竹内結子が恋と研究に奮闘する動物行動学者のタマゴを好演!内野聖陽と共演したドラマ「不機嫌なジーン」

凛とした美しさと優しい笑顔、そして聞く者を癒してくれる穏やかなトーンの声で、多くのファンの心を掴んだ女優・竹内結子。1999年から2000年まで放送されたNHK連続テレビ小説「あすか」で主人公を演じ、そのフレッシュな演技で注目を集めた竹内は、2000年代に入ると「ガッコの先生」「ランチの女王」などのドラマだけでなく、「黄泉がえり」「いま、会いにゆきます」といった映画でも圧巻の演技を披露。コメディからハートフルなファンタジーまで、多彩なジャンルの作品でまばゆいばかりの存在感を放ち、日本を代表する女優としての地位を不動のものとした。
そんな竹内が、動物行動学を学ぶ学者のタマゴ・仁子(よしこ)を演じたのが、2005年放送のドラマ「不機嫌なジーン」だ。日本映画専門チャンネルで、同作が9月5日(月)から3日間にわたり放送される。

竹内の代表作のひとつでもある「ランチの女王」でタッグを組んだプロデューサー・山口雅俊と脚本家・大森美香がメインスタッフとして関わった本作は、イギリスの動物行動学者であるリチャード・ドーキンスが1976年に発表した科学書「利己的な遺伝子」をモチーフとしている。
竹内演じるヒロイン・仁子は、「『男性=オス』というものは絶対に浮気をする生き物で、それはオス自身が悪いのではなく、オスの遺伝子(=ジーン)が自らを複製していくためにそのように指令を出して人間を操っているのだから仕方ない」というのが生物学の悲しい通説だということを研究を通して知っている。そんな彼女は、とある喫茶店で起きた出来事をきっかけに、同じ鵯越大学に通う健一(黄川田将也)と知り合いに。その後、大学の付属小学校で非常勤講師をしているという健一に大学の食堂で再会し、友達になろうと言われた仁子。しかし、「蒼井ジンコです」と仁子の代わりに名乗ったのは、かつて仁子の恋人だった環境生物学者・南原孝史(内野聖陽)だった。

普通なら悲鳴を上げてしまうような虫にも愛情を注ぐ程、生き物が大好きな仁子を豊かな表情で演じた竹内。健一に「男に愛がないなんて言うのは不愉快」と詰め寄られている最中も、彼の髪の毛にとまっていたカメムシを発見するや否や、瞳を輝かせて素手で確保。その後、優しくベンチに放してあげただけでなく、飛び立っていく後ろ姿を愛のこもったまなざしで見送るなど、個性的な仁子の魅力を見事に体現した。

また、仁子というキャラクターをさらに輝かせるのが、仁子の元恋人・孝史の存在だ。お調子者で浮気性だが、それが遺伝子のなせる業だと断言する孝史。ことあるごとに仁子を惑わせ、仁子と健一との新たな恋を邪魔する一方で、環境生物学者としての優秀さを垣間見せるといった、その奔放さに仁子と共に視聴者も振り回され、魅了されていく。

ロンドンで暮らす28歳の仁子が過去を回想するというスタイルで綴られる、一筋縄ではいかないアカデミックなラブストーリー。確固たる目標を持って生きる仁子の強さやしなやかさ、そして恋に悩む女性を等身大の演技で表現した竹内の輝きを、ぜひその目で確かめてみてほしい。
文=中村実香
放送情報【スカパー!】
不機嫌なジーン(全11話)
放送日時:2022年9月5日(月)18:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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