西島秀俊がクールな後輩刑事で見せた憂いの表情に釘付け!竹内結子と共演した「ストロベリーナイトSP」

誉田哲也氏の警察小説「姫川玲子シリーズ」を原作とし、2010年に放映されたスペシャルドラマがキッカケでシリーズ化、劇場版も制作され、主演の竹内結子が初めて刑事役に挑んだ「ストロベリーナイト」シリーズ。「ノンキャリ」にも関わらず、若くして警部補にのぼり詰めた警視庁捜査一課の刑事・姫川玲子が、猟奇的な犯罪にも果敢に立ち向かう美しい班長役は瞬く間に人気となった。そんな姫川に密かに思いを寄せる忠実な部下、菊田和男を演じたのが西島秀俊だ。
西島は2021年に公開された主演映画「ドライブ・マイカー」において第94回アカデミー賞の4<部門にノミネートされて以来、世界でも活躍。最近では主演を務めた日本・台湾・アメリカの合作映画「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」が2025年9月に公開されることが発表された。ちなみにスペシャルドラマが放映された時の西島は39才。40代以降の俳優としての飛躍は知られるところだが、主演の竹内の覚悟と気迫が姫川役を通してヒシヒシと伝わってくる第1弾の「ストロベリーナイトSP」で西島が演じた刑事、菊田とその演技に焦点を当ててみたい。
■姫川が絶対的な信頼を置くクールでちょっと生意気な部下・菊田を西島が演じる

原作 誉田哲也「ストロベリーナイト」(光文社文庫刊)/(C)フジテレビジョン
母の勧めで仕方なく行くことになったお見合い当日、猟奇的な殺人を思わせる遺体が公園で発見され、姫川は純白のツーピース姿で現場に直行。その美しさに菊田は戸惑いの表情を見せるが、部下の大塚(桐谷健太)は疑問を素直に口に出し、姫川に「うるさい!」と一喝される。しかし、姫川にデレデレの井岡巡査長(生瀬勝久)や東大出身のキャリアの新人、北見(林遣都)が捜査に加わる中、なぜか菊田は今泉係長(高嶋政宏(※「高」は正しくは「はしご高」)にデスク業務を命じられてしまう。
大事な戦力が現場から外され、直情型の姫川は机を叩いて「あんた、本当に納得してるの?」と迫るが菊田は頼まれたからとひょうひょうとした表情。その一方で、飲み会では「なんで井岡がいるんだよ」と頬を膨らませ、不機嫌になるなど、チャーミングな面ものぞかせる。菊田の刑事像は連続ドラマから描かれていくが、西島の魅力でもある憂いのある表情と内に秘めた熱や鋭さを思わせる演技が光っている。
■姫川への信頼と恋心を無言で想像させる西島のたたずまい

原作 誉田哲也「ストロベリーナイト」(光文社文庫刊)/(C)フジテレビジョン
おぞましい殺人ショーの事件と共に「ストロベリーナイト」というタイトルが付けられた理由も明らかにされる本作には少女時代に深い傷を負ったことで、刑事を志した姫川の原点も描かれている。連続殺人事件を追う過程で警察内部から犠牲者が出る中、姫川の天敵であるガンテツこと勝俣刑事(武田鉄矢)の強引な捜査を知り、菊田は次なる危機を察知。係長に「止めても無駄ですから」と外に飛び出していくシーンでは、刑事スイッチがオンになった西島の演技にドキドキさせられる。
そして、姫川が絶体絶命の事態に追い込まれるクライマックスでは感情のメーターが振り切れた姫川を前に立ち尽くす様が印象的だ。その時、菊田の心にはどんな感情が渦巻いているのかー。内面を想像せずにはいられない西島の無言の芝居に引きつけられる。過去のトラウマを振り払うように自らを奮い立たせて生きてきた刑事を演じる竹内の全身全霊の演技との対比も魅力的な人気シリーズの始まりの作品はいろいろな意味で刺激的だ。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
ストロベリーナイトSP
放送日時:2025年7月19日(土)24:00~
放送チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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