田中圭が魅せる秀逸な感情表現!松本若菜主演のドラマ「わたしの宝物」
幅広い演技が高い評価を得ている田中圭。そんな田中が苦悩する夫を演じたのが2024年に放送された松本若菜主演の「わたしの宝物」だ。ドラマの題材は夫以外の男性との子供を、夫の子だと偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」。松本は罪に苦しみながら、我が子を守るために悪女になると決意した妻・神崎美羽を演じ、田中は大手商社に勤める会社員の神崎宏樹役。外では愛想のいい性格ゆえ仕事のストレスをうまく発散できず、妻に辛く当たってしまうモラハラ夫を演じた。
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本作のプロデュースを手がけたのは「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」、「あなたがしてくれなくても」の三竿玲子。夫婦のタブーに切り込むドラマの第3弾として企画され、複雑な夫の心理を表現できる力のある俳優・田中にオファーをしたという。実際、放映された当初は妻にぶっきらぼうで冷酷な態度をとる宏樹を「嫌いになった」「ひどい」などの声がSNSに相次いだが、反応が徐々に同情する声に変わっていったのも田中の人間味豊かな芝居あってこそ。親友でシングルマザーの小森真琴(恒松祐里)にすら本心を打ち明けない美羽と真実が知りたくて苦しむ宏樹の対比が夫婦のすれ違いを生み、美羽の幼なじみ、冬月稜(深澤辰哉)の自由で純粋な性格もあいまって、視聴者がやきもき。本作で田中圭が見せた深層心理まで想像させる演技とは?
■モラハラ夫を演じる田中がふと見せる表情が奥深い

仕事に追われ、飲んで帰ることが多く、美羽(松本)が起きて待っていても、鬱陶しそうな宏樹。子供がほしいと伝えても反応は薄く、私は何のために仕事をやめたのかと問いかけるも、「何不自由なく生活できてるよな」と上から目線で言い返され、高圧的な夫に美羽は萎縮し、謝ることが習慣になってしまう。一方、宏樹が妻を見る目線、表情は精神的に全く余裕がなくなっていることを物語る。変わってしまった夫婦の関係に本来の自分を見失った美羽は思い出が詰まった図書館にふらりと行き、鳥好きという共通の趣味を持つ中学時代の後輩・冬月(深澤)と再会。昔と変わらず無邪気で人懐っこい冬月に誘われ、フリーマーケットの手伝いをすることになる。何も知らない宏樹は妻が家では見せない生き生きとした笑顔で子供たちに接しているのを目撃し、ショックで声をかけずに立ち去る。何も言葉を発さないのにその表情だけで妻に当たってしまう自分を自覚しているのではないか?と想像させる田中の演技が秀逸だ。
■妻が妊娠。父親らしいことは何もしないと宣言するものの...

こっそりDNA鑑定をし、子供の父親は宏樹ではなかったと知りながら、美羽は夫に嘘をつく。冬月は美羽の妊娠さえ知らず、仕事で海外に滞在している。メインキャストの3人の中で最も不器用で自分の気持ちに嘘がつけないのが宏樹だ。会社の中で重要なプロジェクトを任されたため、自分は子育てしないと妻に宣言するものの、出産日には病院に駆けつけ、生まれた子供を見て顔をくしゃくしゃにして号泣する。そして誰にも弱音を吐けなかった宏樹の駆け込み寺のような存在になるのが喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)。浅岡の懐の広さ、的確なアドバイスを通じて視聴者は宏樹という男の本音を知ることになる。回を重ねるごとに宏樹の立ち位置に「切ない」、「かわいそう」という声が増えたのも苦悩する田中の演技がヒリヒリするほどリアルだからではないか。罪を背負う覚悟を決めた松本の母としての美しい表情とのコントラストも含め、俳優たちの演技に惹きつけられる。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
わたしの宝物
放送日時:2月10日(月)12:10~
放送チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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