「瓔珞」カップルの甘いロマンスに感激...国宝級イケメン、シュー・カイが体現する「想い人」への献身ぶり

根強いファンが多い中国歴史ドラマの中でも、格別な期待が寄せられている新作「尚食(しょうしょく)～美味なる恋は紫禁城で～」が、遂に9月1日(木)よりＷＯＷＯＷプライムにて日本初放送される。

何より心躍るのが、「瓔珞＜エイラク＞～紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃～」(2018年)以来、実に4年ぶりとなるウー・ジンイエン×シュー・カイの顔合わせだ。「瓔珞＜エイラク＞」では互いに想い合いながらも結ばれなかった女官と侍衛を演じていただけに、本作での恋の行方に期待が寄せられている。

「瓔珞＜エイラク＞」は、最盛期の清朝を治めた乾隆帝の時代(在位1735～1795年)に、一介の女官から皇后へと異例の大出世を果たした魏 瓔珞(ウー・ジンイエン)のサクセスストーリー。

後宮内の陰謀に晒されながらも、持ち前の正義感と優れた頭脳で、次々と窮地を突破していく瓔珞の逆転劇は実に痛快で、"やられたらやり返す"不屈のヒロイン像は"女性版・半沢直樹"とも評されたことも。アメリカをはじめ90ヶ国以上で放送・配信され、中国からはアクセスができないGoogleで、"2018年世界に最も検索されたTVドラマ"になるという中国ドラマ初の快挙を成し遂げた大ヒット作だ。

この作品で"中国の国宝級イケメン"と一気に注目を集めたのが、乾隆帝を支え続けた富察(ふちゃ)皇后の弟・傅恒(ふこう)を演じたシュー・カイだ。劇中では、頭髪を剃り上げて一部のみを編んで長く垂らした"辮髪(べんぱつ)"姿で登場しているが、それがかえって彼の整ったビジュアルを際立たせており、意志的な強い瞳が強烈な印象を与えている。

宮中で殺された姉の死の真相を探るため、繍坊の女官として後宮に潜り込んだ瓔珞にとって、傅恒はもともと姉の仇と思い込んでいた憎きターゲット。ところが、折に触れて傅恒の清廉潔白さを目の当たりにし、誤解が解けると同時に、互いに惹かれ合っていくのだ。

傅恒も瓔珞への想いを自覚してからは、ストレートに行動に移し、富察皇后にも「生涯、瓔珞を大切にします」と男らしく宣言。他人には弱みを見せない勝気な瓔珞も、傅恒の前では心を許し、時折チャーミングな笑顔を見せる。陰謀が張り巡らされた後宮において、2人の純愛は、ある種の清涼剤のように心が洗われる。

だが、瓔珞は思いがけず乾隆帝に見初められ、2人の愛は引き裂かれることに...。寵愛を受けて妃嬪として昇りつめていく瓔珞と、御前侍衛として乾隆帝に仕える傅恒――禁断の関係性になってからも、瓔珞への真っ直ぐな愛が揺るぐことはなく、最期まで貫き通した傅恒の献身ぶりに涙する視聴者が続出。新人らしからぬ演技力で傅恒を演じ切ったシュー・カイは一躍スターの仲間入りを果たした。

「尚食(しょうしょく)」は、そんな「瓔珞＜エイラク＞」での切ない顛末を知るファンならば見逃せない作品。というのも、瓔珞役のウー・ジンイエンと傅恒役のシュー・カイはもとより、「瓔珞＜エイラク＞」のプロデューサーをはじめとする制作陣が再結集。ジンイエン演じる女官とカイ演じる皇太孫による甘いロマンスという、瓔珞＆傅恒カップルの"生き直し"とでも言いたくなるようなストーリーが展開する。

舞台となるのは、明の華やかな宮廷。頭脳明晰で武芸に優れ、永楽帝に溺愛される皇太孫・朱瞻基が、ひょんなことから尚食局で働く聡明な女官・姚子衿(ジンイエン)と遭遇。やがて自身の書斎に食事を届けるようになった姚子衿に心惹かれ、猛アタックを開始する。

明の皇太孫という身分に加えて、ちゃめっ気もある非の打ち所のない朱瞻基。雪の中、かじかんだ手で食事を運んできた姚子衿の手をそっと握って自分の上着をかけてやったり、杖刑を受けて気を失った姚子衿をお姫様抱っこで運んだりと、女官相手とは思えないほど愛情溢れる振る舞いを見せ始める。

一方、時の皇太孫を相手に自分の意思をはっきり伝え、女性主導の愛を貫こうとする姚子衿も魅力的。後半、2人の距離が近づいていくとスキンシップも増え、入浴中の姚子衿に朱瞻基が強引にキスをしたり、姚子衿に永遠の愛を誓って首飾りを授け、優しくアプローチしたりと、「瓔珞＜エイラク＞」で涙したファンにはたまらない展開へと進んでいく。

宮廷の食を司る尚食局を描くだけに、劇中では中国を代表する専門家たちが監修・調理した料理が並ぶ。中には国宝級の料理人が腕を振るった逸品もあり、美食ドラマとしても楽しめる宮廷ラブストーリーに仕上がっている。

前作ではプラトニックな純愛を貫いたウー・ジンイエン＆シュー・カイだけに、手と手を取り合い、愛情表現を露わにする「尚食(しょうしょく)」で、念願のロマンスに酔いしれたい。

文＝酒寄美智子