「これから先の恋」のヤン・ズー(楊紫)が体現した愛の一大叙事詩！中国で反響を呼んだ見目麗しい古層美男子との劇的ロマンス

中国版SNS・Weibo(微博)のフォロワー数が約6200万人にのぼり、中国では国民的な人気を誇る女優ヤン・ズー。天才子役として知られた彼女も30代を迎え、近年ではシャオ・ジャン(「陳情令」)と熱いラブシーンを繰り広げたドラマ「これから先の恋」(2022年)が話題を呼ぶなど、大人の魅力たっぷりの現代劇が幅広い支持を集めている。

とはいえ、国内外にその名を知らしめた代表作「霜花の姫～香蜜が咲かせし愛～」(2018年)をはじめ、長いキャリアの中で印象深いのはやはり絢爛豪華な時代絵巻。最近でも、人気作家トン・ホアの同名ベストセラー小説を映像化した壮大なファンタジーロマンス「長相思(原題) シーズン1」(3月18日(月)より衛星劇場にて日本初放送)が大きな反響を巻き起こした。

「長相思(原題)」は、一国の王姫という身分でありながら、過酷な経験から流浪の身となった小夭(ヤン・ズー)が、性別を偽り男性医師・玟小六として再起するところから物語は始まる。平穏な日々を送ろうとするが、4人の男性との出会いの中で、再び自らの数奇な運命に対峙していく様をドラマティックに描いた愛の一大叙事詩。

彼女とロマンスを繰り広げるのは、小六に命を救われ、助手となる"葉十七"こと塗山璟(ドン・ウェイ／鄧為)、小六を利用しようと近づいてくる軍師・相柳(タン・ジェンツー／檀健次)、身分を隠した謎の貴公子・瑲玹(ジャン・ワンイー／張晩意)。そして、後に王姫・小夭の婚約者となる赤水豊隆(ワン・ホンイー／王弘毅)の4人。いずれ劣らぬ見目麗しい4人の美男子たちが、それぞれに小夭を想い、身を挺して守ろうと力を尽くしていく...。

名作「宮廷女官 若曦」などで知られるベストセラー作家トン・ホアが自ら脚本を務めるとあって、配信前から期待が寄せられていた本作。その魅力は、まず何と言っても中国きってのスター女優ヤン・ズーが体現したヒロインの"二面性"だろう。勇敢で絆を重んじ、愛する者のためなら命も惜しまない王姫・小夭と、幻形術で男性の体に化けていながらも中性的な魅力で魅了する男性医師・玟小六。その相反する"2人"のキャラクターがそれぞれに魅力的で、コロコロ変わる表情も愛らしい。

そして視聴者の支持を集める大きな要因となったのが、小夭を愛し守り抜こうとする魅力的な古装美男子たちだ。

身元不明の瀕死の状態で行き倒れているところを救われ、葉十七と名付けてくれた小六の助手となった塗山璟は、優しく穏やかな"溺愛系見守り男子"。誰よりもそばで彼女に寄り添い、小六が女性だと気づいてからは、一途に愛を捧げていく。心を許し合った小夭と塗山璟がたびたび見せる、甘くとろけるキスシーンも絶品だ。

"癒しの血"を持つ小六を利用し、怪我を負うたびに彼女の血を求めに来る相柳は、冷酷だが仁義に厚い"俺様系ヤンデレ男子"。初めこそ小六に冷たく当たるが、小六の中にも自分と同じ孤独があることを知って次第に惹かれ、やがて人知れず献身的な愛を捧げ始める。

どこからかやってきた謎の貴公子・瑲玹は、冷静沈着で用心深い"策略系ツンデレ男子"。実はその正体は、小夭と強い絆で結ばれながらも幼少期に生き別れた従兄なのだが、彼自身、目の前にいる小六が愛する従妹・小夭とは気づかず、相柳と親しい彼女を警戒する。だが、小六が献身的に接するうち2人の関係は大きく変化していく。

一方、小六が小夭の身分に戻った後に婚約者となる赤水豊隆は、大義を重んじる"爽快系サポート男子"。婚礼当日に逃げ出してしまう小夭を恨むことなく、温かい友情を育み、その後も共に戦いに身を投じていく懐深い人物だ。

四者四様のロマンスが物語をドラマティックに彩り、最後は誰と結ばれるのか...その顛末に大いに惹きつけられる本作。男装ヒロインとタイプの異なる古装美男子たちが繰り広げる、壮大なファンタジーラブロマンスにどっぷり浸ってみては？

文＝酒寄美智子