ブルース・ウィリスが静の演技で惹きつける!ホラー・ミステリーの名作「シックス・センス」

ブルース・ウィリス主演の映画「シックス・センス」が、7月にザ・シネマで放送される。
本作はM・ナイト・シャマラン監督によるホラー・ミステリー作品で、ウィリスの俳優としての新たな魅力を引き出し、子役のハーレイ・ジョエル・オスメントの演技も注目された。
ウィリスは、1985年から1989年にかけて放送されたサスペンスコメディ「こちらブルームーン探偵社」で私立探偵デイヴィッド・アディソンを演じ、ウィットに富んだジョークを発するなど、コメディセンスが光る演技を見せた。そして1988年公開の映画「ダイ・ハード」で"世界1ツイてない男"、ジョン・マクレーンを演じ、アクション俳優としての地位を確立。1990年には「ダイ・ハード2」、1995年にも「ダイ・ハード3」と続編が制作され、いずれも世界的なヒットを記録している。
他にもメリル・ストリープとの共演が話題となったブラックコメディ「永遠に美しく...」(1992年)、「愛人/ラマン」で主演を務めたジェーン・マーチとの「薔薇の素顔」(1994年)、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」(1994年)、「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督とタッグを組んだ「12モンキーズ」(1996年)、ミラ・ジョヴォヴィッチのブレイク作となったリュック・ベッソン監督の「フィフス・エレメント」(1997年)、そしてSF作品「アルマゲドン」(1998年)といった大作、ヒット作に出演。
「ダイ・ハード」以降、アクション俳優としての印象が強かったウィリスだったが、1999年に公開された「シックス・センス」では、"動"ではなく"静"の演技で観客の目を惹きつけ、魅了した。
ウィリスが演じるのは第一線で活躍する小児精神科医のマルコム・クロウ。ある日、マルコムが妻のアンナ(オリヴィア・ウィリアムズ)と自宅でくつろいでいると、10年前に彼が治療を受け持ったヴィンセント・グレイが現れ、「自分を救ってくれなかった」と言ってマルコムの腹部を銃で撃ち、自身の頭も撃ち抜いた。それから1年後、マルコムはヴィンセントを救えなかったことに対して自信を責め、アンナとの間にも溝が生じて、話しかけても返事がないような冷たい空気が2人の間に流れるようになっていた。

『シックス・センス』(C) Buena Vista Pictures Distribution and Spyglass Entertainment Group, LP. All rights reserved.
そんなマルコムが8歳の少年・コール(オスメント)を担当することになった。コールは、死者が見えてしまうという"第六感(=シックス・センス)"があり、それを誰にも明かせず、学校では"バケモノ"扱いされていた。当初、マルコムは懐疑的だったが、コールと何度も会って話すうちに、彼の言葉を受け入れるようになっていった...。
ウィリスが演じるマルコムは、自身の内側に深い葛藤と孤独を抱えていて、声のトーンも落ち着いている感じだったり、ちょっとした表情の変化で感情を表していたりする。コールの悩みや苦しみに真摯に向き合い、孤独と寂しさを抱える彼に優しく寄り添う。つれない態度の妻・アンナにも苛立ったりすることはなく、"自分のせいでこうなった"と思い、彼女に歩み寄ろうと努力をしている。
コールの"死者が見える"という能力が出てくるが、本作はホラー的な怖さだけが魅力ではない。マルコムがアンナ、そしてコールと向き合う姿が描かれている"ヒューマンドラマ"の要素もこの作品の大きな魅力だと言える。もちろん、この物語の中にある"大きな秘密"、仕掛けられたトリックも見どころだが、それらは本編を見て確かめてもらいたい。
「シックス・センス」は世界的なヒットを記録し、アカデミー賞で作品賞など多くの賞にノミネートされた。ウィリスも"静"の演技が高く評価され、アクション俳優の殻を破り、その後、演技の幅もさらに広がっていった。シャマラン監督と再度タッグを組んだ2000年公開の「アンブレイカブル」もヒットを記録した。
繊細な表現、見る者の目を惹きつけて離さない演技を見せてくれるブルース・ウィリスに注目しながら、「シックス・センス」を楽しんでもらいたい。
文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
シックス・センス
放送日時:2025年7月17日(木)16:45~、7月23日(水)23:15~ほか
(吹) シックス・センス
放送日時:2025年7月23日(水)12:30~ほか
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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