WayV(威神V)の「本物の兄弟」のような絆も...K-POPファンの心を惹きつける韓国リアリティ番組の奥深さ

K-POPアイドル好きなら欠かすことのできない"リアリティ番組"。2015年8月から休止を挟みつつも続いているBTSのリアリティ番組「Run BTS！」のように、人気グループの素顔が楽しめる冠リアリティはこれまで数多く制作され、高い支持を獲得してきた。

他にも、少女時代やSUPER JUNIOR、EXOなど、単独の冠リアリティはグループの数だけ存在し、ファンとグループを繋ぐ重要なコンテンツとなっているケースも少なくない。そんな中、昨年韓国で配信され大きな反響が集まったリアリティ番組が、「私たち家族になりました」。キャリアや事務所が異なる様々な韓国のアイドルスターたちが"疑似家族"となり、本当のファミリーのように強い絆で結ばれていく...という一風変わった企画が大きな注目を集めた。

3組の"仮想の家族"が、一つ屋根の下で特別な時間を過ごす様子を映し出す同番組。1組目は、「椿の花咲く頃」(2019年)で知られる"国民の甥っ子"キム・ガンフンと、その3人の伯父として、godのソン・ホヨン、BTOBのウングァン、THE BOYZのヒョンジェが登場。見る者の心を和ませる微笑ましい共同生活を展開させる。

2組目は、中国を拠点に活動を展開するWayV(威神V)のメンバー、シャオジュン、ヤンヤン、ヘンドリーの3人が"弟"となり、実生活でも弟の面倒を見てきたというWonder Girls出身のユビンが彼らの"姉"として生活する姉弟ファミリー。ざっくばらんでラフな態度を見せつつも、お互いを思いやる姿に目を惹きつけられる。

3組目は、SUPER JUNIORのイェソン＆PRISTIN出身のイム・ナヨンが姉夫婦、AB6IXのイ・デフィ＆IZ*ONE出身のカン・へウォンが妹夫婦というアイドル夫婦ファミリーだ。共同生活に先立って、それぞれのカップルが初々しくペアリングを交わす胸キュンの挙式シーンもあり、トップアイドル同士の"リアルな結婚"の様子は大いに話題を呼んだ。

3組の家族の共同生活は、いずれも普段の活動では見られない表情やリアクションに溢れているが、とりわけ貴重な一面を覗かせているのがWayVの3人。初めて家を訪れるシーンは、普段のクールなステージとはギャップを感じる少年のようなはしゃぎようで、「宿舎よりいいよ！」と冗談も飛び出す。"姉"のユビンとも次第に距離が縮まっていき、4人で机を囲んでミニゲームをするシーンは息ぴったりで本物の姉弟のよう。

他にも、耳付きのキュートなヘアバンドを4人お揃いでつけたり、真剣に料理をしたり、ふざけ合って爆笑したかと思えばお互いを気遣ったり...と、ここでしか見られない素のシーンが盛りだくさんだ。

3組目のアイドル夫婦ファミリーも、この状況下でしか見られない彼らのナチュラルな表情が満載だ。イェソン＆イム・ナヨン夫婦が新居を訪れると、既に家の中にいたイ・デフィ＆カン・ヘウォンと鉢合わせる。イ・デフィが「ここが僕たちの家だと言われて...」と言うと、状況が理解できないイェソンも呆然とした表情を見せる。

そして、大先輩を前にかしこまるデフィに、一方のイェソンは「同世代のアイドルの感じでいこう。(スーパー)ジュニアだから」とユーモアも交えて声を掛け、緊張を解きほぐしていく。一緒に暮らし始めた記念のバーベキューパーティーでは、デフィに火起こしを教える義兄・イェソンの得意気な表情や、時間を追うごとに仲が深まっていく男同士の友情も注目だ。

番組には、2AMのチョグォン、ASTROのユンサナ、IZ*ONE出身のイ・チェヨンら豪華ゲストも登場し、多彩なファミリーの共同生活を盛り上げる。初めはそれぞれの関係に戸惑いつつも、素敵な時間を共有していく3組の家族のストーリー...どこまでが"疑似"で、どこまでが"本物"の感情なのか？時にその境界線が曖昧に映るほど、強い絆で結ばれていく過程に注目してほしい。

文＝川倉由起子