「カリスマ」な木村文乃、「天真爛漫」な広瀬アリス...何度も見たくなる抜群のチーム感

表向きは秘書、裏では悪を成敗するエージェントの活躍を描き、高視聴率を記録したドラマ「七人の秘書」。劇場版『七人の秘書 THE MOVIE』が公開を間近に控え、スケールアップしたエンタメ作として注目を集めている最中だ。
そもそもの「七人の秘書」は、名もなき秘書たちが、類稀なスキルや秘書ならではの情報へのアクセス能力などを活かす"影の軍団"として上級国民の悪を暴き、弱者を救う姿を描く勧善懲悪の物語。「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズなどで知られる中園ミホ脚本×内山聖子プロデュースのコンビによる本作の見どころは、なんといっても魅力的なキャラクターたちだろう。

(C)テレビ朝日
木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋、江口洋介という豪華キャストが演じる7人の秘書たちは個性豊かだ。例えば、主演を務める木村が演じた千代は、不公平な世の中に憤りを感じる東都銀行の常務秘書。かつて働いていた銀座のクラブではNo.1にまで登り詰めた洞察力と会話力、さらに完全無欠のカリスマを持ち、クセの強い仲間たちをまとめるリーダー的立ち位置だ。兄の一男(マキタスポーツ)のラーメン屋を巡って理不尽な目に遭ったことが怒りの動機であり、姿を消していた兄との再会など物語が進むにつれ、徐々に人間味を見せていく様子が印象的だった。
そんな千代と対照的なのが、とあることで秘書軍団と関わったことから仲間入りを志願した末っ子キャラの七菜(広瀬)。あまり仕事ができるわけではないが、その天真爛漫な人柄から数々の情報を聞き出してしまう。ドジを繰り返し、怒られることもしばしばだったが、千代の仕事ぶりにプロ意識を感化されて次第に成長。最終回では、仲間たちが動きを封じられるなか、"最終兵器"として活躍するなど見せ場を作った。

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"悪女"というこれまでのイメージを覆したのが菜々緒だ。彼女が演じた不二子は警視庁の警務部長秘書で、男社会の中で軽んじられながらも、必死に食らいつこうとする正義の女性だ。武闘派メンバーとしてのクールな魅力を振りまく一方で、世の中の理不尽さに傷つき、時には涙を流すなど、これまで菜々緒が演じてきた女性像よりもさらに踏み込んだ姿が新鮮だった。
またシム・ウンギョンは、大学病院の病院長秘書でハッカーとしてチームを支えるサラン役で日本の連ドラ初出演を果たした。清廉潔白さと内に秘めた意志の強さを感じさせるような存在感を発揮。終盤では諸悪の根源であるラスボスの粟田口(岸部一徳)に近づくという、物語を動かす重要な役割を担った。

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大島扮する都知事秘書の三和は、裕福だが崩壊した家庭に育ち人知れず闇を抱えた人物。複数の言語を操る華麗な一面の一方で、生きづらさや寂しさを明るく振る舞うことで心の内をごまかすことも...。そんな三和が仲間とぶつかり合うことで徐々に本心を表に出せるようなっていく様子を大島が繊細に体現した。
この5人を支えたのが2人のベテランだ。室井が演じた五月は家政婦&元秘書としてターゲットの周辺に潜り込むキャラクターであり、コミカルな雰囲気をもたらす母親的な存在感を発揮。江口が扮するのは秘書たちが集まるラーメン萬の店主で、実は秘書軍団の元締めという萬。謎めいた過去を持つキャラクターを、優しくも貫禄のある雰囲気とともに演じ、作品を引き締めてみせた。

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抜群のチームワークを見せるこの7人。劇場版では、私腹を肥やすためなら手段を厭わない過去最大の敵・九十九ファミリーに挑んでいく様子が格段にアップしたスケールで描かれていく。映画の公開に先駆けて、散り散りになっていた7人が再結集し、詐欺グループに立ち向かうSPドラマ「七人の秘書スペシャル」もオンエアされるなど盛り上がりを見せる「七人の秘書」。原点となるドラマ版で改めてその魅力を確認しておきたい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
七人の秘書
放送日時:2022年10月6日(木)13:10~
※毎週(月)~(木)13:10~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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