天海祐希と松下由樹のひりついた演技合戦に息を吞む!キントリシリーズ第2作「ドラマスペシャル 緊急取調室」

天海祐希の主演で、捜査一課の専門チーム「緊急事案対応取調班」、通称"キントリ"の活躍を描く「緊急取調室」シリーズ。2014年に第1作目が放送されてから、連続ドラマはSeason4まで、スペシャルドラマが2作品と、これまでに計6作品が制作されてきた人気作だ。
第1作目の放送翌年、2015年に放送されたのが同シリーズ第2作目にあたる「ドラマスペシャル 緊急取調室」だ。
取調べの可視化を実施している特別取調室を取材するため、キントリのもとを訪れた報道番組のキャスター・三沢早苗(斉藤由貴)。キントリの一員として信念を持って刑事の職務を全うする真壁有希子(天海)に、自身もキャリアウーマンとして働く早苗はすっかり共感。「いい友達になれそう」と、握手を交わし合う。
その翌日、キントリはある被疑者の取調べをするよう要請を受ける。今回の被疑者は、女子刑務所から仮釈放されたばかりの元美容師・矢島聖美(松下由樹)。恋人を殺害した罪で6年も服役し、ようやく出所したにもかかわらず、聖美は仮釈放からわずか3時間15分後に「人を殺した」と言って自首してきたという。しかし、聖美の供述や現場の捜査結果から、キントリの一同は"今回の犯行は聖美には不可能ではないか"と疑問を抱く。捜査を進める中、早苗と聖美の意外な繋がりも浮かび上がり、事件の真相も明らかになっていく...。
■松下由樹の鬼気迫る演技によって、物語は緊迫感を増していく

(C)テレビ朝日
一筋縄ではいかない被疑者たちと"キントリ"との攻防戦が見どころの同シリーズ。本作では松下がキントリを翻弄する被疑者・矢島聖美を演じた。
元美容師の聖美は恋人を殺して服役していたものの、刑務所内では模範囚として看守から一目置かれ、その人当たりの良さで周囲の受刑者からも慕われる存在だった。そんな聖美が、出所後間もなく再び殺人を犯して自首するという驚きの展開から物語はスタート。穏やかな口調ながらも、その供述は嘘か本当か分からず、善良者なのか悪者なのか、どちらとも言い切れない。そんな聖美のどこか掴みどころのない不信感のようなものを、松下が見事に体現。模範囚だったことも納得の穏やかで冷静な語りぶりをしていたかと思えば、取調べの中で突如不穏な空気を醸し出したり、取り乱し、攻撃的になったりする聖美。その豹変ぶりを演じる松下の演技は、思わず息を吞むほど鬼気迫っている。
聖美の中に確かにある穏やかさや真面目さの一方で、徐々に顔を覗かせる本性と狂気。そんな相反する性質を持ち合わせる、混沌とした聖美の人間性を表現した松下の演技はさすがだ。
物語が進むにつれて滲み出てくる聖美の狂気や狡猾さ、そして徐々に明らかになっていく事件の真相。そんな中で聖美と有希子が見せる、思わず手に汗握るようなひりついたクライマックスは見物だ。天海と松下による迫力たっぷりの演技合戦に注目しながら、事件の真相を見届けてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
ドラマスペシャル 緊急取調室(2015)
放送日時:2025年6月18日(水)11:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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