BTSメンバーの入隊により世界中から注目が集まる韓国の軍隊生活...「ロコ職人」キム・ジソクの強烈なイメチェンも話題となった「新兵2」

12月にグループ最年少のJUNG KOOK(ジョングク)を含む4名のメンバーが入隊し、BTSの全員が兵役に就いたことで世界中から改めて注目が集まった"韓国の兵役制度"。近年「D.P. -脱走兵追跡官-」(2021年・2023年)や「軍検事ドーベルマン」(2022年)といった韓国軍隊にフォーカスをあてたドラマは数多く制作されているが、中でも、社会派コメディとして異彩を放っているのが「新兵～僕は超(スーパー)VIP・ソルジャー～」だ。

「新兵」は、チャンネル登録者数359万人を誇るYouTubeチャンネル・JANGBBIJJU(チャンピチュ)の代表作で、累計再生回数2億5千万回超えのアニメーション作品。2022年に実写化が実現し原作ファンを驚かせると、リアルな軍隊ライフをブラックユーモア満載に描いたシーズン1は韓国で大バズリした。

そして、シーズン1で描き切れなかったエピソードを続編化した「新兵2～僕は超(スーパー)VIP・ソルジャー～」(衛星劇場にて1月25日(木)より日本初放送)も大反響。韓国での瞬間最高視聴率が地上波・総合編成ドラマすべての作品を抜いて月火ドラマ1位を獲得するほどのヒットとなった。

キム・ミノが演じた主人公となる"新兵"パク・ミンソクの"再現度"に加え、韓国の軍隊で実際に起こる"あるあるネタ"が詰め込まれた本作。シーズン1では、どこからどうみても軍の世界とは無縁に見える天然の新兵、ミンソクがある部隊に配属され、先輩たちから手厳しい歓迎を受けるところから物語はスタート。しかしミンソクが、実は師団長パク・チュンギュの息子だったことが伝わり、誰も手出しできない超VIPとして扱われる姿がコミカルに綴られていく。

自分の力で何かを成しえたことのないミンソクが、師団長である父親を見返すべく奮闘する物語がユーモラスに描かれる一方で、日頃の鬱憤を晴らすかのように執拗に繰り返される上等兵によるいじめなど、軍隊における厳しい上下関係も浮き彫りに。その情け容赦のない軍隊ライフの過酷さにも鋭く切り込んだリアルな描写が、韓国の"軍隊体験者"たちの支持を集め、待望の続編化に繋がった。

ミンソク役のキム・ミノを筆頭に、チョン・スンフン、イ・チュングら、シーズン1のキャスト陣が再集結したシーズン2では、二等兵だったミンソクが一等兵に。昇進すれば軍での生活が楽になると思っていたミンソクだったが、新しく赴任してきた中隊長オ・スンユンの存在によって軍隊生活の厳しさが加速...。その"鬼上司"ともいうべき新キャラ、スンユン中隊長を演じているのが、キム・ジソクだ。

もともとアイドルグループとしてキャリアをスタートさせたジソクは、182cmという抜群のスタイル＆ビジュアルの持ち主で、42歳になった今も"男前"という言葉がぴったりのイケメン俳優。そのビジュアルを生かして、「個人の趣向」(2010年)や「ロマンスが必要2」(2012年)といった正統派ロマンスで頭角を現し、俺様キャラをコミカルに演じた「トップスター・ユベク～同居人はオレ様男子～」（2018年）など多くの恋愛ドラマで存在感を発揮してきた。

そんな"ロコ(ロマンティックコメディー)職人"と呼ばれてきたジソクにとって、初めての軍人役となったのが、この「新兵2」。最強の鬼上司となるスンユン役は、これまでのような優しい表情は皆無。険しいまなざしで部下たちをしごきまくる貫禄十分の強面ぶりが新鮮だ。

さらに"獲物を見つけた"と言わんばかりに、目をカッと開いて口角を微かに上げる不気味な微笑みをミンソクに投げかけるなど、最強最悪の鬼上司というポジションを楽しむかのように嬉々として演じており、これがとても初めてとは思えないほど悪役ぶりが板についている。

「新兵」シリーズに参加するにあたって、"完璧な作品に合流することに不安を感じた"と明かしているジソクだが、訓練シーンでは鍛え上げられた肉体美を見せつけるなど、他を圧倒する怪演ぶりで、主人公かと思えるほどの重量級の存在感を放っている。何よりこれまでのイメージをぶち壊す強烈なイメチェンはまさに新境地。リアルすぎる軍隊生活とともに、その振り切った悪役演技にも着目してほしい。

文＝HOMINIS編集部