イ・ビョンホンの憑依演技にも絶賛の声！「スンブ：二人の棋士」「イカゲーム」...と話題作が相次ぐレジェンド俳優ならではの役へのアプローチ

6月27日(金)より世界配信を迎える「イカゲーム」最終章への期待が高まっているイ・ビョンホン。謎多き"フロントマン"の動向が注目される一方で、韓国での先行公開に続き、5月よりNetflixにて配信された主演映画「スンブ：二人の棋士」にもまた絶賛の声が集まっている。

韓国の囲碁界を舞台に、師弟関係にある棋士たちの姿を描く本作で、ビョンホンが演じているのは、"囲碁の皇帝"とまで崇められている棋士チョ・フニョン(曺薫鉉)。今回、韓国の国民的トークショー番組「ユ・クイズ ON THE BLOCK #289」にチョ・フニョンがゲスト出演するにあたりサプライズ登場し、"憑依的"ともいえる役作りの舞台裏を明かしている。

韓国の人気MCユ・ジェソクとタレントのチョ・セホがホストを務める「ユ・クイズ ON THE BLOCK」は、俳優やアーティストのみならずあらゆる分野のスペシャリストをゲストに招き、様々なテーマでトークを深掘りしていくバラエティ番組。

「#289」に出演したチョ・フニョンは、囲碁界でその名を知らぬ者はいない天才棋士。"スンブ"は"勝負"を意味する韓国語で、「スンブ：二人の棋士」はチョ・フニョンと、10歳の時に彼の弟子となったイ・チャンホ(李昌鎬)との伝説的な勝負の行方を描き出している。

韓国囲碁界の頂点にいたチョ・フニョン九段が、15歳だったイ・チャンホに敗北した1990年の"師弟対決" は当時も大きな話題になったという。「"帝王"と呼ばれた人が一夜にして自分の弟子に敗北を喫し、再び一から始めようとする心構えは、想像もつかないほど辛い心境だったのではないかと思います」と、イ・ビョンホンも自ら体現したチョ九段の胸中に思いを馳せる。

一方、チョ・フニョンとユ・ジェソクらのトークでも話題に上っていたのが、イ・ビョンホンの凄まじいほどの憑依演技。ビョンホンは、髪の分け目はもちろん、足の組み方や対局の長考中に顎に手を当てる仕草までチョ九段を"完コピ"。そんなビョンホンの演技については、「それだけでなく、足が震えているところやたばこの吸い方まで。ああ、昔こうだったなと思いました。演技が上手すぎて...」とチョ九段本人も舌を巻く。

ビョンホン自身も、(チョ九段と対面した際に)「自分かと思った」と言われたエピソードに触れながら、「"レジェンド"なので、(資料として残っている)膨大な映像や写真が私の良い"先生"になった」と、役作りについても言及。碁石を盤に置く練習を繰り返していたという。

作品のハイライトの一つが、弟子との勝負で敗北を予感した瞬間、チョ九段が口にする「ダメかな...」の一言。

ビョンホンは、「そのシーンを撮る時、何度もテイクを重ねたのを覚えています」「とても静かに、独り言のように呟く。途方もない当惑と敗北の暗い気が一気に押し寄せたのではないかと思います」と、撮影時の感情を生々しく語る。そんな彼の凄まじい役作りと集中力が窺い知れる一方で、チョ・フニョン本人からも、リアルな"伝説の勝負"の裏側が語られる、まさに"両得"な放送回と言えそうだ。

また、「#289」には、パク・ボゴム＆IUのカップリングが大反響を呼んでいる「おつかれさま」に主演したパク・ヘジュンも登場。パク・ボゴム演じる男性主人公"グァンシク"の中年期を演じるヘジュンが、作品への思いや現場エピソードを振り返るほか、「本当にボゴムが私を救ってくれた」と彼の演技に称賛を贈る一幕も...。「おつかれさま」ファンにも必見の内容となっている。

文＝酒寄美智子