松坂桃李が"若き娼夫"を熱演し、危うさと純粋さを表現――映画「娼年(R-15版)」官能の奥にある人間ドラマ
2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」で主人公の幕臣・小栗上野介忠順を演じることが決定し、国民的俳優としてさらなる飛躍が期待される松坂桃李。映画やドラマ、舞台のみならず声優までこなす多面的な魅力で、多くのファンを惹きつけてやまない俳優だ。
そんな松坂の主演作の中で改めて注目したいのが、7月9日(木)に日本映画専門チャンネルで放送される映画「娼年(R-15版)」(2018年公開)。女性たちの欲望に身体ごと向き合う若き娼夫を演じた松坂の、文字通り体当たりの熱演を振り返りたい。
名門大学に通いながらバーテンダーのアルバイトに明け暮れる20歳の青年・領(松坂)は、恋愛にも大学生活にも満足できない無気力な日々を過ごしていた。そんなある日、アルバイト先のバーで年上の美女・静香(真飛聖)と出会う。「女なんてつまんないよ」という領のつぶやきを聞いた静香から連絡先を渡され、閉店後に彼女のマンションに誘われる。彼女の車に乗り込み、静香の自宅について行った領は、そこで静香から娘・咲良(冨手麻妙)を抱くよう命じられるのだった。静香からの"情熱の試験"に合格した領は、彼女がオーナーをしている会員制ボーイズクラブ「Le Club Passion」の娼夫として働かないかと誘われる。クラブで働くことに決めた領は、その日から満たされない渇きに悩まされる女性たちと向き合っていく...。

大人気ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の原作者として知られる作家・石田衣良の恋愛小説を原作とした本作。幼い頃に亡くなった母の幻影を追い続ける青年が、娼夫としてさまざまな女性たちと肉体関係を結ぶ中で1人の男性として成長する姿を、美しい映像で描く大人のラブストーリーだ。
■満たされない青年の危うさとピュアさ、そして成長を体現した松坂桃李

主人公の男子大学生・領を演じる松坂は、撮影当時29歳。しかし、映画冒頭で彼が見せる裸体とがむしゃらな愛の交歓シーンは驚くほどに瑞々しく、若さにあふれている。それだけでなく、長い前髪から覗くどこか自信なさげに視線が揺れる暗い瞳や、気だるげな表情、抑揚がなく控えめな話し方は、まさに少年と青年の境をたゆたう時期にしか出せないはずの青臭いオーラを放っている。そんな領のナイーブさが最も鮮やかに描かれるのが、領と静香、そして咲良の3人で、領の行きつけの居酒屋で食事をする場面だ。
静香から年上の女性とうまく付き合う秘訣を聞かれた領は、10年前に出先で倒れて亡くなった母との思い出を語る。未だに昇華できていない悲しみを受け止めてくれた2人の前で、領は思わず涙を流すのだ。そこで松坂が見せる表情はどこまでもピュアで、観る者の胸を打つ。「肩を貸してくれ」と言われただけだったのに、子どものように泣きじゃくる領を思わず抱きしめてしまった静香だが、彼女の行動に共感した女性ファンも多かったはず。そんな領の危うさとピュアさを体現した松坂の熱演は、要注目だ。

静香に弱い自分を受け止めてもらい、大人の女性たちと金銭を介した肉体関係を重ねる中で、人として成長していく領。前髪に隠れていた瞳は次第に自信に満ちあふれ、女性たちとのひとときの中でも、髪をなでる手に優しさがこもるように。そんな細やかな仕草から、領の変化を表現した松坂の演技力に驚かされるはずだ。
映画公開当時も、松坂と江波杏子を始めとする実力派俳優陣が見せる、激しくも美しいベッドシーンが話題となった本作。松坂の体当たり演技に注目しながら、領と大学の同級生との関係や、領の中に募っていく静香への思いなど、官能性の奥にある繊細な人間模様も味わってほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
娼年(R-15版)<R-15>
放送日時:2026年7月9日(木)22:20~、7月16日(木)1:50~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:松坂桃李 真飛聖 冨手麻妙 小柳友 猪塚健太 桜井ユキ 馬渕英里何 荻野友里 佐々木心音 大谷麻衣 西岡徳馬 江波杏子
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