オダギリジョー演じる伝説の変わり者刑事は健在!異色のキャラを演じた武田真治との共演も見どころの「時効警察・復活スペシャル」
オダギリジョーが監督・脚本・出演を務めたドラマの劇場版「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」が公開中だ。作品へのこだわりの強さと、独自のセンスが支持されているオダギリがこれまで幾度も共演している麻生久美子も本作に出演している。
オダギリと麻生といえば、真っ先に思い浮かぶのは2006年に放送されたコメディミステリー「時効警察」。監督を務めたのはオダギリと親交が深い三木聡で、主人公の霧山修一朗(オダギリ)が、時効になった事件を趣味として解決していくというストーリー。テンポ抜群のギャグや小ネタ、ダジャレ満載のシュールな作風で高視聴率を記録し、翌年には「帰ってきた時効警察」も放送された。
麻生が演じるのは、霧山に想いを寄せるも気付かれず、それでも持ち前のポジティブ精神で霧山の趣味である捜査に同行する三日月しずか。霧山と三日月のどこか噛み合っていない凸凹バディは、物語をリードする重要な役割を担っていた。
霧山と三日月のみならず、警察内の登場人物が全員、どこか変わっている設定など、その斬新なスタイルは放送後も熱狂的に支持された。そして12年の時を経て復活し、第3シリーズ「時効警察はじめました」がスタートすることとなるのだが、その直前に放送されたスペシャルドラマが「時効警察・復活スペシャル」だ。
(C)テレビ朝日・MMJ
本作には新人刑事役として吉岡里帆、鑑識課の若きエースとして磯村勇斗が新たなキャストとして加わり、"71歳にして40代の肉体を持つ男"として武田真治もゲスト出演している。
オダギリだからこそ演じられる、宙に浮いているような不思議な主人公の魅力を振り返ってみたい。
■掴みどころがないチャーミングな警察官をオダギリがふんわり演じる
(C)テレビ朝日・MMJ
出向先のアメリカのFBIから、ひょっこりと"時効管理課"に戻ってきた霧山は、髪型や服のセンスこそ変わったものの、その変人ぶりは健在。12年の月日を感じさせるのは、三日月が一度は結婚したものの離婚し、苗字が元に戻ったこと、サネイエ(江口のりこ)が妊娠したこと、そして時効制度が変わったことだ。
そんな中、霧山は24年前に発生し、9年前に時効になった「浦島ガソリンスタンド火災事件」に興味を示す。現場で身元不明の焼遺体が発見されたものの、損傷が激しく、手がかりは男性が握っていた高校の制服のボタンのみ。「調べてみようかな。他にやることないし」と、趣味の捜査を三日月と共に開始することになる。
霧山の特性は基本的に平常心であまり他人に関心がなく、時効になった事件の謎を解き明かすことしか考えていないことだ。三日月は霧山との再会に心をときめかせ、それとなくアプローチしてみるものの暖簾に腕押しの薄い反応。しかし、三日月の元夫が事件に関わりのある人物を調べている刑事だと知った途端、目が輝き、眼鏡をずらして"お願い顔"をして三日月を困らせるなど、例えるなら気分で甘えてくる猫のような性格だ。
そんな霧山を面白がり、陰で捜査に協力するのが新人刑事・彩雲(吉岡)。霧山に「私ってつまらない人間ですか?」と問いかけ、ジロジロ見られた後に「面白そうな顔だよね」と言われてガックリ。全くもって掴み所がない男なのだが、鋭い推理力で事件の謎を紐解く前代未聞の警察官を、オダギリはふんわりと良い意味で力の抜けた演技で魅せる。
■謎の男・美魔王を演じる武田とオダギリの濃い共演も刺激的
本作のキーパーソンとなるのが、奇跡の71歳としてバラエティ番組で活躍中のタレント・美魔王藤原。美魔王が浦島の出身だという情報を掴んだ霧山と三日月は、あの手この手で接触を図る。トレーニング中の美魔王に話を聞くシーンでは、鍛え抜かれた肉体美でおなじみの武田と、オダギリという濃い2人の演技の応酬がスリリングだ。
ミステリーに笑いの要素をたっぷりトッピングし、ハマったら病みつきになる本作。オダギリを始めとするキャスト陣の個性豊かな演技と共に堪能してほしい。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
時効警察・復活スペシャル
放送日時:2025年10月29日(水)11:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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