宮世琉弥が瑞々しくも奥行きのある演技で好演!8LOOMの最年少メンバーを演じた「君の花になる」

2022年10月から12月にかけて放送され、本田翼が主演を務めたドラマ「君の花になる」。
仲町あす花(本田)は夢を叶えて高校教師になったが、ある出来事をきっかけに挫折してしまい、教師を辞めて引きこもりになってしまった。姉・優里(木南晴夏)の家に転がりこんでいたが、優里が結婚することになり、それを機に独立を決意。そんなあす花がひょんなことから7人組のボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」が暮らす寮の寮母になり、彼らとの共同生活がスタートする。

8LOOMは期待されてデビューしたものの人気が出ず、ヒット曲もなく、燻っている状態が続いている。メンバーは高橋文哉が演じる"弾"こと佐神弾、綱啓永が演じる"ゆきや"こと古町有起哉、八村倫太郎が演じる"エイジ"こと一之瀬栄治、森愁斗が演じる"リュウセイ"こと桧山竜星、NOAが演じる"たくみ"こと久留島巧、山下幸輝が演じる"タカラ"こと小野寺宝、そして宮世琉弥が演じる"なる"こと成瀬大二郎の7人。あす花は、事務所の社長から半年後に契約解除することを伝えられた崖っぷちの彼らと一緒に、トップアーティストになる夢に向かっていく...。
■最年少メンバーながら大人な一面を持つなるを宮世琉弥が好演

個性豊かな若手俳優たちが8LOOMのメンバーを演じていたが、その中でも今回はなる役の宮世に注目したい。
宮世は小学5年生の時にスカウトされ、EBiDANの研究生としてEBiDAN SENDAIで活動し、2018年にM!LKに加入。2019年には俳優としての活動もスタートさせ、2020年1月に俳優業に専念するためM!LKを卒業した。「君の花になる」が放送された2022年は、ドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」、「村井の恋」、「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」、そして本作「君の花になる」に出演し、"俳優・宮世琉弥"として大躍進した年となった。
8LOOMの中心となっているのは高橋演じる弾。グループのリーダーであり、センターでもある弾は、あす花が教師をしていた当時の生徒の1人だった。高校生の時から楽曲を作っていて、いつでも録音できるようにICレコーダーを持ち歩いていたが、8LOOMになった今も同じレコーダーを持ち、そこに曲や歌詞を録りためている。音楽への想いは熱く、それ故にメンバーにも厳しいことを言ってしまい、たびたび衝突を起こしている。
宮世が演じたなるは、ある意味、弾とは対照的なキャラクターと言える。グループ最年少のメンバーだが、精神年齢が高く、他のメンバーのことをよく見ている。弾のこともしっかりと見ていて、衝突を起こしたりするとその仲を取り持つなど、しっかり者の一面を見せている。そういうキャラだからこそ、孤立しがちな弾もなるには相談相手として気を許しているのが感じられる。寮母としてやってきたあす花に対しても最初から笑顔で接し、最年少メンバーながら大人っぽい部分を見せていた。いつも笑顔で愛嬌のあるなるは、グループのムードメーカー。そして、歌もダンスも高いスキルを持つオールラウンダーでもあり、8LOOMに欠かすことのできない存在だ。

8LOOMは劇中のグループにとどまらず、ドラマから飛び出して現実の世界でも期間限定で活動を行った。劇中歌「Come Again」、「君の花になる」、「Melody」、「HIKARI」、「Forever or Never」を配信リリースし、ライブハウスツアー「君の花になる "Let's 8LOOM" TOUR 〜FIRST and LAST〜」は全公演即完となるほどの人気を博した。
この作品を経験したことは宮世のその後の活動にも大きな影響を与え、2024年2月にシンガーソングライター・Ryubi Miyaseとして配信シングル「Ms.Playlist」でメジャーデビュー。2025年3月には2ndアルバム「Soleil」もリリースしている。俳優としても2024年3月公開の映画「恋わずらいのエリー」で初主演(※原菜乃華とのW主演)を務め、同年10月から放送された「スノードロップの初恋」で連続ドラマ初主演、そして2025年3月公開の映画「顔だけじゃ好きになりません」で映画初単独主演を果たすなど、その地位をしっかりと築いていっている。
「君の花になる」は宮世にとって重要な作品。この作品での宮世の、フレッシュさがありながらも、今に繋がる奥深さも感じさせる演技を楽しんでもらいたい。
文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
君の花になる
放送日時:2025年6月15日(日)11:30~全話一挙放送
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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