歴代1位・羽生善治九段をはじめ、多数の棋戦優勝を果たした棋士たちを紹介!

将棋界において棋戦優勝はタイトル戦以外の優勝を表す。現代では全棋士参加棋戦の朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯将棋トーナメントの他に、上位棋士が選抜されJT回のみ。年齢的にはまだまだ若手側だが、昇級昇段が非常に早かったため、ほとんど出場せずに終わっている。うちわけは朝日杯4回、銀河戦、NHK杯、将棋日本シリーズが2回ずつだ。2022年度は4棋戦すべてで優勝する、史上初のグランドスラムを成し遂げた。
棋戦優勝の歴代1位はやはり羽生善治九段で、合計46回となっている。現代の4棋戦の合計優勝回数も26回とダントツだ。NHK杯の優勝11回は歴代最多で、唯一の名誉NHK杯(通算10回優勝)となっている。NHK杯11回の他、銀河戦、朝日杯、将棋日本シリーズはそれぞれ5回ずつとなっている。
渡辺明九段は優勝回数12回で、4棋戦では銀河戦と将棋日本シリーズが4回ずつ、朝日杯とNHK杯が1回ずつの計10回だ。藤井はタイトル獲得数があと1期で渡辺の31期に追い付くが、棋戦優勝の方も並んでいる。
羽生世代の強豪での4棋戦の活躍を見ていこう。佐藤康光九段が8回、丸山忠久九段が5回、森内俊之九段、郷田真隆九段が4回となっている。羽生もそうだが、この世代は朝日杯が前身の棋戦だったり、銀河戦が非公式戦だった時代とも被っているため、このカウント方式だと少なくなりやすい。特筆すべきは丸山で、大きな話題になったように、銀河戦決勝で2年連続藤井を破って最年長優勝を達成した。郷田も昨年のNHK杯で決勝進出するなど、この世代はまだまだ存在感を見せている。
永世名人の谷川浩司十七世名人は将棋日本シリーズで6回優勝と強さを誇っている。ただ、NHK杯と銀河戦の優勝は1回ずつで、合計8回となっている。
40歳未満では豊島将之九段が将棋日本シリーズを3回、銀河戦、NHK杯を1回ずつの合計5回優勝で、藤井に次ぐ2位となっている。タイトル戦常連の永瀬拓矢九段は若手棋戦を除くと朝日杯の1回のみで、早指しは比較的苦手にしていると言えそうだ。
グランドスラム達成後は2年続けて棋戦優勝は1回のみと、やや数字が伸びていない。それでも渡辺九段と並ぶところまで来ており、ここでも着実に実績を積み重ねていると言える。最難関と思われる名誉NHK杯への道は果たしてどうなるだろうか。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
第12期 銀河戦 決勝トーナメント 決勝戦 羽生善治王位王座 vs 谷川浩司棋王
放送日時:2025年8月10日(日)22:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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