広瀬アリスの振り切ったコメディエンヌっぷりが最高!ドラマ「探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り」

雑誌モデルを皮切りに芸能活動をスタートさせ、現在は女優として活躍している広瀬アリス。整った目鼻立ちに加え、表情豊かな演技が持ち味で、昨年放送のドラマ「366日」や、今年4月から放送中の「なんで私が神説教」などでも主演を務めている。
広瀬の魅力の1つとして挙げられるのが、コメディエンヌとしての才能だ。NHK連続テレビ小説「わろてんか」(2017~2018年放送)での演技を始め、ドラマ版「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」シリーズ(2015年放送ほか)で共演した西田敏行も、「アリスちゃんは最高なコメディエンヌだね!」と語っていたという。
そんな広瀬のコメディエンヌぶりを堪能できる作品が、人気小説を原作とした痛快コメディ・ミステリー「探偵が早すぎる」シリーズだ。

広瀬が演じるのは、遺産相続に関わるトラブルで命を狙われる女性・十川一華。そして一華を狙う悪党が仕掛けたトリックを事前に解明して防ぎ、同じトリックで犯人を成敗する探偵・千曲川光を滝藤賢一が演じる。
斬新な設定と、息つく間もなく繰り広げられるコメディシーンは多くの視聴者の心を掴み、2018年放送の第1シリーズに続き、スペシャルドラマ「探偵が早すぎる スペシャル」(2019年放送)や、配信ドラマも制作された。ここでは2022年放送の第2シリーズ「探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り」における広瀬について見ていきたい。
■広瀬アリスの幅の広いコメディエンヌっぷりに夢中になる!

第1シリーズで大学生だった一華は、本作では社会人となり、化粧品会社の研究所で働いている。第1話の冒頭、一華は会社からの帰宅途中に何者かに後をつけられる。不安げな面持ちで足を早めるも、得体の知れない人物に肩を叩かれ、恐怖に歪みつつもどこかユニークな表情を披露する。結局、肩を叩いたのは一華の面倒を見ている家政婦の橋田政子(水野美紀)だったのだが、表情や動作はもちろん、セリフの速度や抑揚などを含めて、広瀬は冒頭から存分にコメディエンヌな姿を見せてくれる。
その振れ幅も大きく、例えば第2話で会社の食堂にいる時、同僚とメッセージのやり取りをして1人悶える姿などは、可笑しいと同時に愛らしくもある。また第3話のバーでのシーンで、千曲川が頼んだパスタの側にハバネロの瓶を見つけた時には、完全にギャグに振り切った顔となる。一口に"コメディエンヌ"と呼んでしまうのはいい意味でもったいないくらい、表情と空気が豊かなのだ。
本作の公式サイトで広瀬は、これまでの撮影に関して「真剣にふざけて大笑いしていることが多い」と語っている。本作でもそれは同じで、第6話で千曲川と橋田が野球のサインでやり取りするシーンなど、広瀬が演技ではなく"素"で笑っていると思われるところもある。そういったシーンを見るにつけ、広瀬や滝藤、水野ら俳優陣が楽しんでいるのが伝わってくるし、だからこそ広瀬のコメディエンヌぶりも突き抜けて発揮されているのだろう。
■シリアスも、恋する乙女も完璧!広瀬アリスの際限のない演技力は必見

また、本作では"恋する乙女"を演じる広瀬を見ることもできる。相手は会社の先輩の大谷和馬(塩野瑛久)と、一華がひょんなことから遺産を相続することになった美津山家の美津山宗介(萩原利久)。一華を守るはずの千曲川が倒れ、美津山に「俺がなんとかするから」と言われた時には、不安げな眼差しから安心した笑顔になる。また大谷とのデートのシーンでは、一点の曇りもない笑顔を見せる。
コメディエンヌにとどまらず、シリアスだったり、切なかったり、恋に輝いていたりと、広瀬が演じる一華は際限がないほど感情と表情が豊かで、見ていて楽しくなってしまう。
物語は美津山家の相続トラブルに始まって、ダークウェブでの殺人依頼、そして一華を狙う黒幕の正体など、さまざまな展開を見せる。広瀬はもちろん、W主演の滝藤、完全無欠の家政婦を演じた水野らの演技にも注目しながら、ぜひ本作をラストまで楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
探偵が早すぎる スペシャル
放送日時:2025年6月29日(日)10:40~
探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 一挙放送
放送日時:2025年6月29日(日)12:20~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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