櫻井翔と蒼井優が描き出すピュアでまばゆい青春ラブストーリー!登場人物全員、片想いの設定にときめく「ハチミツとクローバー」

「3月のライオン」などで知られる漫画家・羽海野チカのデビュー作「ハチミツとクローバー」。美術大学を舞台に、才能あふれる少年少女と彼らを取り巻く大人たちの心模様をドラマチックに描いた青春群像劇だ。2006年放送のTVアニメを皮切りに、実写映画やドラマ、そして台湾でもドラマ化されるほどの人気を博した。中でも2006年に公開された実写版映画は、嵐の櫻井翔や蒼井優といった豪華キャストが顔を揃えたことで大きな話題を呼んだ。
東京にある美術大学・浜田山美術大学の建築科に通う竹本祐太(櫻井)は、年季の入った寮で、先輩の真山巧(加瀬亮)らと充実した日々を過ごしていた。そんなある日、竹本は美術史の教師・花本修司(堺雅人)の親戚・花本はぐみ(蒼井)と出会う。はぐみが描いていた絵からほとばしる才能と、そのピュアな表情に一目惚れした竹本は、持ち前の善人さで人付き合いが苦手なはぐみの心を開いていく。そんな折、8年生の森田忍(伊勢谷友介)が久しぶりに姿を現す...。
■"全員、片思い"の関係性が切なく、ときめく

(c)2006 「ハチミツとクローバー」フィルムパートナーズ
櫻井が演じる主人公・竹本は、個性派揃いの登場人物の中で唯一の、ごくごく普通の大学生。櫻井は、周囲の警戒心をほどいてしまうような温和な雰囲気と笑顔で、竹本の"いい人ぶり"を体現している。映画の冒頭で餃子を包んでいる竹本の背中を眺めながら、見るからに"美大生"という風貌の女子たちが竹本のことを「健康的過ぎる」、「彼女とか大切にしそう」、「旦那ならいいかな」と評価するシーンでは、彼女たちの言葉に思わず頷いてしまう人も少なくないだろう。
そんな竹本が一目で恋におちてしまう天才美少女・はぐみを演じているのが蒼井だ。音楽を聴きながら心のままに筆をキャンバスに叩きつけているはぐみが、竹本と視線を合わせるシーン。そこで蒼井が見せた純度120%のピュアな表情には、竹本と同じように多くの人が心を奪われたことだろう。さらに、はぐみに見惚れる時の竹本の視線に熱が帯びる瞬間を見事に表現した櫻井の名演によって、「人が恋におちる瞬間を初めて見てしまった」という真山による原作屈指の名ゼリフが、観る者の心に深く刻まれた。
蒼井の高い声とのんびりとしたセリフ回しは、はぐみの純真無垢さを表現している。特に、喫茶店でごはんを食べているシーンで、自分を見守ってくれる竹本に向けた信頼に満ちた微笑みと、それを見た竹本がつられて浮かべる愛情のこもった笑顔の交換は、櫻井と蒼井の自然体の演技によって、より印象深い場面となった。
竹本からはぐみへの片思いを中心に、アルバイト先であるデザイン事務所の社長・原田理花(西田尚美)に恋する真山や、真山に振られても諦めきれない乙女・山田(関めぐみ)、天才クリエイター同士でしか共有できない情熱や苦しみをはぐみと理解し合える森田と、キャラクター同士の関係性をいきいきと描く本作。特に、森田の発案でパーティーを抜け出し、竹本、はぐみ、真山、山田、森田の5人で海を見に鎌倉へ行くシーンでは、キャスト陣の演技が驚くほどにナチュラル。彼らの素の表情を垣間見ることができる。
片思いやはぐみのスランプなどのさまざまなできごとを、若者ならではの不器用さとひたむきさで乗り越えていく美大生たちの姿を、美しい映像と音楽でつづる青春群像劇。彼らを見守る修司役・堺の肩の力が抜けた演技にも注目しながら、櫻井と蒼井が見事に表現した青春のきらめきを、その目で確かめてほしい。
文=中村実香
放送情報【スカパー!】
ハチミツとクローバー
放送日時:2025年6月21日(土)19:00~
チャンネル:WOWOWプライム
放送日時:2025年7月29日(火)4:30~
チャンネル:WOWOWライブ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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