池田エライザ×阿達慶「リライト」尾道を舞台に描く、青春とタイムリープの切ない交差
1月期のドラマ「DREAM STAGE」でアイドルグループ「NAZE」のマネージャー・遠藤水星を演じている池田エライザ。俳優のみならず、モデルや映画監督、写真家としても才能を発揮し、注目を集めている。
そんな池田が2025年に主演を務めたのが、タイムリープ×青春ミステリー映画「リライト」だ。
"SF史上最悪のパラドックス"として話題を呼んだ法条遥による小説を原作に、"時間SF"を得意とする脚本家・上田誠と、「ちょっと思い出しただけ」や「#ハンド全力」など青春映画に定評のある松居大悟が初タッグを組んで映像化した同作。大林宣彦監督の「時をかける少女」へのオマージュも込めて、広島県の尾道でロケを敢行したという。
物語の主人公は、図書委員で本好きの石田美雪。池田は高校時代の美雪と、10年後の作家となった美雪を見事に演じ分けている。美雪が恋に落ちる転校生で、未来人でもある園田保彦を演じたのは、舞台でも活躍中の阿達慶。数々の風鈴が揺れる高台にある寺で、保彦がタイムリープするきっかけになった1冊の小説について語るシーンや、夏祭りで花火を一緒に見るシーンなどは、青春映画そのもの。しかし、物語は想像もつかない方向へと動き出していく...。
美雪のクラスメイトで頼れるリーダー的存在だった酒井茂役に倉悠貴、ある出来事がきっかけで美雪と疎遠になった文学少女・雨宮友恵役に橋本愛が出演している。
自身も子供の頃から本を読むのが好きで小説を書いていたという池田と、オーディションで役を勝ち取って映画初出演を果たした阿達。2人の芝居に尾道の美しい景色も相まって、ノスタルジックな日本の夏へとタイムスリップさせてくれる作品だ。
■10歳の年齢差をまるで感じさせない池田と阿達の共演
(c)2025『リライト』製作委員会
高校3年生の7月、図書室にいた美雪の前にどこからともなく現れた保彦。彼は自分が未来人だと美雪に打ち明け、飲むと10年後にタイムリープできるというカプセルを渡して、「いつか大事な人を救えるかもしれない」と意味深な言葉で美雪を困惑させる。秘密を共有することで美雪は保彦に惹かれていき、放課後を2人で過ごすようになる。初めてロープウェイに乗って怖がったり、保彦を見つめて笑顔を見せたり、美雪を演じる池田はキラキラした季節の真っ只中にいる高校生になりきっている。表情や仕草のみならず、制服の後ろ姿や髪型から瑞々しさが漂っている。
一方、当時17歳だった阿達は涼しげで浮世離れした雰囲気を漂わせており、平和とは言い難そうな未来の地球について語る時も淡々としているため、"2311年からやってきた未来人"という設定に自然と溶け込んでいる。そして、煌く夏もつかの間、先のカプセルが必要となる危機に直面し、10年後にタイムリープした美雪は未来の自分から「あなたが書いた小説」と本を見せられる...。
■大人になり、作家になった美雪を池田が抑えた演技で魅せる
(c)2025『リライト』製作委員会
後に上京し、自身が書いた小説を出版社に持ち込んだ美雪。あの夏のことを書いた処女作はボツになるものの、才能が認められて小説家デビューすることが決まる。心優しい夫と結婚生活を送っているが、"10年のタイムリミット"は迫っていた。ついに最初の小説が出版されることになった美雪は、実家に戻り、高校生だった自分が時空を超えて部屋にやってくるはずだと、かつてと同じシチュエーションで待っていた。しかし何も起きず、高校生の頃にタイムリープして知った未来と辻褄が合わなくなってしまうことに焦りを覚える。
母や夫に嘘をついて地元に留まることにした美雪は、当時のクラスメイトに再会。それと同時に東京で盗作騒ぎにも巻き込まれ、にわかには信じがたい事実が次々に明らかになっていく...。疲れきった顔や疑心暗鬼の視線を同級生に向ける美雪を演じた池田の芝居は、高校生の美雪を演じた前半とは別人のようだ。
夏祭りのデートで保彦に何かを耳元で話した茂や、友美が突然攻撃的になったあの日...。伏線が次々と回収されていく後半は怒濤かつ軽やか。青春とSFストーリーが見事に融合した同作を、池田の時を超える演技とともに楽しめる一作だ。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
リライト
放送日時:2026年3月3日(火)15:10~、3月24日(火)0:30~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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