彩凪翔が明かす、早霧せいなからかけられた忘れられない言葉「その言葉は今でもずっと自分の中に残っています」

彩凪翔が、時代劇専門チャンネルで放送される「華麗なる宝塚歌劇の世界～Season4～」にゲスト出演する。同番組は、宝塚歌劇の日本物だけを厳選して放送する同チャンネルの人気企画の第4弾で、王道の時代劇からファンタジー作品まで幅広いラインナップを届ける。また、中井美穂の進行のもと、ゲストのタカラジェンヌOGが当時の思い出を振り返る。

今シーズンの初回となる6月20日放送回では、2015年に福岡・博多座で上演された雪組による「星影の人」を取り上げ、ゲストの彩凪が同作品出演時の思いや裏話などを語る。

今回、収録後の彩凪にインタビューを行い、収録の感想や上演当時の思い出や役について宝塚歌劇団を退団して1年が経った現在の心境などを語ってもらった。

――今回、ご出演されていた「星影の人」について振り返りましたがいかがでしたか？

「今回の(番組出演の)お話をいただいて、改めてもう一度作品を見返したのですが、幕末の時代を変えようとしていた人たちってすごくエネルギーにあふれていて、武士としての誇りみたいなものがとてもカッコよく、魅力的だなと感じました。また、自分が男役を追求していた"男役の誇り"と"新選組の誇り"がリンクしているような気がしました」

――山南敬助を演じる上で意識したことは？

「演じさせていただくにあたって、山南さんのゆかりの地を訪れて、切腹されたお部屋に入れてもらったり、お墓参りをさせていただいたりしたのですが、そういったところに行くことで『本当にいらっしゃったんだな』『本当に切腹されたんだな』と胸にくるものがありました。山南さんは荒くれ者の浪士たちが集まった集団の中で、知的な部分を担った幹部としてみんなをまとめる人物なので、他の浪士とは違う見え方にしなければという思いがありました」

――演じる上で苦労したところは？

「新選組の幹部でありながら、いち早く新選組の行く末を見据えて、『今の新選組はどうなのだろう？』と疑問を持ち始めるところですね。あまり多くを語らない人なので、『新選組を愛しているがゆえに...』という心情をお客様に提示するということが難しかったです」

――上演中の思い出や裏話を教えてください。

「みんなでお酒を飲みました！(笑)新選組ってよくみんなでお酒を飲むのですが、そんな感じで『みんなでご飯食べよう！』と。休みの日でも集まって、ご飯を食べたり飲んだりして、コミュニケーションをとる機会が多かったので、新選組の結束はオフの時間からも培われたと思います」

――同作品の主演を務められた早霧せいなさんとのエピソードを教えてください。

「ちぎさん(※早霧の愛称)とはすごくご縁があって、たくさん共演させていただいたんですが、ある時、『私と一緒に芝居していると落ち着く』と言っていただいたことがすごくうれしくて！その言葉は今でもずっと自分の中に残っています」

――同作品では山南敬助、2019年「壬生義士伝」では土方歳三を演じられましたが、新選組のメンバーの中で他に演じてみたい人物は？

「沖田総司ですね。猛々しい感じではなく、さらっとした見た目なのに強いというのがめっちゃカッコいいなと！(笑)」

――宝塚歌劇団を退団されて1年が経ちましたが、変化はありますか？

「結構ガラッと変わりました。中身は全然ですけど...(笑)。やっぱり初めての方々とお芝居をするというのが、すごく新鮮で刺激を受けています。宝塚在団時代は初めてのせりふを交わすにしても知っている方々とだったので、『こんな感じで来るかな』と予想できたり、相手の性格も知っているから、それを踏まえた上で作っていたんです。そこがすごく違いますね。あと、『こんな感じで演じてもいいんだ！』『こんな演じ方見たことないな』という方がたくさんいらっしゃって、見ていて本当に勉強になります」

――最後にファンの方、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

「いち役者、いちエンターテイナーとして魅力的な人になれるよう、お客様に『今回はこう来たか』と思ってもらえるような、毎回、全然見たことのない私を更新していきたいと思っています。退団してから発信の場も増えたので、皆さんとつながっていろいろ発信していくことで、エネルギーをお返しできたらうれしいなと思います」

文＝原田健