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真摯かつ的確な新田真剣佑の演技がストーリーを盛り上げる!リーガルドラマの名作「イチケイのカラス」

2025/08/26

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人気コミックを原作として2021年に実写化され、多くの視聴者に支持されたリーガルドラマ「イチケイのカラス」。刑事裁判官を主人公とした物語で、隠された真実に光を当てて正しい判決を下す過程や、東京地方裁判所第3支部第1刑事部・通称"イチケイ"の爽快なチームワーク、そして事件の背景にある人間模様など、多くの魅力に満ちたドラマだった。

主演は竹野内豊で、マイペースで型破り、しかし絶対に冤罪を防ぐという信念をもって真実を追究する裁判官・入間みちおを演じた。また、真面目で堅物のため、常に入間と衝突している裁判官・坂間千鶴を黒木華が演じるなど、演技派俳優が集結。個性溢れる登場人物を時に繊細に、時にコミカルに演じ、物語に深みを与えていた。

竹野内豊主演のリーガルドラマ「イチケイのカラス」、新田真剣佑は書記官を好演
竹野内豊主演のリーガルドラマ「イチケイのカラス」、新田真剣佑は書記官を好演

そんなイチケイのチームの中で注目したいのが、裁判官をサポートする書記官・石倉文太役を務めた新田真剣佑だ。近年もWEBドラマや、今年7月スタートのドラマ「19番目のカルテ」に外科医役で出演するなど、コンスタントに活躍中。本作の「イチケイのカラス」でも、的確な演技でドラマを盛り上げている。

■短いセリフに気持ちを込める新田真剣佑の演技が絶妙のアクセントに

新田が演じる石倉は、かつて裁判の傍聴マニアで、当時から入間のファンだったというユニークな過去を持つ。人懐っこい性格で、会話やチームの会議において、ごく自然な感じで口を挟んだり、呟いたりする。

例えば第1話、新しくイチケイのメンバーとなった坂間を含め合議制で裁判を進めるとなった時、迷いなく「やりたいです」と書記官に立候補する。入間と坂間の組み合わせは見逃せない、というのが理由だが、落ち着いた雰囲気でありながら、楽しそうな様子がその表情からも伝わってくる。

裁判の最中は、入間ら裁判官を応援するような眼差しで見つめ、入間が真実を明らかにするために職権を発動(裁判所主導で捜査を行なうこと)する直前には、ワクワクするような笑顔で「出るぞ~」と呟く。

言ってみれば石倉は、裁判がどういう状況なのか、また自由奔放な入間が何をやらかすのかを短いセリフで解説したり、ボケやツッコミをこなす役割を担っている。それが会話や、各シーンの良いアクセントとなっているのはもちろん、"石倉文太"としての気持ちが自然にセリフにこもっているところに、新田のセンスと力量がうかがえる。

■書記官・石倉文太のピュアで真摯な一面も熱演で魅せる

物語の中で、石倉はさまざまな表情を見せてくれる。第4話で坂間がSNSで叩かれていると知ると、頼りがいのある態度と口調で「僕が支えます」と答え、第8話でイチケイを訪れた研修生に対しては、後輩を見守る先輩のような優しい態度で接する。そんな様子からは、石倉が裏表のないピュアな性格であることが伝わり、何気ない、短いセリフであっても気持ちが込められているため、石倉文太という人物の存在がしっかり感じられるのだ。

第5話では、そんな石倉の魅力を存分に楽しむことができる。この回には、石倉の初恋の相手・馬場恭子(生田絵梨花)が傷害事件の関係者として登場する。真実を追究する中で、やるせない様子を見せたり、行き過ぎて倫理違反を問われたりもするが、最後、石倉は自ら証言台に立つ。その時の真摯で、まっすぐで、想いのこもった表情は胸を打ち、その後の廊下での憂いに満ちた横顔も、実に絵になるシーンとなっている。

本作は竹野内や黒木はもちろん、新田を始めとするイチケイのメンバーを演じた小日向文世、中村梅雀らの演技も秀逸だ。イチケイ同様、皆のチームワークでドラマを素晴らしいものに仕上げた、必見の名作と言えるだろう。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

イチケイのカラス
放送日時:2025年9月24日(水)12:10~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
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