白石麻衣が新聞記者役として多くの謎の真実を追う!それぞれの想いの中を駆け抜けた連続ドラマ「漂着者」

乃木坂46の1期生として歌にモデルにCMにと活躍し、トップアイドルして注目を浴び続ける「まいやん」こと白石麻衣。2020年に乃木坂46を卒業したのちは本格的に女優として活動を始め、ドラマや映画に次々に出演、着々とキャリアを積み重ねている。
白石が乃木坂46を卒業後に、初めて連続TVドラマに出演した作品が2021年放送の「漂着者」だ。秋元康が企画、原案を担当し、主演はイケメン俳優として名を馳せる斎藤工。ほかにも船越英一郎や生瀬勝久、リリー・フランキーといった著名な俳優が出演している話題作だ。
白石が演じるのは、半年の間に5人の犠牲者を出した女児連続殺人事件を追う新潟北陸新聞社会部の敏腕記者・新谷詠美。かつて警察の不祥事を暴いたこともあり、刑事を待ち伏せし直撃取材を敢行するなど、物おじしない性格の持ち主だ。

(C)テレビ朝日
物語は、3人の女子高生が海岸に打ち上げられた全裸の男性を発見するところから始まる。斎藤が演じるその男性は、全ての記憶を失っていて、女子高生たちから「ヘミングウェイ」と名付けられ、彼女らがアップしたSNSで注目を集めるようになる。
そして彼が無意識のうちに書いた何枚かの絵のうちの1枚が、その時行方不明となっていた女児の居場所に酷似していたことから、ヘミングウェイは予知能力者ではないかと話題になる。新谷もヘミングウェイに興味を持ち、接近する。

(C)テレビ朝日
ヘミングウェイはどこから来たのか、彼が持つ不思議な能力は本物なのか? 彼の出現を待ち望んでいた者、排除しようとする者が現れ、奇怪な殺人事件や女児誘拐事件も次々に発生するなど、物語は多くの謎を含みながら、複雑に絡み合い展開していく。そんな中にあって新谷は、自身の重い記憶さえ優しく包むヘミングウェイに惹かれていく。
さまざまな事件に翻弄されながらも新聞記者として真実を追い続ける新谷という人物を、白石は自然な演技で体現してくれる。第1話でヘミングウェイに「詠美」と下の名前で呼ばれ、自分の記憶を見つけてほしい、と言われた時は、ヘミングウェイに心を開き、彼を守りたいという想いが伝わる秀逸な表情を見せる。

(C)テレビ朝日
ヘミングウェイの婚約者を名乗る女性と相対したときにはトゲのある空気を発しているように感じられるし、侵入者に襲われた時は目を見開き、恐怖の中にいることを印象付けてくれる。暗い展開が多いストーリーのため、眉根を寄せる表情も多いが、ヘミングウェイと語り合うシーンのイキイキとした表情や柔らかな笑顔には、ついホッとさせられてしまう。
また、物語の終盤で戸塚純貴が演じる刑事・野間健太を新谷が一喝するシーンでは、自らも悲しみと不安を抱えながら、野間を励ます新谷の強さが感じられる印象的なシーンとなっている。
淡々とした口調のヘミングウェイ、口数も手数も多い生瀬勝久演じる刑事・柴田俊哉ら、濃い登場人物の中にあっても、白石の演技は要所で存在感を発揮していると言えるだろう。
今年4月には声優デビューを果たし、ますます活動の場を広げていく白石麻衣。これからも女優の道を歩み、進化し続けるであろう彼女の軌跡として、この「漂着者」をぜひ一度ご覧になって欲しい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
漂着者
放送日時:2022年10月14日(金)21:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
こちら