リー・イートンとビー・ウェンジュンの新しい魅力に注目！ミステリーラブ時代劇「想いの温度差～九霄寒夜暖～」を華流ドラマライター・沢井メグが語る

リー・イートンとビー・ウェンジュンが共演する中国時代劇ドラマ「想いの温度差～九霄寒夜暖～」の本放送が、女性チャンネル♪LaLa TVにて5月22日(水)よりスタートする。
中華圏ドラマに詳しいライターの沢井メグさんに、本作の見どころと俳優陣の魅力について語ってもらった。

■寒がり女子と暑がり男子による、初々しいラブと本格ミステリーが展開

生まれつき寒さに弱い体質を持ちつつ、正義感が強く頭の良い漢族の捜査官・蘇玖児(そきゅうじ／リー・イートン)は、ある事件で体温が高く驚異の身体能力を持つ祺族の王子・寒猙(かんそう／ビー・ウェンジュン)と出会う。寒猙に触れるとなぜか体力が戻ることに気付いた玖児はどうにかして彼に触ろうとし、寒猙はそんな玖児に戸惑う。やがて2人は数々の難事件を解決していくことに。

「このドラマは、ラブとミステリー、二つの見どころがあります。ラブの部分は、互いに好意を持っているのに、はっきりとは自覚していないというような、すごく初々しくて、もどかしい恋というのがかわいらしく描かれています。一方、ミステリーはポスタービジュアルからは想像できないほど本格的。ラブな部分とギャップを感じるくらいです。事件について視聴者が一緒に追いかけていく形が、ミステリー初心者でもとても見やすく、登場人物たちと一緒にハラハラドキドキが楽しめます」

■リー・イートンとビー・ウェンジュンら俳優陣が新境地を見せる

中国でオンエアされたとき、主演したリー・イートンの演技評価がさらに高まっていたと沢井さん。

「例えば、過去作の『剣王朝～乱世に舞う雪～』では物静かで感情を抑えた女性でしたし、『大唐流流～宮廷を支えた若き女官～』では素直なお嬢さんという感じの女性でした。今回演じた玖児は、捜査においては周囲が舌を巻くような力を持っているけれども、性格は明るくて年相応の屈託のなさがある、かわいらしい女の子で感情表現も豊か。リー・イートンは割とベテランの域に入る俳優さんですが、こんなにも愛らしい少女の役もこなせるのだと、また新しい魅力をご覧いただけると思います」

一方、相手役のビー・ウェンジュンについては「本作では獣型になるファンタジックな存在なのですが、彼の異次元ともいえるスタイルの良さと、元々持っているミステリアスな雰囲気が役柄にマッチしています。また、物語の前半は割と"ツン"で、玖児とバディーを組んでからどんどん"デレ"が出てきます。とてもクールな顔立ちなのでツンの演技はデビューのときから様になっていましたが、キャリアを重ねたことでデレ演技に磨きがかかったなと思います。すごく甘い気分になりますよ」と語る。

そしてこの2人と共に沢井さんが目を奪われたのが、漢族の皇室の次男、文駿(ぶんしゅん)を演じたチェン・ホーイーだ。

「中国ドラマでは、主人公の男女カップルに2番手男子という3人を中心に物語が展開するのが一つの定番となっています。この2番手男子がどんなキャラかで、物語の面白さ、特にラブの部分が大きく変わります。本作の2番手男子である文駿は、善良なヘタレ王子で、玖児のことが好きなんだけれども、かといって寒猙を嫌うわけでもなく、3人で捜査のチームとなっていく、すごくいい人。でもだからこそ、いざというときに見せるりんとした王子らしいところが際立ってかっこいいとも思いました。演じたチェン・ホーイーは、2019年デビューでまだ新人といえます。しかも、中国の俳優さんは演劇系の大学を出るなどした方が多い中、TikTokでバズってスカウトされた新しいタイプの俳優。まさに伸び盛りというところですが、印象に残るいいキャラクターを演じられたことで、非常に今後が楽しみになりました」

■丁寧な描写から物語の核心に迫る吸引力がすごい

沢井さんによれば、現在の中国エンタメ界ではミステリーと古装劇(こそうげき)といわれる主人公たちが古代の衣装を着た時代劇を掛け合わせた作品の人気が続いているという。本作でも玖児のキリッとした仕事着と対照的なキュートな普段着、ビー・ウェンジュンが抜群のスタイルで着こなす様子が魅力だ。中国ドラマらしいアクションシーンがある中で、玖児が寒猙に連れられて空を飛ぶところは衣装の美しさを堪能できると沢井さんのお気に入りのシーンでもある。

「ミステリーの部分として、それぞれ数話ずつで一つの事件を解決していくパターンですが、それらを追っているうちに気が付いたら物語の神髄にググッと引き込まれ、脚本としてうまいなと思いました。初めの2話は話がスローテンポに感じるかもしれませんが、ここで丁寧に背景を説明しているので、その先の展開を楽しむことができます。全36話ならではのボリュームを使っただけの細かな描写と面白さがあります。序盤からかわいらしいシーンもいっぱいあるので、きっと続きをどんどん見たくなりますよ」

(プロフィール)さわい・めぐ●中国や台湾の中華圏のグルメからドラマまで幅広く手掛けるライター。取材やコラム執筆の他、ドラマ原作本の翻訳も行う。

取材・文＝神野栄子