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山田孝之と仲野太賀の殺気がぶつかり合うような演技が圧巻!W主演したアクション満載の集団抗争時代劇「十一人の賊軍」

2025/07/13

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俳優のみならず監督としても活躍中の山田孝之と、大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主演が決定している仲野太賀。そんな2人がW主演を務め、幕末が舞台の集団抗争を迫力満点のスケールと熱量で描いた時代劇が「十一人の賊軍」だ。

本作はヤクザ映画の金字塔と評される「仁義なき戦い」などで有名な脚本家・笠原和夫が書き遺した幻のプロットを原案に、「孤狼の血」シリーズや「碁盤斬り」の白石和彌監督が脚本家・池上純哉と組んで完成させたもの。映画化に至るまでのプロセスもドラマティックで、話題を呼んだ。

舞台は戊辰戦争の最中にあった新潟県・新発田藩。旧幕府軍と薩摩藩、長州藩による官軍との争いが激化する中、11人の罪人たちが「決死隊」として新発田藩を守るため、砦で死闘を繰り広げる物語だ。山田が演じているのは、愛する妻の敵討ちで武士を殺して死罪となった政。仲野が直心影流の剣の達人・鷲尾兵士郎を演じている。

150分超えという長尺の作品の中で、吊り橋を挟んだ広大なセットで繰り広げられる官軍と賊軍の激しくも泥臭い攻防戦は最大の見どころ。大砲や手製爆弾が互いの陣地を吹き飛ばし、殺陣のシーンではCGもワイヤーアクションも使わずのリアルな戦闘シーンが繰り広げられ、手に汗握る緊迫感だ。イカサマ博打の赤丹(尾上右近)、恨みから火事を起こしたなつ(鞘師里保)、政を兄のように慕う花火師の息子・ノロ(佐久本宝)、女犯で捕まった僧侶・引導(千原せいじ)、密航で捕えられた医者の息子・おろしや(岡山天音)、姦通で死罪となった二枚目(一ノ瀬颯)、元長州藩の滅法強い剣術家・爺っつぁん(本山力)など、協調性が薄くキャラが濃い罪人たちが、まとまらざるを得なくなる展開も面白い。そして、最もアウトサイダーな役を演じた山田と、最も正義感の強い役を演じた仲野の演技が非常に刺激的だ。

■"何も信じられない男"と"信じ続ける男"、対照的な2人を山田孝之と仲野太賀が熱演!

阿部サダヲ演じる新発田藩家老・溝口内匠の画策から物語は展開していく
阿部サダヲ演じる新発田藩家老・溝口内匠の画策から物語は展開していく

原案:笠原和夫 (C)2024「十一人の賊軍」製作委員会

官軍に寝返ることを画策していた新発田藩家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は、旧幕府軍と官軍が城で鉢合わせする事態を避けるため、「新発田のために命を張ってほしい」と血気盛んな剣士・兵士郎に相談を持ちかけ、「砦の護衛作戦」を決行する。集められた罪人たちは「官軍たちが侵攻しないように砦を守るミッションを遂行すれば無罪」と言われて喜ぶが、新発田藩士に憎しみを抱いている政は途中で逃げ出そうとし、木に縛り付けられる。そんな政に兵士郎が剣を素早く抜いて喉元寸前で止めるシーンでは、向き合った2人の緊迫感溢れる芝居が秀逸。剣士の本気を感じとる山田のギラついた視線や、覚悟を感じさせる仲野の殺気にはヒリヒリさせられる。

人数も武器も圧倒的に不利な官軍との激闘の中にあっても藩を信じるリーダー格の兵士郎と、生きるために時に暴走してしまう政は、その後も激しくぶつかり合う。本作で殺陣に初挑戦したとは思えない鮮やかな剣さばきと壮絶な立ち回りでヒーローにふさわしい演技を見せた仲野と、悪党ぶってはいるものの、壊れそうな繊細さを内に秘める難役に挑んだ山田。虫けらのように扱われる決死隊の命を賭けた戦いと、本作に渦巻いているとんでもないエネルギーや怒りが、観る者の本能と感情を揺さぶる。主演の2人はもちろん、その周りを固めるキャスト陣の、文字通り"体当たりの演技"は必見だ。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

十一人の賊軍
放送日時:2025年7月21日(月)21:00~、8月14日(木)14:15~ほか
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2025年7月29日(火)23:50~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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