パク・ジェチャン(DKZ)とパク・ソハムのカップリングが最高！韓国BL「セマエラ」こと「セマンティックエラー」が熱狂を呼ぶ背景とは？

2022年2月に韓国で初配信されて以来、本国のみならず、中国、台湾、日本...とアジア各国で一大シンドロームを巻き起こしているBLドラマ「セマンティックエラー」。あまりの人気急騰ぶりに、前編・後編の2部作として特別編集された劇場版「セマンティックエラー・ザ・ムービー」(前編：1月12日(金)、後編：1月26日(金)より公開)が急遽制作されたほど。そんな熱狂的なムーブメントの中心にいるのが、主人公カップルを演じたパク・ジェチャン＆パク・ソハムだ。.

劇場版の日本公開に先立ち、1月７日(日)深夜より女性チャンネル♪LaLa TVにてドラマ版がTV初放送される「セマンティックエラー」は、韓国の電子書籍プラットフォーム"RIDIBOOKS"で2018年BL小説大賞を受賞した同名小説が原作。昨年9月にはソロデビューも果たしたDKZのパク・ジェチャンと、アイドルグループ・KNK出身で今は俳優として活動するパク・ソハムで実写版ドラマが制作されると、2人が演じたメインカップルの原作との見事なシンクロぶりにファンが熱狂。爆発的な人気を集めた。

コンピューター工学科の大学3年生チュ・サンウ(パク・ジェチャン)は、日々寸分の狂いもなく規則的なスケジュールをこなす完璧主義者。ところが、そんな彼の日常は、デザイン科の破天荒な先輩チャン・ジェヨン(パク・ソハム)との出会いによって一変。何をするにも邪魔してくる自己中心的なジェヨンに苛立ちを隠せないサンウだったが、次第に"エラー"ともいうべき感情が生まれ、彼の規則的な日常が狂い始める。

原作に忠実に作り上げられたサンウ＆ジェヨンのキャラクターが実に魅力的。サンウは学科で3年連続トップの秀才だが、友達はおらず、周囲から「まるで想像上の動物のよう」と言われるほど振り切れた"陰キャ"だ。起床時間やモーニングルーティーンも分単位で管理した日々を送り、毎朝買う缶コーヒー、教室の席まで全て決まっているという完璧主義ぶりが可笑しい。

対するモデル並みのビジュアルを持つジェヨンは、校内イチのカリスマであり、自信過剰なモテ男。サンウに興味を持ち、お気に入りの缶コーヒーを買い占めたりお気に入りの席を先回りして奪ったり、彼の狂いのない日常に"バグ"を起こそうとちょっかいを出し始める。そんなジェヨンに女友達が言う「今のあんたはね、好きな子をいじめてるガキよ」というセリフが、言い得て妙だ。

最低最悪の出会いをした2人の距離がグッと近づくのが、第3話の飲み会シーン。居酒屋で友人たちと飲んでいたジェヨンは、偶然、講師に連れてこられたサンウと遭遇。酒癖の悪い講師が不愛想なサンウに腹を立てて暴力をふるおうとした瞬間、ジェヨンが助けに入り、サンウの手を取って店外へ。2人は手をつないだまま夜の街に飛び出し、そこから少しずつ関係が変化していく。

ソハムは韓国で配信された直後の2022年3月に入隊し、12月に除隊したばかりの30歳。12月6日に22歳を迎えたジェチャンとは実年齢では8歳差の開きがあるが、歳の近い先輩・後輩役も全く違和感なし。むしろ後輩にちょっかいを出す先輩と、そんな強引な先輩を鬱陶しがる後輩という学生ならではの距離感がリアルで、原作の雰囲気にぴったりとハマっている。衝突し合いながらも互いに意識しまくりで、それがやがて恋へと変化していく過程の生々しさがまた絶妙で、「2022 APAN Star Awards」ではベストカップル賞も受賞した。

作品自体も高評価で、韓国動画配信サービス・WATCHAでの2022年2月の配信初日からTOPランキングで首位を獲得するなど爆発的な人気を呼び、ハマるファンが続出。遂には劇場での公開も果たし、第26回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭ではチケット予約開始から僅か1分で全上映分が売り切れになるという"伝説"も生み出し、アジア各地でも大ヒット...と、勢いはとどまるところを知らない。

韓国BLの歴史を塗り替えるほどの反響を巻き起こした「セマンティックエラー」。劇場版の日本公開を前に、メインカップル2人の愛すべきキャラと説得力あふれる"ケミ"に触れてみては？

文＝酒寄美智子