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観月ありさが芯の強い主婦を好演!ドラマ「斉藤さん」

2025/06/19

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4歳の時に芸能活動をスタートさせ、今年デビュー44周年を迎えた観月ありさ。長きにわたり女優や歌手として活躍し、1992年のドラマ「放課後」を皮切りに30年連続でドラマ主演という記録を打ち立てるなど、輝かしい経歴を持つ。

長いキャリアの中でさまざまな役柄を演じてきた観月だが、よく似合うとされるのが"芯の強い女性"の役だ。キリッとした口元に凛とした瞳、強くてまっすぐな声。そこから生み出される存在感で物語を引き締める役は、観月にピッタリと言えるだろう。

そんな観月の"芯の強い女性"役の代表作として知られるのが、2008年放送の主演ドラマ「斉藤さん」だ。

観月ありさが芯の強い主婦を演じた「斉藤さん」
観月ありさが芯の強い主婦を演じた「斉藤さん」

原作 「斉藤さん」小田ゆうあ 創美社(月刊オフィスユー) ©NTV

観月が演じたのは、間違ったことを間違っているとはっきり言う主婦・斉藤全子。まさに観月の真骨頂である芯の強い女性で、本作ではその圧倒的な存在感をたっぷりと味わうことができる。

■誰が相手であっても凛とした態度で「NO」という斉藤さんを演じた観月ありさ

原作 「斉藤さん」小田ゆうあ 創美社(月刊オフィスユー) ©NTV

斉藤さんが最初に芯の強さを見せるのは、町内のゴミ収集所。収集日ではない日に空き缶を捨てた女性をはっきりとした口調で戒める。あれこれ言い返す女性に対し、「ダメなものはダメです!」ときっぱり言い放つ姿は痛快だ。

この時に斉藤さんは、その場にいた主婦・真野若葉(ミムラ)と知り合う。若葉はこの町に引っ越してきたばかりで、以前息子の尊(平野心暖)が通っていた幼稚園でトラブルを起こし、他の母親たちに仲間外れにされたことがあった。そのために言いたいことが言えず、相手の顔色を伺うようになっていた。

言いたいことをはっきり言う斉藤さんと、言いたいことがあっても言い出せない若葉。まったく性格の違う2人を軸に、物語は進む。その中で斉藤さんは、何があっても自分の考えを貫いていく。

例えば第1話、若葉の息子・尊と斉藤さんの息子・潤一は同じ幼稚園に通っているのだが、運動会のダンスの練習の時に音楽が流れなかった。なんでも運動会と同じ日に、隣の阿久津高校で模擬試験があり、音楽が流せないらしい。保護者の説明会で、それに対して斉藤さんが「断固、反対です」と言い放った時の、凛とした眼差しと強い意思を感じる表情はとても印象的だ。

ことを荒立てたくない他の母親たちから疎まれたり、阿久津高校の生徒に逆恨みされたりもするが、斉藤さんは揺るがない。幼稚園のバザーの邪魔をしに来た阿久津高校の生徒に敢然と立ち向う姿、幼稚園に落書きをする高校生たちと対峙する時の鋭い視線など、観月はしっかり芯の強い女性である斉藤さんになりきっている。

■斉藤さんの柔らかい部分も観月がしっかりと表現

原作 「斉藤さん」小田ゆうあ 創美社(月刊オフィスユー) ©NTV

しかし斉藤さんは、真面目で固いだけの人間ではない。その胸の奥には、潤一や他の子供のためにも、世の中を歪んだものにしたくないという強い想いがある。だから潤一にはとても優しい笑顔を向けるし、間違った行動を繰り返す高校生たちを心配したりもする。

斉藤さんの柔らかい部分は、若葉と仲良くなるにつれて引き出されていく。第7話で骨折し入院した時、潤一の世話をしている若葉を嬉しそうに、頼もしげに見上げたり、そのお礼を渡す時に「こういうの、慣れなくてさ」と言いながら頬を掻いたりするシーンは、どこかほっとする柔らかい魅力に満ちている。

まっすぐで頑固だが、その奥に人を思いやる優しさを持つ斉藤さんを、観月は魅力と説得力たっぷりに演じている。そんな斉藤さんを頼りにし、協力する人々が増えていき、ますます物語が痛快なものになっていくのも、このドラマの面白さだ。

また、本作では、若葉の夫・真野透を演じた佐々木蔵之介にも注目したい。バイタリティーのある優しいパパで、落ち込みがちな若葉を支え、時に夫婦漫才なども繰り広げ、物語に温かい空気を吹き込んでくれる。観月が演じる斉藤さんの活躍はもちろん、ミムラや佐々木の演技もあって、本作はスッキリできると同時に、温かい気持ちになれる作品に仕上がっている。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

斉藤さん
放送日時:2025年6月21日(土)13:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
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