金城武主演映画の「元ネタ」の連ドラ版！チャオ・ルースーがロマンチックに体現する「実年齢18歳差」の恋模様

ブロマンス時代劇や激甘なラブコメなど、多様なジャンルが次々に上陸し、日本でもその人気が急上昇している中国ドラマ。見目麗しいイケメン俳優たちはもちろん、ディリラバやバイ・ルー、SNH48出身のジュー・ジンイーら顔面偏差値の高いヒロインも注目の的だが、中国で人気No.1のコメディエンヌと言えば、今年11月に24歳になるチャオ・ルースーだ。

中国では"国民の初恋"として親しまれ、「花の都に虎(とら)われて～The Romance of Tiger and Rose～」(2021年)などのラブコメ時代劇も人気を呼んでいる彼女だが、そのチャーミングな魅力に溢れた現代劇としてオススメしたいのが、「2人はスパイシー＆デリシャス」(2019年)だ。

日本でも未だに高い知名度を誇る国際派俳優、金城武主演の映画「恋するシェフの最強レシピ」(2017年)の原作小説が、新たに連続ドラマ版として生まれ変わったことで話題を博した本作。

「三千鴉の恋歌」(2020年)を筆頭に、これまで数々のヒット作を生み出す人気女優チャオ・ルースー主演ということもあり、中国では配信開始2日間で再生回数2億回を突破するという爆発的ヒットを記録。ちょっとドジだけれど天才的な料理の腕前を持つ見習い料理人 グー・シェンナン(チャオ・ルースー)と、食に異常なこだわりを持つホテル経営者 ルー・ジン(リン・ユーシュン)が織りなす年の差ラブストーリーも、映画版と同様、圧倒的な支持を集めた。

映画版では、金城演じるグルメな不動産王・ルーが見せるクールな渋みと、18歳年下の天才女性シェフ・ションナン(チョウ・ドンユイ)に翻弄されまくるチャーミングさとのギャップが、女性ファンの心をときめかせたが、ルースー＆ユーシュンの連ドラ版も負けてはいない。

「長安二十四時」(2019年)や「倚天屠龍記～乱世に煌めく愛～」(2019年)で知られ、今年10月23日(日)には42歳を迎える実力派のユーシェンが、本作でもその渋い存在感を存分に発揮。切れ長でサドっぽい目元、薄い唇に沿って整えられた口ひげに、仕立てのいいスリーピースがピタリとはまり、渋味のある"イケおじ"感を演出。料理に厳しい評価を下す、クールなボスの威厳を存分に見せつける。

そんなユーシェンが体現するルー・ジンが、ひと回り以上も年下のシェンナンに振り回される姿はキュン必至。彼女に潤んだ瞳で見つめられてポーッとなったり、頼られれば張り切りすぎて空回りしたり...。クールな見た目からは想像もつかないほど恋にのぼせ上がる姿をチャーミングに演じている。

そして、ユーシェンのラブコメ演技に説得力を与えるのが、ルースー演じるシェンナンの愛らしいキャラクターだ。「鳳囚凰～陰謀と裏切りの後宮～」(2018年)でドラマデビューするや、瞬く間に人気女優の仲間入りを果たした彼女が、実年齢18歳差の実力派を相手に元気でお茶目でおっちょこちょいなヒロインを嫌味なく演じている。

シェンナンの魅力をよく表しているのが第1話、間違えてルー・ジンの愛車にイタズラしてしまったシーン。2人が初めてまともに会話を交わす場面だ。

親友を泣かせた男に復讐するつもりが、間違えてジンの愛車に小麦粉をまき散らし、その現場をジン本人に目撃されてしまったシェンナン。色っぽい眼差しでシナを作り、色仕掛けでその場を切り抜けようとするが簡単に見破られてしまい、それならばと屈託のない笑顔で「私が悪かったです～」と開き直って逃げようとする。くるくると鮮やかに変わる表情はどの瞬間も超キュート！車にイタズラされながら、そのプルプルさせた唇に不覚にも心奪われてしまったジンには、同情するほかない。

さらに、シェンナンが作る料理の"シズル感"も作品を彩る大きな魅力の1つ。パラパラに炒められ黄金に輝くチャーハンに、トロリと蕩ける半熟卵の黄色が鮮やか。心もお腹も満たされる最高にスウィートな恋物語――思う存分召し上がれ！

文＝酒寄美智子