かつては「涙の女王」と言われたパク・ミニョン、ラブシーンよりも「親密」なヨン・ウジンとの心が震える名場面

9月より韓国で放送がスタートした主演ドラマ「月水金火木土」で見せる完璧主義のヒロインが話題を集めているパク・ミニョン。パク・ソジュンと共演した「キム秘書はいったい、なぜ?」(2018年)などでのキュートな姿から"ラブコメの女王"と言われる彼女だが、デビュー初期には"涙の女王"として注目を浴びた時代があった。そんなミニョンの美しい涙が印象的なロマンス史劇と言えば、「七日の王妃」(2018年)だ。
10月31日(月)よりKNTVにて一挙放送される本作は、稀代の暴君"燕山君"として知られるイ・ユン(イ・ドンゴン)と、その義母弟で後の第11代王となる"晋城大君"ことイ・ヨク(ヨン・ウジン)という、対立する"2人の王"に愛されるヒロイン・チェギョン(パク・ミニョン)の悲しい運命を描くラブスト―リー。傷つき、涙を流しながらも真実の愛に誠実に生きようとするチェギョンの姿に、多くの視聴者が涙した韓国歴史ロマンスの名作だ。

Licensed by KBS Media Ltd. (C) 2017 KBS. All rights reserved
パク・ミニョンの出世作と言えば、男装ヒロインを演じた時代劇「トキメキ☆成均館スキャンダル」(2010年)が有名だが、実はそれよりも前に、涙の演技で注目を集めてきた。BIGBANG(ビッグバン)によるバラードの名曲「HARU HARU」(2008年)のMVに出演しており、大きな瞳を潤ませたミニョンの涙が大きくフォーカスされている。K-POPファンの間でも"とにかく泣ける"と評判の高い楽曲の魅力とも相まって、「あの女優は誰?」と当時大きな反響を呼んだのだ。
その後も、「ヒーラー ~最高の恋人~」(2014年)や「リメンバー〜記憶の彼方へ〜」(2015年)といったロマンス作品で見せる、美しい涙が物語を盛り上げてきたミニョン。そんな彼女がヒロインを演じた「七日の王妃」は、僅か7日間で廃位された悲運の王妃・端敬王后(タンギョンワンフ)の史実がモチーフとなっているだけあって、悲しく、切ない展開が続く。
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良家の1人娘・チェギョンは、王子の身分を隠して街に出ていた少年・ヨクと出会い、互いに惹かれ合う2人はやがて結婚の約束を交わすようになる。そんなある日、燕山君の逆鱗に触れたヨクは、チェギョンを庇い、王子の座を廃されて流刑地に送られてしまう。
それから5年後。自分を陥れた義母兄の燕山君への復讐を誓い都に戻ったヨクは、チェギョンと再会を果たすが、自分が死んだことになっているため、別人を装い彼女を冷たく突き放す。深く傷ついたチェギョンがヨクの墓の前で「恋しい」と号泣するシーンでは、幼い子のように両手で涙をぬぐって嗚咽するミニョンの涙の演技が胸を打つ。
すれ違い続ける2人の姿が涙を誘う中で、さらに視聴者の心を揺さぶるのが、再び心を通わせ合う、チェギョンとヨクが過ごす束の間のひと時だ。
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目の前にいる男こそ、自分が恋い焦がれ続けてきたヨクだと確信したチェギョン。2人の間にかつての打ち解けた関係性が戻ってくるが、ある日チェギョンはヨクの体に刻まれた深い傷痕を目にし、ヨクが自分を守るためにどんなに辛い経験をしたかを知ってしまう。
「もう治った」と傷痕を隠そうとするヨクだが、チェギョンの溢れる涙は止まらない。目を閉じたまま彼の傷痕にそっと指先で触れて「美しかった少年がなぜ、こんなふうに...」とヨクのために涙を流し、壮絶な過去を癒し慈しむように、彼の剥き出しの背中に頬をうずめる...。
ヨクへの変わらない愛情が、傷痕を目にして一気に溢れ出すこのシーン。ミニョン演じるチェギョンの、ヨクに対する愛おしさが痛いほど伝わり、胸を打つ。そして、その愛情を黙って背中で受け止めるヨク。野性的な魅力を放つヨク役のヨン・ウジンの鍛え上げられた上半身も見事と言うほかなく、直接的なラブシーンでこそないが、心の奥底で固く結ばれる2人の関係性が如実に表れた屈指の名場面と言えるだろう。
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ラブコメ女王としての魅力が花開いた「キム秘書はいったい、なぜ?」の1年前に、「七日の王妃」で見せた涙の演技で多くの視聴者の胸を打ったミニョン。再び結ばれたヨクとチェギョンが辿る結末、燕山君との因縁の三角関係...など、絡まり合った糸がどのように回収されていくのか...?気になるその行方と共に、彼女の振り幅の大きい演技力にじっくり浸ってみてはいかがだろうか。
文=酒寄美智子
放送情報【スカパー!】
七日の王妃
放送日時:2022年10月31日(月)15:30~
※毎週(月)~(金)15:30~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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