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2022/11/02

チョ・ジョンソク&ユナ(少女時代)がキレキレの演技!「EXIT」で発揮した抜群のバディ感と人間味

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「EXIT」(ザ・シネマ)
「EXIT」(ザ・シネマ)

ここ最近、ハイレベルな名作を生み出している韓国映画界。特に2019年はアカデミー賞に輝いた「パラサイト 半地下の家族」はもちろんのこと、歴代興行収入1位を記録したクライムコメディ「エクストリーム・ジョブ」(2019年)などのエンタメ作品でもヒット作が次々と誕生した。

2019年に公開された「EXIT」もそのうちの1本。韓国で観客動員数が940万人を超える大ヒットを記録したエンタメ作品で、突如発生した有毒ガスから命綱なしで超高層ビルを伝いながら逃げるというハイテンションなパニックムービーだ。

チョ・ジョンソクとユナ(少女時代)がハマり役で熱演した「EXIT」
チョ・ジョンソクとユナ(少女時代)がハマり役で熱演した「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

大ヒットエンタメ作「ベテラン」(2015年)を手がけたリュ・スンワン監督が製作に名を連ねており、「タワーリング・インフェルノ」(1974年)を彷彿とさせるような高層ビルでのパニック劇をベースに、「スピード」(1994年)のような極限の状況下での恋愛要素、さらにドローンを使用した展開など、現代的なアプローチも盛り込まれた快作となっている。

その主人公となるのが、就職に失敗し、いい歳をして実家で暮らす無職の青年・ヨンナムと、彼の母の古希を祝う会場で働く大学時代の後輩・ウィジュ。数年ぶりの再会を喜んだのも束の間、街で起きた有毒ガスパニックに取り残された2人は、山岳部時代のスキルと知恵を駆使しながら、ビルを伝って上へ上へと逃げていく...。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

ヨンナムを感情豊かに演じているのがチョ・ジョンソクだ。もともとミュージカルからキャリアをスタートさせ、映画やテレビに進出すると、「建築学概論」(2012年)の主人公のボンクラな友人役など、コミカルで親しみのある役どころで人気を高めていく。「賢い医師生活」シリーズでは、誠実な人柄も覚えさせるような存在感でその人気を不動のものとした。

「EXIT」でもそんな魅力を発揮。うまくいかない就職活動に不満をもらしたかと思えば、ウィジュとの再会では調子の良いウソをつくなど、キャラクターの"小物ぶり"を表現。表情や話し方に幅のある演技で、情けなくもどこかチャーミングかつ憎めない男を好演している。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

そんなヨンナムだが、ガスパニックになれば周囲を救うべく命の危険も顧みず行動する男へ変身。叫び声を上げながら必死に壁をよじ登ったり、自分たちを助けに来たヘリを泣きながら他人に譲ったり...と、不格好ながらも人間味のあるヒーロー像はジョンソクの雰囲気にピッタリとハマっている。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

ウィジュを演じているのは本作が映画初主演となった少女時代のユナ。視聴率40%超の大ヒット作「君は僕の運命」(2008年)での快活な演技をはじめ、「シンデレラマン」(2009年)、「ラブレイン」(2012年)などでも賞を受賞するなど役者として高く評価されてきた。さらにスクリーンデビューを飾った「コンフィデンシャル/共助」(2017年)の続編「共助2:インターナショナル」が現在韓国で大ヒット中と、映画でも興行クイーンとして存在感を放っている。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

今作ではウィジュ役を持ち前の美しいルックスを活かして凛々しく体現。名ばかりの副店長という立場や、何かと言い寄ってくる鬱陶しい店長の存在など、職場環境に辟易しながらも客のために自らが犠牲になることを厭わない高尚さが滲み出ている。一方で、ヨンナムと2人になれば「本当は助かりたかった」と子どものように泣きわめく弱さも見せるなど、感情の高まりを赤裸々に浮かび上がらせていた。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

キャラクターを生き生きと演じている2人が、撮影の数ヶ月前からロッククライミングのトレーニングをこなして挑んだというアクションも見応え抜群。体の使い方はもちろん、実際に建てられた大規模なセットでの恐怖に怯えるリアルな表情まで、映画に説得力をもたらしている。

また、過去に一悶着あったが付かず離れずの2人の微妙な距離感が近づいていく様子も巧みに表現。互いを励まし合うような眼差しや、リードし合いながら即座に状況を切り抜けていく姿など、信頼が感じられる息ピッタリの演技は思わず応援したくなってしまう。

「EXIT」
「EXIT」

(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

随所に笑いも盛り込まれたテンポの良いパニック映画ならではのキレと、それでいて観客を置いてけぼりにしないキャラクターの感情をすくいとった100点満点な演技を見せているジョンソクとユナ。うだつの上がらない日々を過ごす人物たちが、一世一代の状況でたくましく成長していく様は感動的ですらあり、改めて韓国映画のクオリティの高さを存分に味わうことができるはずだ。

文=HOMINIS編集部

放送情報

EXIT
放送日時:2022年11月14日(月)23:30~ ほか
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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