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若き日の吉永小百合が見せる繊細な表情に惹かれる 勝利と留次を見守る准看護師・ひかるの魅力が詰まった「いつでも夢を」

2026/05/13

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「いつでも夢を」
「いつでも夢を」

2024年に映画デビュー65周年を迎えた吉永小百合は、いまもなお第一線で活躍を続けている。2024年からは65周年を記念した企画が展開され、写真集の刊行や出演作のブルーレイ&DVD化、特集上映などが続いてきた。2025年には映画出演124本目となる「てっぺんの向こうにあなたがいる」も公開され、東京国際映画祭では特別功労賞も受賞。そんなタイミングで改めて見たいのが、1963年公開の「いつでも夢を」である。

「いつでも夢を」は、橋幸夫と吉永の同名デュエット曲を映画化した青春映画だ。東京の下町を舞台に、働きながら定時制高校に通う若者たちの恋や友情、将来への思いが描かれていく。吉永が演じるのは、夜間学校に通いながら養父の医院で准看護師として働く三原ひかる。労働者たちから"ピカちゃん"と呼ばれる親しみやすい存在で、浜田光夫演じる勝利、橋演じる留次と関わりながら、物語の中心を担っていく。下町らしいにぎやかさと、若者たちのひたむきさが印象に残る作品だ。

この頃の吉永は、すでに若手スターの代表的な存在だった。「キューポラのある街」では、厳しい毎日を真っすぐに生きる少女を演じ、「愛と死をみつめて」では、過酷な運命に向き合う女性の切実さで多くの人の心をつかんだ。どちらも、吉永の青春時代を語るうえで欠かせない作品だ。その後も長くキャリアを重ね、いまも主演作を担い続けている。その歩みを踏まえると、「いつでも夢を」もまた、今の吉永につながる作品として見えてくる。

若き日の吉永小百合演じる看護婦・三原ひかるのやさしさが光る「いつでも夢を」©日活
若き日の吉永小百合演じる看護師・三原ひかるのやさしさが光る「いつでも夢を」

©日活

この映画で吉永が演じるひかるには、かわいらしさだけでは収まらない魅力がある。白衣姿の清潔感や、画面に入った瞬間に場が明るくなるような華やかさはもちろん大きな魅力だが、本作でより印象に残るのは、相手の気持ちを受け止める姿勢だ。勝利や留次が迷いや不安を抱えたとき、ひかるは大きな言葉で引っ張るのではなく、相手の話をきちんと聞き、そのとき必要な言葉を返していく。その自然なやさしさが、ひかるという人物をより魅力的に見せている。

「いつでも夢を」©日活
「いつでも夢を」

©日活

吉永の芝居は、とても自然だ。強い言葉で場面を動かすのではなく、目線や声の調子で、ひかるの思いやりを伝えていく。そのさりげなさが心地いい。華やかさがありながら、相手の気持ちをきちんと受け止められるところに、吉永の魅力がある。「いつでも夢を」では、その良さがまっすぐ伝わってくる。

こうした魅力は、後年の吉永小百合にも自然につながっている。年齢を重ねてからの作品でも、吉永は人生の痛みや喪失を抱えた人物に、静かな温かさをにじませてきた。感情を大きく見せるというより、相手の思いを受け止めることで場面に深みを与えていく。その佇まいは、近年の出演作でも変わらず印象に残るものだ。だからこそ今の吉永小百合を思い浮かべながら「いつでも夢を」を見ると、ひかるに宿る優しさも、この時期だけのものではなかったことがよくわかる。まっすぐで、親しみやすく、相手の気持ちにきちんと手を伸ばせること。そこに柔らかさだけでなく、支える側としての芯の強さまで感じられるところに、吉永らしさがある。そのバランスは、長いキャリアの中で少しずつ育まれていったというより、若い頃からすでにしっかりと息づいていたのだろう。

そんな吉永の魅力に触れられる作品として、「いつでも夢を」はやはり見逃せない。若き日の華やかさはもちろん、今につながる優しさや芯の強さも、この一本にはしっかり映っている。あらためて見返してみると、そのことがいっそうよく伝わってくるはずだ。

「いつでも夢を」©日活
「いつでも夢を」

©日活

文=川崎龍也

放送情報【スカパー!】

「いつでも夢を」
放送日時:2026年5月17日(日)6:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
©日活

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