アマンダ・サイフリッドが挑む新境地！「マンマ・ミーア！」とのギャップのある演技が楽しめる「ロング・ブライト・リバー」

ディストピアSF「TIME／タイム」(2011年)やミュージカルの名作「レ・ミゼラブル」(2012年)、アカデミー賞にノミネートされた「Mank／マンク」(2020年)など、数々のヒット作に出演し、端正なルックスを武器に存在感を放ってきた女優のアマンダ・サイフリッド。

特に、ABBAの名曲の数々をベースとした2008年からのミュージカル「マンマ・ミーア！」シリーズでは、主人公の娘・ソフィをチャーミングに演じブレイク。純粋で快活なイメージを築き上げた。そんなサイフリッドがこれまでとは一味異なる役どころに挑んだのが、ドラマシリーズ「ロング・ブライト・リバー」だ。

5月13日(火)からスターチャンネルにて日本初放送となる「ロング・ブライト・リバー」は、バラク・オバマ元アメリカ合衆国大統領が選ぶ"Favorite Books of the Year(今年のお気に入り本)"にも選ばれたリズ・ムーアのベストセラー小説「果てしなき輝きの果てに」を映像化。

「ゴッドファーザー」シリーズの映画化までの苦難の道のりを骨太なエンタメドラマとして描き話題を集めた「ジ・オファー／ゴッドファーザーに賭けた男」のニッキー・トスカーノがショーランナーを担当するほか、先日のオスカーを賑わせた「ブルータリスト」の脚本家モナ・ファストヴォルドが監督を務めるなど、映画・ドラマ界の実力派が集結。3月に全米プレミアされたばかりの最新話題作として脚光を集めている。

犯罪が横行するフィラデルフィアのケンジントン地区で売春婦の遺体が発見される。地元出身の警官・ミッキーは他殺を疑うが、署内はオーバードーズと事件に一瞥もくれない。しかし、遺体から致死量のインシュリンが検出され、他殺であることが判明。さらなる殺人事件が起こるなか、ミッキーは仲違いした麻薬依存症の妹・ケイシーの行方不明を知り、単独で犯人と妹を探し始めるが、次第に身の危険を感じ...。

麻薬と売春が蔓延る貧困地区での殺人事件と妹の失踪に、ミッキー自身の暗い過去も絡んでいく本作。「犯人は誰か？」「姉妹の隠された秘密とは？」というミステリー要素だけでなく、複雑な家族の事情や貧困によるドラッグの横行といった現代アメリカ社会の闇もリアルに描いている。

製作総指揮にも名を連ね作品を作り上げているサイフリッドは、主人公のミッキー・フィッツパトリックを演じており、街の女性たちを守るために一人で立ち上がるタフな一面に加えて、事件の深みにハマっていく危うさ、過去の暗いトラウマから閉ざされた心、家族の問題への葛藤...など、複雑な女性像をダークに表現している。

時に力強く、時に混乱し、そして時に怯えるような眼差しをはじめ、不和の妹に対する苦悩に満ちた表情、唯一の生き甲斐である息子・トーマスへの柔らかな態度...。難しい状況に置かれながらも必死に事件を解決に導こうとする警官を深みある演技で表現するサイフリッドの姿はまさに新境地と呼ぶにふさわしい。

モデルとしての業界デビューからアイドル女優的なポジションを経て、実力派女優へと進化をし続けているアマンダ・サイフリッド。「ブラック・ウィドー」のリメイクドラマ企画に主演することが報じられたが、今後もさらなる活躍に期待したい。

文＝HOMINIS編集部