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上白石萌音が高杉真宙、白石麻衣らと共演し、どこかシュールな演技を見せたドラマ「法廷のドラゴン」

2025/05/30

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映画「35 年目のラブレター」に出演、7月からスタートするドラマ「ちはやふる-めぐり」への出演も決定している上白石萌音。控えめな中に芯の強さを感じさせる役者でもある彼女が主演を務め、昨年の大河ドラマ「光る君へ」の出演などで活躍中の高杉真宙と共演したのが、6月28日(土)に日本映画専門チャンネルで放送される将棋×痛快リーガルドラマ「法廷のドラゴン」だ。

「法廷のドラゴン」高杉真宙のインタビューはこちら

コンビで裁判に臨む虎太郎(高杉真宙)、竜美(上白石萌音)
コンビで裁判に臨む虎太郎(高杉真宙)、竜美(上白石萌音)

脚本を手掛けたのは「相棒」「科捜研の女」シリーズなどの戸田山雅司。上白石はかつてプロ棋士だった新米弁護士の天童竜美役を務め、高杉は歩田法律事務所・所長で弁護士の歩田虎太郎を演じている。事務所は閑古鳥状態で虎太郎以外に勤務しているのはパラリーガルの乾利江(小林聡美)のみ。そこに弁護士として採用してほしいと飛び込んできたのが、裁判を将棋の定跡に例え、弁護士や証人を駒に見立てて勝ち筋を考える竜美だ。5歳から将棋漬けだったこともあり、裁判を将棋用語でしか言語化できない竜美のペースに虎太郎も利江もすっかり巻き込まれることになる。演じるに当たって棋士の所作や思考、用語を学んだという上白石と専門的な長台詞が多い弁護士役に初挑戦した高杉。醸し出すムードはソフトなのに負けず嫌いのヒロインがハマり役の上白石と、秀才なのにお人好しの所長を演じた高杉のコンビに癒される。

■ここぞという局面で変身する上白石の和装姿も話題に

幼い頃から真剣勝負に向き合ってきた竜美は勝ち目がなさそうな依頼が持ち込まれても諦めない。弁護士として正式採用された第2話では虎太郎と利江に「指す前から勝敗が決まっている対局は1局もありません!」と言い放ち、殺人事件が絡む第3話では東京地検のAIと呼ばれる検事が相手だと聞かされ、「プロ棋士も勝てないAIソフトがあったが、たとえ勝率が0.1%だとしても諦めたら投了」と、戦う意志を表明する。そんな竜美が裁判や大事な交渉には棋士時代と同じ和装に着替え、丸メガネを外して臨むシーンも本作のハイライトだ。真剣な勝負師顔と将棋一筋ゆえにポンコツな顔を使い分ける上白石の芝居にはなんとも言えないおかしみがあり、また次なる一手を考え過ぎて髪が乱れ、ホラー映画のような風貌になることも。そんな竜美の行動が読めず、驚いたり青くなったりと動揺しまくる高杉の芝居と、真面目な二人の肩の力を抜くポジションを飄々と演じている小林。3人のバランスも絶妙である。

■上白石と白石麻衣の対局が未来に向かう大きな一手に

本作のオープニングは棋士時代の竜美と駒木兎羽(白石)が対局し、兎羽が将棋盤に涙を落として去っていく場面。その時、何があったのか明かされるのが、TV局の報道部に勤務している兎羽が竜美に弁護を依頼する第7話から最終話にかけての物語だ。

取材記事が捏造だと衆議院議員に訴えられた兎羽はかつてのライバルであり友人でもある竜美に助けを求めるが、兎羽が何かを隠していると感じた竜美は3年半ぶりの対局を申し入れる。棋士時代は和装だったが、お互いにスーツ姿。将棋を通して久しぶりに心を通わせたことで、プロを目指して切磋琢磨していた二人のタッグは復活。弁護士として成長した虎太郎とともに政治スキャンダル裁判に将棋頭脳をフル回転させて立ち向かっていく。

かつての親友との再会に少女時代に戻ったような繊細な顔を見せる上白石と、その親友の熱量にクールに振る舞っていた心が溶かされていく白石の演技の対比も違うからこそ、ドラマを生む。仲良し家族のようなほっこり感を醸し出す歩田法律事務所の面々の魅力と演技も、続編を期待する声が相次いだ要因になっているに違いない。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

法廷のドラゴン(全8話)#1-4
放送日時:2025年6月28日(土)18:15~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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