August＆Mac(オーガスト＆マック)が好相性！義兄弟カップルの絆を描いた伝説的BL「ハイロイン」のタイドラマ化への熱視線

中国の"伝説的BLドラマ"としてファンの間で愛され続けている「ハイロイン(上癮 Addicted)」(2016年)。ティミー・シュー(当時はシュー・ウエイジョウ)＆ホワン・ジンユーという2大スターを生み出し、2022年には新たなキャストでリメイクした「ハイロイン ～Stay With Me～」が注目を集めるなど、アジアのBLカルチャーを語る上では欠かせない"名作"だ。そんな「ハイロイン」の原作小説「你丫上瘾了」をタイでドラマ化した「Addicted Heroin -ハイロイン-」が5月19日(月)より日テレプラスにてTV初放送される。

2016年に初めてドラマ化された「ハイロイン～上瘾～」は、爽やかな青春映画のようなタッチで同性同士の恋愛を描き、中国WEBドラマの1日のアクセス数記録を塗り替え、あまりの過熱ぶりに中国当局が配信停止にするという大反響を巻き起こした。

そうした人気ぶりから"幻のBL"とも称される同タイトルが、秀逸なBLドラマを数多く輩出するタイでドラマ化されるとあって大きな期待が集まる中、メインカップルを演じたのが、「Love Sick: The Series」のAugust(オーガスト・ワチラウィット)と、「He's Coming To Me～清明節、彼は僕のお墓の隣にやって来た」のMac(マック・ナッタパット)の2人。オーガストは1996年生まれ、マックは2007年生まれで実年齢では11歳差だが、そんな年齢差を一切感じさせない初々しくもロマンティックなカップルを作り上げている。

軍の将官を父に持ち裕福に育ってきた高校生・ヒーロー(オーガスト)は、父親の再婚により義理の母親と兄弟を迎えることになる。だが、継母を受け入れられず、出来の良い義兄弟と比べられることにもうんざりしたヒーローは家出し、転校した先でクラスメイトのポップ(マック)と出会う。ポップもまた、両親が離婚し、今は父親と暮らしているという。2人は次第に仲良くなるが、ある日ヒーローは、ポップこそが目の敵にしていた"義理の兄弟"その人だと知る――。

何不自由なく育ったヒーローは、わがままなところはありながらも無邪気で真っすぐな性格の持ち主。父親に「字が汚い者は頑固でわがままだ」と怒鳴られ字にコンプレックスを持つヒーローは、字がうまい同級生・ポップにイライラして靴をボロボロにしたりノートを破ったりと、小学生のようなイタズラをしてしまう。

だが、ポップの家が下着も買えないほど貧しいと知り、態度は一転。ヒーローは、イタズラで汚した学用品を新品に買い替えてプレゼントし、「字を教えてくれ。授業料は出す」と持ち掛けるなど、ポップに何かとちょっかいを出し始める。淡々とした性格のポップも、初めこそヒーローを迷惑がるが、彼のまっすぐな性格を知るにつれ、次第に心を開いていく。そんな2人をオーガストとマックが息の合った演技で作り上げている。

そんな2人のコミュニケーションは早い段階からスキンシップ多め。ヒーローが「眠気覚ましのツボを押してやる」とポップの手を取ったり、反対にポップが「ペンの握り方が違う」と、ヒーローの手を自分の手で包み込んだり。格闘技ごっこでポップがヒーローを組み敷くシーンや、ヒーローのシャツが汚れているのに気づいたポップが「洗ってやるよ」とシャツのボタンを一つ一つ外すシーンも...。それぞれの一瞬ドキッとする表情も切り取られ、2人がスキンシップを通じて距離を縮めていく様子が丁寧に映し出されていく。

そんなスキンシップの数々に、オーガスト＆マックの完成されたビジュアルの良さも相まって、より耽美的な作品に仕上がった本作。中国版の2作品とはまた趣の違う、ドキドキ指数高めの"タイ版「ハイロイン」"として、甘やかな魅力を放つ注目作だ。

文＝酒寄美智子