2024/08/30
ウー・レイ(呉磊)のあどけない表情にも心掴まれる「琅琊榜」...「西湖畔に生きる」「ロマンスの降る街」と新作が相次ぐ今、見返したい名作時代劇
3歳の時にテレビCMに抜擢されてデビューし、現在24歳(1999年12月生まれ)にして芸歴20年を超える若き実力派のウー・レイ(呉磊)。中国のアイドルグループ・X NINE(X玖少年團)のメンバーとして活動していたシャオ・ジャンと共演した「蒼穹の剣」(2018年)や、トップ女優ディリラバと壮大なロマンスを演じた「長歌行」(2021年)といった時代劇で頭角を現してきた。そんな彼が15歳の時に出演し、子役のイメージを脱ぎ捨て大人の俳優へと脱皮する転機になった作品が、この「琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」(2015年)だ。
9月27日(金)からは、ウー・レイの待望の主演映画「西湖畔(せいこはん)に生きる」が日本公開を迎える。世界が称賛する俊英グー・シャオガン監督の長編2作目ということもあり、映画ファンの視線が集中。近年、「愛なんて、ただそれだけのこと」(2023年)や「ロマンスの降る街」(2024年)といったラブロマンス作品も注目を集める彼に、多くの期待が寄せられている。
9月9日(月)よりWOWOWプラスにて放送される「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」は、かの天才軍師・諸葛孔明にも見劣りしない策士ぶりが痛快な"麒麟の才子"こと梅長蘇(ばいちょうそ)による壮大な復讐劇。
舞台となるのは、南北朝時代を模した架空の国・梁。12年前に謀反の罪で壊滅させられた赤焔軍の生き残りである林殊(りんしゅ)が、林家の汚名をそそぐため、秘密結社・江左盟(江湖に生きる侠客組織)の宗主・梅長蘇として暗躍する。梁の都・金陵に潜入するべく、"蘇哲(そてつ)"と名を変えた彼が、飛び抜けた知略を活かして裏切り者たちに復讐していく物語だ。
全編にわたって伏線が張り巡らされた緻密なストーリー、手に汗握るアクション、そして登場人物たちの熱い絆が大反響を巻き起こし、2015年"中国版エミー賞"と言われる國劇盛典で最多の10冠を獲得した最大のヒット作となった。
主人公・梅長蘇をカリスマあふれる魅力で演じたフー・ゴー自身も、この作品で大ブレイクを果たした。かつての許嫁だった郡主・穆霓凰(ぼくげいおう)にも身分を隠し、大義に挑んでいく、切なくも鮮やかな復讐劇に多くの視聴者が魅了され、2015年は"フー・ゴー イヤー"ともいわれたほど。
そんな爆発的ヒットを叩き出した本作で、梅長蘇を慕い、常に行動を共にする少年護衛・飛流を演じたのがウー・レイだ。梅長蘇に危機が迫ればどこからともなく現れ、武術の心得がない梅長蘇に代わって鋭い拳や蹴りで敵を撃退させる。周囲を「このような護衛が持てるとは、(梅長蘇自身も)常人ではなかろう」と警戒させるほどの武力を持っている。
だが一方で、飛流は、大好きな梅長蘇以外の人物にはきわめて不愛想だったり、やんちゃをしてしまって梅長蘇に迷惑をかけた時、柱に頭をもたれて落ち込んだりと、ちょっぴり幼く愛嬌があるキャラクターだ。梅長蘇を慕うあまり、「帰ろうよ」「遊ぼうよ」とタメ口で甘える飛流と、そんな飛流を「言葉こそ拙いが、気のいい子だ」と可愛がる梅長蘇の関係は、まるで年の離れた兄弟のよう。
また、本作の出演をきっかけに、主演のフー・ゴーだけでなく、林殊(梅長蘇)の親友であり、君主の器量を持つ第7皇子・靖王を演じたワン・カイなど、脚光を浴びた俳優は多く、ウー・レイにとってもこの作品は、大人の俳優としてキャリアを歩み始めた"ターニングポイント"とも呼べるだろう。後に主役級スターとして中国ドラマ界を牽引することになるウー・レイの絶品アクションと、まだあどけない表情のギャップも楽しんでほしい。
文=酒寄美智子
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