キスシーンも芸術的に美しい...SF9の最年長メンバー、インソンが魅せる繊細なロマンス

日本デビュー5周年を迎え、8月には約3年ぶりとなる来日イベント「SF9 JAPAN FANMEETING 2022"HANABI"」も実現させた9人組ボーイズグループ・SF9。過熱するSF9人気を実感させる盛況ぶりだったが、1993年生まれの年長組であるインソンとヨンビンは3月から兵役に就いており、各メンバーのソロ活動も活発化していきそうだ。

デビューした2016年にメンバー全員が出演したWEBドラマ「クリック・ユア・ハート」以降、俳優として活躍するメンバーが多いことでも知られるSF9。「偶然見つけたハル」(2019年)や「先輩、その口紅塗らないで」(2021年)、「恋慕」(2021年)...とヒット作を重ねるロウンや、「SKYキャッスル～上流階級の妻たち～」(2018年)で脚光を浴びたチャニを筆頭に、フィヨン、ジュホ、ヨンビン、ダウォンらが俳優活動を並行させている。

グループ最年長であり、今年3月に入隊したインソンも、俳優としてキャリアを重ねてきたメンバーの1人。中でも、話題を集めた注目作と言えば、フィヨンとW主演したWEBドラマ「トッコ・ビンはアップデート中」(2020年)での主人公 ハ・ドッコ役だ。

天然でまだまだ幼さの残る大学生のトッコ。ズボンにインしたチェックシャツに、野暮ったい黒縁メガネ＆マッシュヘアが何とも言えない愛嬌を漂わせている。フィヨンが演じたAIロボットとの友情を描いたこの作品は人気を呼び、WEBドラマとして配信された後、劇場版として日本でも公開された。そんなインソンの最新主演ドラマが、KNTVにて9月18日(日)より放送される「2人のウジュ～Color of Love～」だ。

「2人のウジュ～Color of Love～」は、過去に傷つきながらも人生や恋に奮闘する男女4人の姿を描き出すロマンティック・ラブストーリー。ヒロインは、両親を亡くし、一人ぼっちになってしまった見習いスタイリストのビョル(イ・スミン)。占いで「運命の相手の名は"ウジュ"」だと告げられた矢先に、偶然にも"2人のウジュ"が現れ、彼らの運命的な恋が始まっていく。

インソンが演じているのが、ビョルの上司となる美容院のヘアデザイナー、シン・ウジュ。一方、人気急上昇中のファッションモデルで、ビョルにひと目惚れする"もう一人のウジュ"であるペク・ウジュをリュ・ウィヒョンが演じている。

インソン演じるウジュは、海外留学から帰国した天才肌のヘアデザイナー。クールで仕事も完璧だが、過去の失恋のせいで新しい恋愛に踏み込めないでいる、というキャラクター。ビョルをめぐって"もう一人のウジュ"と対峙する一方、元カノであるソ・ロヒ(ぺ・ウヒ)との関係にも頭を悩ませていく。

序盤はまず、ウジュ(インソン)の美しさに目を見張る。整った目鼻立ちと、陶器のように透き通る肌。過去の失恋で心に傷を抱えていることもあってあまり表情を変えないクールなキャラクターが、その孤高の美しさを際立たせる。

だが、恋のライバルであるウジュ(ウィヒョン)が出現すると、ヤキモチを焼いたり焦りを見せたり...ビョルへの複雑な感情を露わにして、その二面性に引き込まれる。次第に気持ちを通わせていくウジュ(インソン)とビョルとの、どこか初々しいキスシーンも注目の的で、唇を離した後に、視線を逸らさずにもう一度口づける2人の甘く繊細なキスシーンは、その横顔の美しさもあって芸術の域だ。

SF9では、圧倒的な歌唱力でメインボーカルを務めるインソン。入隊直前までミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」に出演していた彼は、陸軍創作ミュージカル「ブルーヘルメット：メイサの歌」への参加も発表されている。除隊はまだしばらく先だが、SF9の一員としてだけでなく、アーティストとしても俳優としても、まだまだ伸びしろを感じさせるインソンの魅力に改めて注目したい。

文＝酒寄美智子