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福原遥と松雪泰子のタッグで描き出された愛憎渦巻く物語「マル秘の密子さん」

2025/05/28

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「マル秘の密子さん」(ファミリー劇場)
「マル秘の密子さん」(ファミリー劇場)

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で大河ドラマ初出演を果たし、花魁・誰袖役を好演している福原遥。そんな福原が主演を務め、松雪泰子と共演したのが2024年放送のドラマ「マル秘の密子さん」だ。

福原遥と松雪泰子が共演した「マル秘の密子さん」
福原遥と松雪泰子が共演した「マル秘の密子さん」

本作で福原が演じているのは、どんな手を使ってでも依頼者を必ず成功させるトータルコーディネーター・本宮密子。天使と悪魔の笑顔を使い分ける二面性のある、ミステリアスな役柄に挑戦した。密子が纏うヴィンテージ感のあるカラフルなファッションや、レトロなインテリアなどの演出も話題になった。

そんな福原とタッグを組む松雪は、密子にコーディネートされることになった不運続きの介護士・今井夏を演じている。夏は2人の子供・智(清水尋也)と彩(吉柳咲良)と暮らす貧乏生活から一転、社長を目指し、セレブなスーツを着こなす女性に変身を遂げる役どころだ。
密子のサポートのもと、夏が立ち向かうのは、同族経営の大企業「九条開発」の一癖も二癖もある面々。その"華麗なる一族"である九条ファミリーを小柳ルミ子、渡辺真起子、上杉柊平、志田彩良が演じている。

サクセスストーリーとドロドロのサスペンスに胸キュン要素も絡みあい、黒が白に、白が黒に裏返るようなストーリー展開はまさに"マル秘"要素満載。どこか非現実的な世界観で、入り込めば入り込むほど楽しめる本作。福原と松雪が見せたコンビネーションに注目したい。

■福原遥がダークヒロイン、松雪泰子は憂いも感じるシングルマザーを演じる

九条開発の社長・謙一(神保悟志)が遺した遺言により、会社の株を全て譲り受けることになった夏。そんな彼女の前に現れたのが、謙一から依頼されたトータルコーディネーターの密子だ。

九条家の親族でもない夏が権利を得たのは、以前ヘルパーの仕事をしている時に偶然にも九条開発の工場の火災に遭遇し、謙一を救出したことが理由。家族に代わって、謙一のお抱え介護士として身の回りの世話をしていたからだ。
欲がなくお人好しの夏を騙そうとする九条家の画策を見抜く密子は、夏に「あなたが変われば世界も変わります」と魔法の言葉をかけ、まずはヴィジュアルを大変身させ、夏を次期社長に立候補させる。

そんな謎のヒロインを、福原はまなざしや笑顔、声色を使い分けて表現。穏やかな微笑み、営業スマイル、氷のようなどこか冷たい笑み、企みを秘めた顔と、本心が見えず、周囲を翻弄する密子を表現している。
そんな密子に操られるように新たな一歩を踏み出す夏を演じる松雪は、コンプレックスを抱えながらも懸命に生きてきた、憂いのあるシングルマザーを好演。2人が初めて涙を流しながら本音で対峙する第4話は、福原と松雪の熱演も見どころとなっている。

■執念で事件を追う密子を取り巻く俳優陣も魅力的

欲望や憎しみ、愛が渦巻く物語を彩る俳優陣も本作の注目ポイント。

母から次期社長になることを期待されている九条家の遥人と、夏の息子の智が、密子を巡ってバチバチと恋の火花を散らす展開も見逃せない。遥人を演じる上杉と智を演じる清水の掛け合いに注目だ。
そして、時に物語に笑いを与えてくれるのが、九条開発の秘書・松本千秋を演じた桜井日奈子だ。社内で"推し活"に励む千秋は、ホッとさせてくれる存在だ。

危ない橋を渡ってでも九条一家の火事の真相を1人で突き止めようとする孤独な密子。しかしそんな密子も周囲の人間によって少しずつ変わっていき、一方で、社長に就任してからの夏も慈愛に満ちた顔から冷酷な視線へと変化していく。時にゾクッとさせられるその変容も、福原と松雪が役になりきって表現している。

キーワードは「あなたが変われば世界も変わる」。福原と松雪の緊迫感の中に人間味をにじませる芝居が、さまざまな要素が混在するミステリアスな物語を1つにまとめる柱のような役割を担っている。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

マル秘の密子さん 一挙放送
放送日時:2025年6月28日(土)12:05~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

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