖で顔が歪み、たちまち挙動不審に。犬頭と室長・大島が飼っている犬太の服の色が同じであることから、犬頭のことを「犬の化身なのでは?」と疑っている。そんな天然爆発のドジっ子ヒロインを演じる内田は、まさにコメディエンヌの本領を発揮しているといえるだろう。

ミステリアスな役に挑戦し、憂いのある表情と無邪気な笑顔のギャップで魅了する宮世からも目が離せない本作。上川と内田が演じる凸凹コンビの掛け合いを楽しみながら、上川の突き抜けまくった演技に注目しながら見てほしい。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
問題物件
放送日時:2025年6月6日(金)12:10~【#1~#4】、2025年6月9日(月)12:20~【#5~#8】、2025年6月10日(火)12:20~【#9~#11】
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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